ミヤザキタケルさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

ミヤザキタケル

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ちょっと思い出しただけ(2022年製作の映画)

4.0

自分の感覚では「ちょっと」思い出しただけだし、刹那的な心の揺らぎでしかないのも確かなのだけど、その「ちょっと」には膨大な想いが凝縮されているわけで、瞬時に記憶が呼び起こされてしまう程には刻まれているわ>>続きを読む

スティルウォーター(2021年製作の映画)

3.9

殺人容疑で投獄された娘の無実を証明すべく、異国の地で奔走する不器用な父親の物語。

説明描写も最低限で、地味な序盤の描き方を退屈に感じる人もいるかもしれないが、その地道で丁寧な人間の描き方が途中から猛
>>続きを読む

ディア・エヴァン・ハンセン(2021年製作の映画)

2.5

感動ポルノじゃーん!と感じられ、引いてしまった。もっと描き方があったんじゃなかろうか。楽曲が魅力的なだけにもったいない。

ドリームプラン(2021年製作の映画)

3.6

米テニスのスター選手であるウィリアムズ姉妹を育てた型破りな父親リチャード・ウィリアムズをウィル・スミスが演じる伝記映画。夢と向き合う上で必要なものが何であるのかを考えさせられる144分。テニス好きな方>>続きを読む

フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊(2021年製作の映画)

4.0

ウェス・アンダーソンの記念すべき第10作目となる作品は、フランスの架空の街を舞台に、人気雑誌「フレンチ・ディスパッチ」の最終号に掲載される1つのレポートと3つのストーリー、その成り立ちや人間模様に触れ>>続きを読む

エターナルズ(2021年製作の映画)

4.0

それぞれに異なる能力や個性を持つエターナルズの面々。それは現実における僕たちそのもの。植え付けられた価値観から脱することのできない者もいれば、より良き道を模索し切り拓いていこうとする者もいる。それもま>>続きを読む

GUNDA/グンダ(2020年製作の映画)

3.5

豚・鶏・牛。日常において「食」以外の思考を巡らせる機会が少ないであろう3種の動物たちの生態に触れていく中で、生きていくことの険しさや尊さ、命の神秘に立ち返らせてくれる一本。本作を観たからといってヴィー>>続きを読む

ただ悪より救いたまえ(2019年製作の映画)

4.2

引退直後、元恋人の死と誘拐された娘の存在を知った殺し屋。その殺し屋に兄を殺された無慈悲な殺し屋によって繰り広げられる韓国ノワール。情け容赦ない裏社会、手に汗握るド迫力アクション、容易に断ち切れない報復>>続きを読む

ボストン市庁舎(2020年製作の映画)

4.0

ボストン市役所で働く市長や職員の姿勢、ボストンで暮らす一般市民の声を通して、自分が生きるこの日本のことを、僕に限っては自分が暮らす中野区や中野区長のことを心の底から知りたくなった。約4時間半の上映時間>>続きを読む

花椒の味(2019年製作の映画)

3.9

父の死を機に出会った3人の異母姉妹が、亡き父が営んでいた火鍋店の存続や各々の人生と向き合っていく人間ドラマ。近過ぎると素直になれず、離れていると疎かになりがちで、手遅れになって初めて気が付ける大切なこ>>続きを読む

オールド(2021年製作の映画)

2.9

子どもたちが成長するその瞬間を映像として描いていないから説得力に欠けるし、事が起きてからのドラマが単調だったり粗過ぎて物足りないし、ラストのラストまでいかないと物語が進展しない上、想定内のことしか起き>>続きを読む

スウィート・シング(2020年製作の映画)

3.8

親としての責務を果たせぬ父と果たさぬ母の間に生まれ、子供でいることも大人にもなることも許されない10代の姉弟。本来2人が持つ輝きがモノクロによって封じられ、それでも溢れ出す輝きが時折カラーとなって表出>>続きを読む

キャッシュトラック(2021年製作の映画)

3.8

今回のジェイソン・ステイサムは現金輸送車の警備員。彼が主演な時点で凄腕のプロフェッショナルなのは確定なのだが、一体何故彼は凄腕なのか、原題『Wrath of Man』が意味するものとは何なのか。それが>>続きを読む

護られなかった者たちへ(2021年製作の映画)

4.0

些細なことで誤解したり分かり合えなくなる僕たち人間。負の感情に囚われれば、その行き違いは拍車がかかる一方。3.11によって生じた絆と不和が引き起こす殺人事件。その善悪を見極めることがあなたにできるだろ>>続きを読む

モーリタニアン 黒塗りの記録(2021年製作の映画)

4.1

9.11の首謀者として逮捕され、14年間不当に拘禁され続けた男の手記を元に、事実を隠蔽・改竄する政府と、事実を明らかにするべく奮闘する者たちの姿を描いた実話。時に正しさを手放してしまう人間の弱さ、正し>>続きを読む

ひらいて(2021年製作の映画)

4.0

今では失われつつある10代のあの頃の感覚が呼び覚まされ、自身の嫌な部分や隠しておきたい部分も露わにされた気がして、気付けば主人公の一挙手一投足から目が離せなくなっていた。

彼女のどうしようもない部分
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全員切腹(2021年製作の映画)

3.9

この世の中で、この日本で、筋の通らぬことを平然と抜かし、私利私欲にまみれて、当然のように理不尽を強いるフザけた連中に、堂々と中指をおっ立ててやるためにも、やることやってしゃんと生きていかなければならな>>続きを読む

DAU. 退行(2020年製作の映画)

4.2

ソ連全体主義を完全再現するという狂気の映画プロジェクト「DAU.」。その続編となる“退行”は、全9章、上映時間6時間9分と、前作以上にカオス(褒め言葉)なことに!あらゆる角度から人間の不完全性を炙り出>>続きを読む

