ミヤザキタケルさんの映画レビュー・感想・評価

ミヤザキタケル

ミヤザキタケル

少年の君(2019年製作の映画)

3.9

『少年の君』
いじめが良くないことは誰だって知っている。が、なくならない。当事者にならない限り、傍観を決め込んでいられるし、加害者側であっても露呈せぬまま大人になれば、記憶を美化したり改竄する。結果、
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白頭山大噴火(2019年製作の映画)

3.8

一見豪華俳優陣共演のエンタメディザスター映画だけど、当然その要素や魅力も存分に盛り込まれているのだけど、描かれていく人間模様を通して、この現実にも通ずる一丸となれない僕たち人間、窮地を乗り越えるために>>続きを読む

ファーザー(2020年製作の映画)

4.1

自分を認識して貰えなくなることの悲しみ、支え続けていくことの苦痛や苦悩、当たり前だと思っていた日常が失われていくことなど、いずれ訪れるかもしれない現実を、人によっては既に体験済みの現実を目の当たりにし>>続きを読む

東京自転車節(2021年製作の映画)

4.0

未知のウイルスを前に誰もが不安や恐怖に包まれ、厳しい現実を突き付けられた2020年。人それぞれに状況は異なるが、他者を気にかける余裕もなく、自分のことで精一杯だったあの頃。一人の映画監督が直面した現実>>続きを読む

スーパーノヴァ(2020年製作の映画)

3.8

とても良い作品だった。
けど、今の自分ではまだ味わい尽くせない作品だったように思う。それは決してネガティブな意味合いではなく、幸いにも両親やパートナーなど、最も近しい存在に訪れる死や認知症といった類い
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隔たる世界の2人(2020年製作の映画)

4.0

タイムループに人種差別に相互理解への模索。
新しくて、重くて、大切で、短くて、最高の短編映画。

Netflixユーザー必見。

アオラレ(2020年製作の映画)

3.9

煽り運転に遭遇することも、些細なことで他人とモメることも、誰にでも起こり得ることだから、この物語は他人事では済ませられない。

失うものが何もない相手を敵に回す恐怖!
デジタル機器に依存しているが故に
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茜色に焼かれる(2021年製作の映画)

4.4

生きていく理由とは何か、死んではならない理由とは何か。映し出される登場人物たちの日常や葛藤を目にしながら、終始その答えを模索し続けた。コロナ禍における日常が下地にある邦画作品に今回初めて出会い、今を生>>続きを読む

ブータン 山の教室(2019年製作の映画)

3.7

広大な自然が広がるブータンの僻地へと足を踏み入れていく様は、さながらまだ見ぬ自分の心を探る旅路のよう。次第に不純物が削ぎ落とされ、本来あるべき人の営みに立ち返り、何が大切なのかを見据えていく青年の変化>>続きを読む

ザ・ライダー(2017年製作の映画)

4.3

生き方はひとつじゃない。
でも、誰だって自分が望んだ道を、自分が信じられるたったひとつの道を歩んでいたい。妥協や諦めが伴う道なんて、これっぽっちも歩みたくないに決まっている。

ただ、望んだ道を歩むの
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地獄の花園(2021年製作の映画)

4.0

超面白かった!フザけたことを大真面目且つ本気で貫いている映画の破壊力はとんでもない。さながらOL版『クローズZERO』。不良漫画や王道バトル漫画好きにはたまらない展開のオンパレード。笑いあり、友情あり>>続きを読む

ビーチ・バム まじめに不真面目(2019年製作の映画)

3.7

終始ラリってるような展開のオンパレードだけど、その実、ラリってないと心の平穏をキープできない男の脆さや繊細さを描いた作品であり、人生ラリってる位が丁度良いのかもしれないと、日々の重圧から僅かばかりでも>>続きを読む

ブックセラーズ(2019年製作の映画)

