ymdさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

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Ryuichi Sakamoto: CODA(2017年製作の映画)

4.0

ゼロ年代におけるアンビエントミュージックの最高傑作のひとつだと信じている『out of noise』の制作の裏側を覗けるだけでも個人的にはたまらない映画なのだけど、坂本龍一という人の音楽に対する哲学と>>続きを読む

ライフ(2017年製作の映画)

3.8

ジェイク・ギレンホールと真田広之が共演しているとあってずっと興味のあった本作。

本作にも主演級に配役されているライアン・レイノルズの『デッドプール』や傑作B級ホラーコメディ『ゾンビランド』も手掛ける
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GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊(1995年製作の映画)

4.4

攻殻機動隊との初対面は神山健治監督によるテレビアニメ版『STAND ALONE COMPLEX』から。
S.A.Cが原作とパラレルワールドになっているため、原作に基づいた本劇場版との相違点は多い。
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メイキング・オブ・モータウン(2019年製作の映画)

4.6

動くマーヴィン・ゲイを観られるだけで感涙モノの、ブラック・ミュージックファン必見のドキュメンタリー。

モータウンという希代のレーベルの軌跡を通して、今にいたるソウルミュージックの歴史の重要な一角が映
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シン・エヴァンゲリオン劇場版(2020年製作の映画)

4.5

観たのは2週間くらい前なんだけど一向に感情の整理がつかないまま、何も書けずにいた(そもそも何かを書くこと自体が禁忌である期間も長かった)のだけど、『プロフェッショナル 仕事の流儀』の庵野秀明特集が放送>>続きを読む

ワンダーウーマン 1984(2020年製作の映画)

3.4

前作『ワンダーウーマン』はDCEUに新しい風を送り込み、アメコミ映画においても傑作だったわけなので、今作にもとても期待していたのだけど。

確かに前作から継承している良さももちろんあり(というか単純に
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FAKE(2016年製作の映画)

3.5

森達也監督は通っていた大学の特任教授だったので2年間講義を受けていたという個人的な思い出がある。

「ドキュメンタリーはジャーナリズムではない」
「ドキュメンタリーは嘘をつく」

ということを、彼は講
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エンジェル ウォーズ(2011年製作の映画)

4.5

ある意味でザック・スナイダーの作家性が最もズル剥けになった問題作。今作以降の代表作である『ウォッチメン』からDCEUにかけての暗鬱で思わせぶりな態度を換骨奪胎させることで、スタイリッシュなアクションだ>>続きを読む

グッド・ボーイズ(2019年製作の映画)

3.9

ジュブナイルモノとして実は最高に真っ当な本作。ちょっとコーティングが過激ではあるけど。

現代版『スタンド・バイ・ミー』として謳っても間違いない傑作だと思います。

『ルーム』や『ワンダー 君は太陽』
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ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q(2012年製作の映画)

3.7

前作『破』でも型破りな展開でぼくを置いてけぼりにした庵野秀明は、今作ではもう、やりたい放題である。

『破』にはまだ分かりやすいエンタメ性もあったというのに、今作はとことんダークな展開の連続であり、こ
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ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破(2009年製作の映画)

4.0

前作『序』で一通り提示し敷設したかと思われた世界観を何のためらいもなくぶち壊していくストロングスタイル。
それがエヴァンゲリオンの突出した個性であり、他の追随を許さぬ点であることはみな承知の通りだろう
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ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序(2007年製作の映画)

3.8

そのカルト的な人気っぷりに怯んで今まで見たことがなかったエヴァンゲリオンシリーズ。

話題沸騰公開中の最終作のこともあるし、良い機会ということで一気にこの新劇場版3作を鑑賞した。

そもそも作りとして
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デッドプール(2016年製作の映画)

4.2

劇場公開当時に4DXで観たんだけど、ウイスキーの匂いを出す演出の煩わしさで映画に集中できなかった記憶があります。

なので粗筋こそ覚えているものの内容結構忘れてしまったので再鑑賞。ちなみにXメンは初作
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シモーヌ(2002年製作の映画)

4.2

『ガタカ』や『ドローン・オブ・ウォー』などの傑作を残すアンドリュー・ニコル監督作。

ずっと観たかった映画なのでようやく鑑賞。期待を裏切らない、むしろ期待以上の良作でした。

SFコメディという体裁を
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ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語(2019年製作の映画)

4.1

古典名作と名高い「若草物語」をグレタ・ガーウィグが今の時代に共鳴する形でアップデートした本作。

恥ずかしながら原作は知らないのだけど、この映画単体でも十分に見ごたえのある傑作です。

19世紀後半に
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アキラ AKIRA(1988年製作の映画)

4.3

未来を予言していたなんていう付加価値によってその神性をさらに高めている本作。

最初に鑑賞したのは、五輪招致が決まった2013年だったと記憶していて、その時にもAKIRAとの一致で大きく騒がれていた気
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マトリックス(1999年製作の映画)

4.5

" Fist in the air in the land of Hypocrisy!!!! "

この映画が日本で大ヒットしていたとき、ぼくはまだ小学生だったのだけど、その鮮烈でインパクトのあるヴィ
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ゾンビーワールドへようこそ(2015年製作の映画)

2.7

良くも悪くもゾンビコメディの王道的な作品。『ゾンビランド』には成り切れず、だからといってC級というほど低能でもない、なんとも微妙なレベル。

そもそもだけどあんまりゾンビの造形が良くなかったな。
個体
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ゼロの未来(2013年製作の映画)

