凪沙(草彅剛)の一果(服部樹咲)に対する眼差しが微妙に変化してゆく様が印象に残る。一果がバレエを踊るシーンが美しい。だけど、世界観が全く掴めず後味がよくなかったのはなぜだろう。
登場人物の描かれ方。>>続きを読む
中国の一時代を
とある集団で共に過ごした青年たちの物語
冒頭からいきなりの毛沢東肖像画にちょっと驚く。そこからの中国共産党政治部文芸工作団の日常が、青春時代を後からしみじみ思い返した淡く儚い夢のよう>>続きを読む
コミカルな場面とシリアスな場面を織り交ぜながら、最初から最後まで軽妙に展開してゆく。コメディタッチで描かれているので、登場人物の会話が面白い。そんな感じなので、想像の余地は少なくてサラッと観終わった。>>続きを読む
荘厳な映像と音楽
普遍的な物語
ミュージカル作品の映画化
役者の歌唱力は圧巻。舞台と違って、アップショットが多用されるので、表情がよく分かる。場面ごとの背景設定が壮大でリアル。1800年代前半のフラ>>続きを読む
さまざまな家族のカタチ
昔ながらの任侠映画(あまり観たことないけど)と、現代社会におけるヤクザの世界がバランスよく描かれていた。俳優陣の迫真の演技、剥き出しの感情と静かな情景描写の抑揚が、心に波を起>>続きを読む
きめ細やかな作品
青色の変化が印象的
突然この世を去ったサシャ
青色が好きなのがよく分かる
部屋のカーテン、Tシャツ、シルクスクリーンに
塗り込める青色のインク
恋人を喪ったロレンス
妹を喪ったゾ>>続きを読む
切なくも痛快な物語
戦争、国籍による分断
統治する側とされる側
同じ民族同士のイデオロギーの違いによる分断
自由(資本)主義と共産(社会)主義
国籍とイデオロギーの違いを超えるべく結成された
チー>>続きを読む
子どもは子どもだったころ
大人に怒られると怖かった
大人に褒められると嬉しかった
子ども同士で、すぐに仲良くなった
キラキラした物、カラフルな物に心が踊った
家に新しい電化製品が入るとワクワクした>>続きを読む
1984年のグリコ・森永事件をモチーフにした作品。
未解決事件の一つの解釈としては面白かった。
実際の事件が起きた時期に小学生だったので、世間を揺るがしたショッキングな出来事として懐かしさを感じなが>>続きを読む
何かのために生きる
昨年は24カ国、71本の映画を観てレビューした。
今年も、古今東西、幅広い作品に出会いたい。
一本目は、1994年、 ロシア作品。
公開当時にフライヤーを見た記憶のあったもの。>>続きを読む
1994年公開 オーストラリア制作
原題 The Piano
『ピアノレッスン』より、原題の方がいい。
もしくは、”私はピアノ”でもいいかな。
そんな歌があった気がする。
公開当時、劇場で鑑賞。今>>続きを読む
ファンタジックなお見送り
ビッグフィッシュが泳ぐ水面、人魚が泳ぐ水中、ロッキングチェア、一面の水仙の花畑…
幻想的な映像が心に残る
父、エドワードと息子のウィルは距離を置いている
ウィルは、エドワ>>続きを読む
藪の中の真実
役所広司の演技がスゴい。中盤に中空を仰ぎ見るシーンと、最後のアクリルボード越しの福山雅治との対話シーンが強く印象に残る。
被告人、三隅の話は揺れ惑う。焦点を定められない弁護人の重盛と>>続きを読む
夫婦間の自由と平等
途中まで、これはDivorce story(離婚物語)じゃない?と思いながら観るが、最後、やっぱりMarriage storyだったんだと納得。
夫婦と親子、それぞれの心の揺れ>>続きを読む
弟、兄、父、母
各人の苦悩と家族の再生の物語
カメラアングル、色のコントラスト、映像が美しい
音とBGMは抑え気味
登場人物のセリフも少なめで、表情から心情に想像力がはたらく
その一方、暴力の描写が>>続きを読む
永遠を平面に刻む
フィンセント・ファン・ゴッホ
1853-1890 オランダのポスト印象派の画家
奇才、天才、偉大な画家として没後130年経つ現代にも作品と名を残す。
その所以がよく解る。天才、天>>続きを読む
地球と人類を救う親子の物語
なぜか、ふと、食わず嫌いのSF映画が観たくなって本作を選択。
宇宙空間、ブラックホール、未知なる惑星…、初めて観る世界の映像は、新鮮で美しくリアリティが感じられた。宇宙>>続きを読む
めくるめく世界
大林宣彦監督の遺作、ということで心して鑑賞。
冒頭から、なんじゃこりゃ!?と面食らう。宇宙船の中、空間を漂う鯉…。考えてもしょうがない、感じてみよう!と、シンキングからフィーリングに>>続きを読む