3.5

本好きであれば間違いなく楽しめるが、本好きでなくとも得られるもので溢れており、それこそがドキュメンタリーというものの醍醐味。ありとあらゆる変化を拒み恐れるのではなく、どう適応・順応し、より良き未来を創>>続きを読む

水を抱く女(2020年製作の映画)

4.0

時代毎に街並みや価値観は変化するが、変わらないもの、変わるべきではないものがある。それは“愛”の概念。だが、誰もが恋と愛を混同し、愛が失われたと錯覚する。しかし、本来愛とは不変にして無類。ウンディーネ>>続きを読む

野球少女(2019年製作の映画)

3.8

叶う保証のない夢を追う熱意、そんな夢を抱く我が子を案ずる親心、良かれと思い助言に走る大人の節介、どれもこれも理解できるが、各々の選択に是非を問うのは難しい。だが、性別故の線引きが及ぼす弊害や歪さだけは>>続きを読む

ビバリウム(2019年製作の映画)

3.5

まるで得体の知れないスタンド攻撃にスタンドなしで立ち向かっているような、いや、なす術もなく翻弄されているような、その際に生じる不安や恐怖をじっくりねっとり時間をかけて描く奇妙な作品。その根底に宿ってい>>続きを読む

ブレイブ 群青戦記(2021年製作の映画)

4.0

学生もの・タイムスリップもの・時代劇ものの側面を併せ持ち、数多の要素や登場人物が介在しながらも、誰一人として埋もれることなく見せ場があり、気付けば彼ら一人ひとりのことが大好きになっていた。彼らの一挙手>>続きを読む

きまじめ楽隊のぼんやり戦争(2020年製作の映画)

3.9

言われるがまま、与えられるがまま、定められたサイクルを従順に生きていくことで得られる平穏も確かにある。でも、真に価値あるものはいつだって自らの疑問や行動や勇気が引き寄せるもの。オフビートな寓話的世界が>>続きを読む

DAU. ナターシャ(2020年製作の映画)

4.2

その狂気的な製作背景も相まって、途中までどう捉えるべきか分からずにいたが、極めて本物に近しい虚構の中で生じる感情の渦は、絶えず心を揺さぶり続け、数多の真実を垣間見させていく。これはまだ氷山の一角であり>>続きを読む

ターコイズの空の下で(2019年製作の映画)

3.9

あらゆることが複雑化してしまった現代社会において、本来あるべき人の営みに立ち返り、自然がもたらす恩恵を、人に宿りし善意を、言葉を介さずとも分かり合うことのできる人間の可能性を信じさせてくれる力作。台詞>>続きを読む

あの頃。(2021年製作の映画)

3.5

傍から見たら痛々しくもある男たちだが、その痛々しさには身に覚えがあった。引き際を心得ていただけで、いや、周囲の目に屈しただけで、彼らの「好き」を僕は知っていた。今ほど「オタク」というものに寛容ではなか>>続きを読む

Swallow/スワロウ(2019年製作の映画)

3.8

「理解不能」と拒絶するのは容易いが、手段が異なるだけで、誰もがきっとやっている。埋められない孤独や、満たされない心のバランスを保つため、何かしらの手段で帳尻を合わせている。その代償行動の呪縛から解き放>>続きを読む

まともじゃないのは君も一緒(2020年製作の映画)

3.3

「普通」っていうのは世間のモラルや空気に合わせられることで、でもそれは流動的なものだから、そこに力を割く位なら、「ありのまま」でいられることや「ありのまま」で関わることのできる他者との繋がりを大事にし>>続きを読む

ワンダーウーマン 1984(2020年製作の映画)

3.0

描こうとしていたこと、その理屈は、これでもかと言う程分かりやすいのでしっかり伝わってきたものの、胸揺さぶられるだけの人間ドラマに欠け、ダイアナが抱える葛藤描写が希薄で、決断を下すに至るまでの積み重ねが>>続きを読む

春江水暖~しゅんこうすいだん(2019年製作の映画)