沈黙のレジスタンス~ユダヤ孤児を救った芸術家~(2020年製作の映画)

3.7

マイケル・ジャクソンに影響を与えた「パントマイムの神様」マルセル・マルソー。これまで語られることのなかった彼の過去を通し、戦争や迫害や憎悪が人にもたらすものを、より良き未来を築くためには何が必要なのか>>続きを読む

プロミシング・ヤング・ウーマン(2020年製作の映画)

4.0

それが良き行いであれ悪しき行いであれ、一度起こしたその行いを、なかったことにはできやしない。たとえ当人が忘れていても、誰かが絶対に覚えている。果たすべき責任を果たしているか、自身の記憶を都合良く改竄し>>続きを読む

明日に向かって笑え!(2019年製作の映画)

3.9

2001年のアルゼンチン金融危機を背景に、圧倒的理不尽に晒された者達が一矢報いるために立ち上がる。その姿に勇気を貰った。力なき正義だけでは何も果たせない。どうしたら力ある正義を手に入れられるのか。奮闘>>続きを読む

少年の君(2019年製作の映画)

4.2

いじめが良くないことは誰だって知っている。が、なくならない。当事者にならない限り、傍観を決め込んでいられるし、加害者側であっても露呈せぬまま大人になれば、記憶を美化したり改竄する。結果、当事者以外は突>>続きを読む

白頭山大噴火(2019年製作の映画)

3.8

一見豪華俳優陣共演のエンタメディザスター映画だけど、当然その要素や魅力も存分に盛り込まれているのだけど、描かれていく人間模様を通して、この現実にも通ずる一丸となれない僕たち人間、窮地を乗り越えるために>>続きを読む

ファーザー(2020年製作の映画)

4.1

自分を認識して貰えなくなることの悲しみ、支え続けていくことの苦痛や苦悩、当たり前だと思っていた日常が失われていくことなど、いずれ訪れるかもしれない現実を、人によっては既に体験済みの現実を目の当たりにし>>続きを読む

東京自転車節(2021年製作の映画)

3.9

未知のウイルスを前に誰もが不安や恐怖に包まれ、厳しい現実を突き付けられた2020年。人それぞれに状況は異なるが、他者を気にかける余裕もなく、自分のことで精一杯だったあの頃。一人の映画監督が直面した現実>>続きを読む

スーパーノヴァ(2020年製作の映画)

3.8

とても良い作品だった。
けど、今の自分ではまだ味わい尽くせない作品だったように思う。それは決してネガティブな意味合いではなく、幸いにも両親やパートナーなど、最も近しい存在に訪れる死や認知症といった類い
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隔たる世界の2人(2020年製作の映画)

4.0

タイムループに人種差別に相互理解への模索。
新しくて、重くて、大切で、短くて、最高の短編映画。

Netflixユーザー必見。

茜色に焼かれる(2021年製作の映画)

4.4

生きていく理由とは何か、死んではならない理由とは何か。映し出される登場人物たちの日常や葛藤を目にしながら、終始その答えを模索し続けた。コロナ禍における日常が下地にある邦画作品に今回初めて出会い、今を生>>続きを読む

ブータン 山の教室(2019年製作の映画)

3.7

広大な自然が広がるブータンの僻地へと足を踏み入れていく様は、さながらまだ見ぬ自分の心を探る旅路のよう。次第に不純物が削ぎ落とされ、本来あるべき人の営みに立ち返り、何が大切なのかを見据えていく青年の変化>>続きを読む

ザ・ライダー(2017年製作の映画)

4.3

生き方はひとつじゃない。
でも、誰だって自分が望んだ道を、自分が信じられるたったひとつの道を歩んでいたい。妥協や諦めが伴う道なんて、これっぽっちも歩みたくないに決まっている。

ただ、望んだ道を歩むの
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地獄の花園(2021年製作の映画)

3.5

超面白かった!フザけたことを大真面目且つ本気で貫いている映画の破壊力はとんでもない。さながらOL版『クローズZERO』。不良漫画や王道バトル漫画好きにはたまらない展開のオンパレード。笑いあり、友情あり>>続きを読む

ビーチ・バム まじめに不真面目(2019年製作の映画)

3.7

終始ラリってるような展開のオンパレードだけど、その実、ラリってないと心の平穏をキープできない男の脆さや繊細さを描いた作品であり、人生ラリってる位が丁度良いのかもしれないと、日々の重圧から僅かばかりでも>>続きを読む

ブックセラーズ(2019年製作の映画)

3.5

本好きであれば間違いなく楽しめるが、本好きでなくとも得られるもので溢れており、それこそがドキュメンタリーというものの醍醐味。ありとあらゆる変化を拒み恐れるのではなく、どう適応・順応し、より良き未来を創>>続きを読む

水を抱く女(2020年製作の映画)

4.0

時代毎に街並みや価値観は変化するが、変わらないもの、変わるべきではないものがある。それは“愛”の概念。だが、誰もが恋と愛を混同し、愛が失われたと錯覚する。しかし、本来愛とは不変にして無類。ウンディーネ>>続きを読む

野球少女(2019年製作の映画)

3.8

叶う保証のない夢を追う熱意、そんな夢を抱く我が子を案ずる親心、良かれと思い助言に走る大人の節介、どれもこれも理解できるが、各々の選択に是非を問うのは難しい。だが、性別故の線引きが及ぼす弊害や歪さだけは>>続きを読む

ビバリウム(2019年製作の映画)

3.5

まるで得体の知れないスタンド攻撃にスタンドなしで立ち向かっているような、いや、なす術もなく翻弄されているような、その際に生じる不安や恐怖をじっくりねっとり時間をかけて描く奇妙な作品。その根底に宿ってい>>続きを読む