トップダンサーに見えない鈴木杏と、終始気持ち悪い方言のせいで感情移入が難しい。高良健吾の演技、オノマトペで始まる挿入歌が良い。
ジーン・ケリー×ガーシュウィンというミュージカル映画における奇跡的な組合せは、底抜けに明るい極上エンターテインメントに仕上っている。絵の中を踊る壮大なクライマックスは圧巻ではあるが、物語そのものには魅>>続きを読む
素早い場面転換でありながら個々のシーンはスローモーションで濃密に描かれる。二人の心情は明示されず、またその関係性には歯痒さも感じる。雨は官能的でもあり涙でもあり浄化でもあるように思える。トニー&マギー>>続きを読む
巧みなキャラクター造形があり、そこに豪華な俳優陣を落とし込む。次から次へとトラブルに見舞われ、そのたびに意外な機転で乗り越え、破綻させずに結果オーライなラストを迎える脚本。エンターテインメントの本質は>>続きを読む
吉永小百合は美しいが、自分の中の与謝野晶子像と合致しないせいで物語に入り込めない。松田優作の佇まい、松坂慶子のとんでもない演技が見所。
前半は成り上がりのギャツビーの報われない恋物語のように描かれているが、デイジーのキュートで奔放な様子に違和感を覚え始めたあたりで、そこに必ずしも純粋な愛が存在しているとは限らないという虚しさが見える。>>続きを読む
前半でしっかりと積み上げ、怒濤のラスト30分へと持っていく丁寧な作り込み。一切のミスが許されず、作戦が秒刻みで展開していく緊張感が半端ない。
冒頭からアメリカ的でチープなTVドラマのような雰囲気で不安が過ぎったが、初期ジャッキー映画に見られるコメディ感があって、ようやくハリウッドがジャッキーと上手く擦寄ることができたという印象を持てた。子供>>続きを読む
シリアスなストーリー展開は見応えがあり、この頃の香港映画にしては珍しく練り込まれた脚本が光る。対トンファーの複雑な殺陣などアクションの見所もしっかりあって、重厚な作品になっている。
前半まではサブキャラの見せ場もあり、復活したフリーザへの絶望感もあるが、パワーインフレの究極体である悟空が登場してしまうと途端に予定調和になってしまうあたり、ドラゴンボールという物語の終焉を見てしまっ>>続きを読む
狂気・憎悪・プライド…そういったものがドラムの音で語られ、ラスト15分は激情が強引なまでに二人の男を繋げてしまう。その極限まで削ぎ落とされたプリミティヴな音楽の展開に心を奪われてしまう。
恋愛や友情や正義があり、郷愁漂う西部の静けさと激しい銃撃シーンがあり、魅力的なキャラクターがある。シンプルだが濃密な要素があるからこそ、この物語が再生産され続ける所以だろう。
南北戦争や当時の連邦議会の構図、黒人差別の現状に対する深い前知識があって初めて物語の実像が見えるが、単に法案を通すための極めて政治的な攻防だけではなく、家族との関係性や時に哲学的な例え話を交えてリンカ>>続きを読む
パニック映画ならではの緊迫感があり、徐々に捜査の手を伸ばす警察の手腕、現場の混乱との板挟みに対処していく国鉄の気概、裏をかいていく犯人グループの知略、三者それぞれを応援したくなる不思議な構図がある。憎>>続きを読む
強烈なキャラクターとギミックに満ちた脚本によるコメディ感、ゴルチエのデザインと奇妙なクリーチャーによって醸し出される独特なSF感、そしてブルースの安定したアクションのバランスが良い。ミラ、ゲイリー、ク>>続きを読む
テンポも良く、アクションのバランスも良い。ミスリードを誘うだけ誘って、真犯人があまりに唐突に登場する脚本の甘さがある。
美しきソンドラによる非情な復讐の描写と、監督も務めたイーストウッドのここぞという場面の演出が素晴らしい。1作目に比べると極端にシリアスな印象だが、もはや老刑事となったハリーには丁度良いドラマなのではな>>続きを読む
犯人グループとのやり取りはあっさりと描かれるほどに手強さがなく、間抜けな上司との軋轢、さらには相棒はド新人の女性刑事と、どんどんハリーは自分のやり方が通用しなくなっていく。そこにどこか哀愁が漂い、アク>>続きを読む
極端なやり方ではあるがシンプルな勧善懲悪ストーリーだった前作に比べ、ミステリー的な展開のせいでイーストウッドのアクションが活かされなかった。ハリーと犯人達の動機は同じようだが僅かな信念の差が命運を左右>>続きを読む
タフでスマートなハリーが格好良く見えるのは、例えそれがダーティな方法であれクソほどの価値もない異常殺人者にしっかりと鉄槌を下してくれるからだ。法律は善良な市民の生活を守るが、逆に法律が生活を脅かすとい>>続きを読む