心象風景と目に見える景色の交錯
1997年 イラン映画
主人公バディは自殺を助けてくれる人を探している。一人で死にきれないことは、まだ生きる望みを残しているからだろうか?車で街や野山を走り回る。デ>>続きを読む
初 インドのサスペンス映画
コルカタの都市のビル群、きらびやかな夜景、それとは対照的に物騒な裏通り、恐らくは貧しい人々が暮らすバラック、祭りの狂騒にインドの様々な情緒を感じた。どのインド映画でもそう>>続きを読む
歌って踊って、旅するインド映画
列車やバスに揺られ、街を抜け、野を渡り、山を越え、谷を越え、二人でひたすらにある場所を探し歩く、走る。
パジュランギおじさんは、一本気で優しい力持ち。ひたすらカッコ>>続きを読む
1958年公開
小津安二郎監督、初のカラー作品
場面が切り替わる際のBGMに懐かしさを感じ、映像の色と構図の美しさにうっとりさせられる。物語は、市井の一家族のよくある話で、ドラマチックな展開は全くな>>続きを読む
すばらしき作品
”素晴らしき”って、どんな時に使うんだろう?と考えると、期待を大きく上回った時に「素晴らしい!」って言葉が自然と出てくる。
書店で『身分帖』(この作品の原案)を目にしたとき、西川美>>続きを読む
フィンランド×中国
最近、国籍の違い、異文化の交流を描いた映画をよく観てる。
『ミナリ』韓国×アメリカ
『フェアウェル』中国×アメリカ
『あなたの名前を呼べたなら』インド×アメリカ
本作の特徴は、>>続きを読む
耽美的、唯美的、神秘的
主人公のアンドレイが作中で語る言葉のとおり、詩的な本作は翻訳しきれない。
「詩は翻訳できるものではない。すべての芸術も」
見る者の審美眼が試されている気がする。
学生時代に>>続きを読む
心理描写が素晴らしい。
ショート・タームで保護される子どもたちは、心に深い傷を負っている。多感な時期に負った傷は、容易く癒えない。意識化、言葉にして客観的に捉えなおすことも自分の力でやるには幼すぎる>>続きを読む
ミュージックビデオの“つづれ織り”
監督と出演者の音楽愛がひしひしと伝わってくる。曲と、それに合わせた情景描写は、MVそのもの。それが作中に織り込まれていても不自然じゃなく新鮮だった。
昔、アイリ>>続きを読む
アリの棲む場所
魚の棲む場所
鳥の住む場所
石ころのある場所
モリ(守一)のいる場所
超俗、脱俗、世間を離れた画家と妻、その周りの人・生物・無生物が、人の目・虫の目・鳥の目で描かれる。日常をスケッチ>>続きを読む
中国×アメリカ+ちょっと日本
中国に暮らす、おばあちゃんのナイナイ。
アメリカに暮らすナイナイの次男夫婦とその娘ビリー。
日本に暮らすナイナイの長男夫婦とその息子。
ナイナイが末期がんの診断を受け>>続きを読む
ミナリ、ミナリ
ワンダフル、ワンダフル...
祖母と孫の歌声が心に残る
ふと、過去の場面を思い出す。
大人になってから、知り合いの家で夕食をよばれた際、その家のおばあさんが、近くからセリを取ってき>>続きを読む
視線の先にあるもの
アップショットの多用
オリヴィエの背中越し、肩越し、後頭部越しのカメラアングル
忙しないカメラワーク
窮屈感と落ち着かなさを感じながら
何を見せられているんだろう?と考える
解>>続きを読む
色とりどり
カナダ、マーシャルタウンの美しい街並み
カラフルな家屋の色
空の色、雲の色、海の色、木々の色…
季節と共に変わりゆく自然の色
夢中で絵を描くモード
夢中で働くエベレット
二人は、次第に>>続きを読む
感情的真実
イ・チャンドン監督の『オアシス』のレビューにこんなことを書いた。
”今朝新聞で読んだ作家カズオ・イシグロ氏の言葉が浮かんだ。
「いまの世界では、科学的真実と感情的真実という二つの真実>>続きを読む
とってもよかった。
導入部、農村から都市(ムンバイ)に向かう場面、主人公ラトナの表情やインドのエキゾチックな景色に、すぐに物語の世界に惹き込まれた。
そこからも、メイドとしてのラトナと、雇い主であ>>続きを読む
カズオイシグロの小説を読みたいと思いつつも、本の厚みと翻訳ものの苦手感から手に付かず。映画で観てみようと鑑賞。
希望のない物語の中のわずかな希望と、カズオイシグロ作品に通底するテーマ「記憶」を頼りに>>続きを読む
少女の目に映る世界
不思議、不可解、不条理、理不尽...。
中学生の多感な時期って、世界を手探りで、自分の手触りで感じながら理解してゆく。そんな時期だったなぁと思い出す。本作のストーリーを理解しよう>>続きを読む