とても良い作品だった。
けど、今の自分ではまだ味わい尽くせない作品だったように思う。それは決してネガティブな意味合いではなく、幸いにも両親やパートナーなど、最も近しい存在に訪れる死や認知症といった類いの経験を、僕が一切してきていないから。彼らと同質の経験があればこそ、より深く没入できるものがあるのではないだろうか。
とは言え、僕と近しい状態の人が今本作を目にしても、きっと得られるものはあるはずだし、多くを経験している人であれば、涙腺抉られるくらい引きずり込まれてしまうはず。訪れて欲しくはないけど、いつか自分にもその時が訪れる。そんな時間を経て、色々なことに整理が着いた時には、改めて本作を目にしたい。