4.3

川の流れのように止まることのない時間の流れを、移り変わる価値基準を、常に変動していく人間関係を、ままならない人生の在り方を、家族3世代が織り成す骨太なドラマと、大河・富春江を通して垣間見る。これが長編>>続きを読む

映画 えんとつ町のプペル(2020年製作の映画)

3.5

星を信じる少年とゴミでできたゴミ人間との出会いを通して、一度胸に抱いた夢を信じ抜く勇気、貫き通す覚悟、それらを抱くに値する夢だと確信することの難しさと大切さを垣間見た。そして、西野亮廣という男が辿って>>続きを読む

すばらしき世界(2021年製作の映画)

4.4

人間、そう簡単には変わらない。いや、変われない。心の奥底から変化を望み、耐え難い努力をし、それを支えてくれる他者の存在や後押しがあってこそ、ようやく叶えられるもの。その事実を、困難さを、困難さを助長さ>>続きを読む

天空の結婚式(2018年製作の映画)

3.9

LGBTQに限らず、色々な事柄に想いを巡らせるキッカケを、異なる価値観や他者を理解したり尊重したりすることの難しさについて考えるキッカケを与えてくれる有意義な時間だった。重過ぎず軽過ぎず、90分と観や>>続きを読む

哀愁しんでれら(2021年製作の映画)

4.0

人生に正解などないが、道なき道を歩むのは誰だって怖いもの。「こうあるべき」という指針があってこそ踏み出せる一歩もある。だが、時に理想は枷となり、自らの首を絞める。道を踏み外す一因にだってなってしまう。>>続きを読む

花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)

4.3

誰もが通った2015〜2020年という歳月を通して描くのは、誰もが通るであろう恋模様。劇的なことなど大して起こらず、映し出されるのはごく普通の日常ばかり。でも、僕達にとっては日常こそが全てであり、無数>>続きを読む

私をくいとめて(2020年製作の映画)

4.2

人と関わらなければ傷付くリスクも減るけれど、得られる喜びには限界がある。人と関われば傷付くリスクは増すけれど、得られる喜びに限界はない。何を優先するかは人それぞれだけど、誤魔化しながら生きてもいけるけ>>続きを読む

ハッピー・オールド・イヤー(2019年製作の映画)

3.7

他者と過ごした時間が介在しない物を捨てるのは容易いけれど、他者と過ごした時間が介在している物はそう簡単に捨てられない。強引に割り切ろうものなら何かしらのシコリは残るし、向き合うにしたってきっと誰かが傷>>続きを読む

スーパーミキンコリニスタ(2019年製作の映画)

3.8

俳優を目指していた20代の頃の自分がそこにはいた。観ていて何度も何度も胸を締め付けられた。彼女が抱える葛藤や薄っぺらさや持続しないなりにも絞り出す情熱には、身に覚えしかなかった。何のために夢を追うのか>>続きを読む

脳天パラダイス(2019年製作の映画)

3.9

脳天直撃!!何なんだこの映画!!!
途中から奇想天外でカオスな展開のオンパレードだというのに、ずっと真剣に観ていられる摩訶不思議。普通に考えたらあり得ない!はずなのに、あり得てしまうこの作品の存在がと
>>続きを読む

ばるぼら(2019年製作の映画)

3.9

愛・狂気・理性、冒頭で示されるニーチェの言葉が道標となり、この奇妙で幻想的で退廃的な世界観を味わい尽くすことができた。手塚眞の描く世界、クリストファー・ドイルが映す日本、俳優陣の熱演など、数多の要素が>>続きを読む

思い、思われ、ふり、ふられ(2020年製作の映画)

4.0

実写版も素晴らしかったが、アニメ版も素晴らしい。アニメーションだからこそ描ける映像表現や人物描写の奥行きがそれぞれに抱く想いを彩り、実写とは異なる部分でキュンキュンするし胸締め付けられる。実写版を観て>>続きを読む

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