3.5

テリー・ギリアムの映画はあんまり観たことない(未来世紀ブラジルすら未見)わけだけど、『12モンキーズ』は大好きな映画だし、今作の主演を務めるクリストフ・ヴァルツも大好きな俳優なので鑑賞。

非常に哲学
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マイリトルゴート(2018年製作の映画)

4.1

飛ぶ鳥を落とす勢いで話題沸騰中の『PUI PUI モルカー』はぼくもなぜかハマっているのだけど、その見里朝希監督が藝大の修了制作映画として産み落とした『マイリトルゴート』は非常にホラーテイストの強い不>>続きを読む

ソーセージ・パーティー(2016年製作の映画)

3.1

正気の沙汰ではないバッドトリップ必至の極悪アニメ。

『トイ・ストーリー』×『アイランド』な設計を常軌を逸したエログロでコーティングしたラリっている珍妙な怪作。

ピクサーが子供相手に照準を絞ることを
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パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)

4.8

韓国映画が世界基準で見ても極めて高いレベルにあることを証明した本作。
日本でも大変話題になった作品だけどようやく鑑賞。

最近意図せずして『新感染』や『EXIT』などの韓国映画に打ちのめされてきたけど
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EXIT(2019年製作の映画)

5.0

まさかこんなに面白いとは思わなかった。
それほど期待していなかった分、ベストムービー級の衝撃が残っている。

『タワーリング・インフェルノ』的なシチュエーションを生かしたスリルの上に濃い味付けのユーモ
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ゾンビーバー(2014年製作の映画)

2.9

『アイアムアヒーロー』と『新感染』でアジアゾンビに舞い上がるテンションで本家アメリカによる新感覚ゾンビ映画を観た。

さすがアメリカ、意表を突く題材でも堂々たる作り込みである。わけがない。低能感ここに
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新感染 ファイナル・エクスプレス(2016年製作の映画)

4.6

邦画ゾンビ映画の最高傑作だと鼻息を荒くした『アイアムアヒーロー』にも負けず劣らず、韓国ゾンビのクオリティにも驚愕した傑作エンタメ。

ハリウッド産のゾンビ映画が多様化と同時にマンネリ化を進める中、アジ
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ガリーボーイ(2018年製作の映画)

4.9

直球の王道音楽サクセスストーリーだけど圧倒的なエモーションと熱量に溢れた弩級の傑作。

”ボリウッド版8マイル”などと言われることも分かるけど、オリジナルに完成された最高のヒップホップムービーである。
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フィリップ、きみを愛してる!(2009年製作の映画)

3.5

『ラブ・アゲイン』や『フォーカス』を手掛けたジョン・レクアとグレン・フィカーラによる長編初監督作品。彼らの作る映画というのは独特の明るいポップさが特徴的だけど、そのカラーは今作からすでに確立されている>>続きを読む

スノー・ロワイヤル(2019年製作の映画)

4.1

よくあるリーアム系かと思いきや、ふたひねりくらいあるブラックコメディバイオレンス。ありきたりなようでいてそうではない、奇妙な佇まいの映画だった。

基本的には王道の復讐劇にはなるんだけど、登場人物の男
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ナンシー(2018年製作の映画)

3.8

不気味なアートワークとあらすじから『チェンジリング』的なサスペンスモノか『エスター』的なサイコスリラーモノかと思っていたけど、全然違った。拍子抜けしたかと思いきや、思いもしない形でズシンと胸に迫る不思>>続きを読む

渇き。(2013年製作の映画)

3.0

人気役者を集めた邦画でここまで生臭い映画を作った中島哲也の気概は凄いし、演者たちもそれぞれのパブリックイメージを覆すような迫真の演技を見せてくれているので見応えはなかなかあるのだけど、だからといって今>>続きを読む

天気の子(2019年製作の映画)

2.5

天気という誰もが共感できる普遍的なテーマを取り上げ、日本の土着的文化と現代都市東京の持つ無機質さを結びつけた切り口はとても面白いし、新海誠の描くリアリティのある風景作画の精度もやはり素晴らしい。

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ミッドナイト・スカイ(2020年製作の映画)

4.0

ジョージ・クルーニーの宇宙モノと言えば『ソラリス』と『ゼロ・グラビティ』が想像されるけど、自身監督作となる本作はそれらと随分趣が異なる静謐なディストピアSFとなっている。

荒廃した地球のベース基地と
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ソウルフル・ワールド(2020年製作の映画)

4.5

ピクサーは良い意味で子供向けに縛られていないスタジオで、これも完全に大人向け。売れない中年独身ジャズミュージシャンが主人公の時点で明白だけど。中身も非常に哲学的で含みのある深い映画だった。率直にいうと>>続きを読む

ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密(2019年製作の映画)

4.0

クラシックミステリーの風格を湛えた上質な映画。 

ミステリーの文脈に明るくはないけれど、ゴージャスな館の中で繰り広げられる展開は王道だし、いかにもな台詞が飛び交うキャラクターたちの造形も分かりやすい
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ラブ・アクチュアリー(2003年製作の映画)

3.6

2014年にFilmarks初めて以来、細々と続けてようやく500本目。

マークだけ付けて未レビューの映画もたくさんあるのでここらへんも再鑑賞して整理していきたいけど、このアプリでより映画を楽しめる
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ハスラーズ(2019年製作の映画)

3.7

昨今のハリウッドにおけるMeToo運動と共鳴しているような現代的な映画。

最近観た「ドリーム」のストリップクラブ版、っていう悪い冗談はさておき、今作も男性優位社会で蔑ろにされてきた労働者階級の女性た
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