TenKasSさんの映画レビュー・感想・評価 - 20ページ目

すばらしき世界(2021年製作の映画)

2.0

初西川美和監督作。
メディア批判としては体を成している気がしないし、社会批判としてはなんか浅いし、タイトルの出し方からしても、画面や観客より説明的表現を信じているいつもの日本映画だったなという印象しか
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わたしの叔父さん(2019年製作の映画)

4.0

画面外にずっと存在し世界との繋がりとしてあったテレビが壊れることで、繰り返しの日々の象徴としてのダイニングに新たな視点が持ち込まれるラストの切り返しに鳥肌。それが決して劇的なカタルシスを伴わず静謐な日>>続きを読む

アンダーウォーター(2020年製作の映画)

4.0

10年くらい前なら劇場未公開DVDスルーでTSUTAYA独占レンタル扱い、ダサいパッケージデザインにデカい字で、
[『トワイライト』クリステン・スチュワート主演最新作!]などと書かれ、初日から[1週間
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ニュー・ミュータント(2020年製作の映画)

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キャスティングに全ての力と運を使い果たした映画かと思っていたら、意外と所々最大瞬間風速を記録する。

トラウマと能力の発露が一致していてトラウマに向き合い対処することと能力を使いこなそうとすることが表
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地獄の警備員(1992年製作の映画)

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アメリカンホラーを日本でやるぞ感。
アイデアとクリシェで突っ走っていくが、単なるリバイバルって感じはしなかった。
ロッカーごと潰すの素敵。
ラストシーンに救急車のランプの光が無いのが不思議。
音楽はち
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光る女(1987年製作の映画)

4.0

スクリーンで久方ぶりの幸福。
アバンタイトルから行われていることも台詞の内容も全部荒唐無稽で最高。
ここは本当に日本?と思わせてくるロケーションが凄い。
とにかく固有名詞思い浮かびまくり。
流石の奥行
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プラウダ(真実)(1969年製作の映画)

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映像と音をどうこうとチェコスロバキアの社会情勢の分解に合わせて映画を分解するんだかなんだか知らんが…それでリュミエールにまで遡るのが憎めないような気もするにはする。

クリス・マルケルの名前が出てくる
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ブリティッシュ・サウンズ(1969年製作の映画)

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中国女のあとにこれらの作品群が来るのは時代的なものなんだろうが、結局感覚的に通ずるのは中国女の方。

ザ・ゲスト(2014年製作の映画)

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「テオレマ」という言葉を覚えたのはこの映画だったなぁとノスタルジアに駆られ?観直したのはいいものの、全然当時のような面白さを感じることはなく、むしろ何でもかんでも寄りで切り返すのがウザいくらいに感じ、>>続きを読む

中国女(1967年製作の映画)

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青春映画に観えた。
後半の列車での対話は台本なのか即興なのか、イヤホンさせてその通りに喋らせているのかわからないがアンヌ・ヴィアゼムスキーの青臭さったらない。「私間違ったこと言ってます!?」ってヤバい
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テオレマ(1968年製作の映画)

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侵入者によって、安定していた関係の家族が破滅に陥る話かと勝手に思ってたんだけど、既に墜落寸前だったし、むしろ侵入者(この言葉もどうも適切でない)が最後の砦として家族を繋ぎ止めていた感じすらあった。ブル>>続きを読む

いちごブロンド(1941年製作の映画)

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あの治療法はヒルに吸い出してもらって青アザを治すってことなのか…??

最後の歌いましょう!は一人だったのでふふふーんって歌った。寂しかった。

花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)

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生活圏がほぼ同じな上、観た人が口を揃えて共感性羞恥かなんかで「死ぬ」と言うので身構えて観に行くと、途中で出てくる「トラックを東京湾に捨てる運転手」の名前と、私の名前がほぼ同じという謎の快挙を果たし、み>>続きを読む

アルファヴィル(1965年製作の映画)

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カッコいいったらありゃしない映画。
どうやら舞台が律儀に?1984年らしい。

どうでもいいけど1969年とか1984年とか1999年とかフィクションに引用されやすい年の生まれ、何となく羨ましい。
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メイド・イン・USA(1967年製作の映画)

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どうやらコレはフィルムノワールでB級映画でありつつも政治映画の体裁をなし、諸事情で片手間で撮られ、尚且つ個人的に大好きなアントニオーニの『赤い砂漠』が引き合いに出される作品であるらしい。確かに色は…と>>続きを読む

男性・女性(1966年製作の映画)

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革命前夜の空気を湛えたフィクションでもドキュメンタリーでもないその先に立っている映画らしい。May 68のことを勉強しろ。とりあえず映画は雰囲気と反して男女観はかなり殺伐としていた。

「マルクスとコ
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雪夫人絵図(1950年製作の映画)

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花の落下と文字通りスクリーンから消えて無くなる身体。
溝口健二を何の気無しに観始めてはいけない。とてもつらい。

トラス・オス・モンテス(1976年製作の映画)

4.5

あ、なんだぁ割と話繋がってるんじゃんって思って観てたら凄いところまでぶっ飛ばされるワームホールみたいな映画。
イメージの鮮烈さだけが残り続ける。

というか映画はどれもワームホール体験的な装置になり得
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宇宙戦争(2005年製作の映画)

5.0

2014年の『ゴジラ』でギャレス・エドワーズがやろうとしたことを、10年弱前に数段、いや十段は上のレベルで平然とやり遂げてしまうのがやっぱりスピルバーグの凄まじいところ。

人々が空を見上げている(w
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トゥモロー・ワールド(2006年製作の映画)

5.0

エンドロールの最後に響き渡る子供たちの遊ぶ声、ニュースピークの諸原理くらい感動的。
久しぶりに観たら原作も映画も全然他人事じゃなくなっている。原作の舞台は今年だし。

GODZILLA ゴジラ(2014年製作の映画)

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3.11と9.11を踏まえ『ジョーズ』を下敷きに監督の持ち味であるモキュメンタリー的な画調を用いて新たに核の落とし子ゴジラを創造しようとしたが、その後のシリーズ展開を見るに製作と監督との相違があったこ>>続きを読む

ソング・トゥ・ソング(2017年製作の映画)

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寂しい!退屈!こんなはずじゃなかったのに!!みたいな陳腐極まりない(とはいえ馬鹿にはできない)主題を神の視点を手に入れた(と勝手に私が思いこんでいた)テレンス・マリックがやっていることに驚く。
映像と
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Swallow/スワロウ(2019年製作の映画)

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男性の支配を抜け出す主題の映画はもう若干飽和状態だと思うので、題材の奇抜さだけが光る。
ただその主題を劇中歌の歌詞や劇中映画(実在するものか分からない)の台詞、因縁のある人物を前にした直接的な台詞で念
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忘れたフリをして(2020年製作の映画)

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今年はマンガを読むぞとなんとなく頭の片隅で宣言して、最初に読んだのがコレだった。

気狂いピエロ(1965年製作の映画)

4.5

OASIS

みんなランボー好きねえ…
(他の作品での地獄の季節の引用は寧ろ気狂いピエロの引用にいまやなっているのか??)

パリところどころ(1965年製作の映画)

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ジャン・ルーシュのだけ観たことがあった。どこで観たのか、それともやたら長いデジャヴ?

クロード・シャブロルが『サウンド・オブ・メタル』みたいなことやっていて流石だった。昔耳栓をAmazonで大量購入
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過去を逃れて(1947年製作の映画)

4.5

映画云々より既婚者上司と寝て離婚騒動まで行ったことを自慢してきた旧友のことを思い出して笑った。勝手にやってろ。

ゲームの規則(1939年製作の映画)

5.0

映画の歓びしかない。
観て、聴けば良い。

大戦の直前、退屈さとやるせ無さが支配する。
行き交う場所としての廊下。
フレームからの出入りが激しい役者の動きをその直前で完璧な所で捉えるカメラ。計算し尽く
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裁かるゝジャンヌ(1928年製作の映画)

5.0

現在の映画が宿命的に背負っているハイコンテクストぶりに若干食傷気味になってきたので、もっとプリミティブな映画的快楽を思い出そうして観た。やはり傑作以外の何物でもなく…。
孤と多。内と外。観る観返す。人
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サラブレッド(2017年製作の映画)

1.5

ピント送りで言い訳したり音楽を止めてコミカルな場面だと分からせようとしたりするのが異様に鼻につく。ダラダラと人物を後ろから追いかけるだけの長回しも退屈。チャプター分けされている意味はさっぱりわからない>>続きを読む