えりーぜさんの映画レビュー・感想・評価 - 8ページ目

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オンネリとアンネリのおうち(2014年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

おもちゃ箱をひっくり返したみたいに、色と笑い声があふれ出す。
バラ色のほっぺたに、とろける砂糖菓子。糸ひく蜂蜜にミルクチョコレート。
嘘みたいな、夢みたいなおうちでおとぎ話のように暮らす少女。そこは秘
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彼が愛したケーキ職人(2017年製作の映画)

3.7

カサカサと硬質な肌。
ケーキやスタッフド・パプリカなど食べ物がたくさん出て、食べるシーンも多いしセクシャルなシーンもあるのに、官能的な水っぽさを感じない映画だった。
主人公トーマスの豊かな肌質と対照的
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A GHOST STORY ア・ゴースト・ストーリー(2017年製作の映画)

3.5

ハテ、思いのほか壮大な話になったな。

突然の死に戸惑い、焦燥する。時間の経過とともに薄れてゆく記憶、日常を取り戻し立ち直ってゆく。その様子をただただ見つめる視線。
時間は記憶を洗い流してゆくけれど、
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落下の王国(2006年製作の映画)

5.0

いや、凄い。
これまで観た映画の中で間違いなく最高の部類に入るんだけど、他の"最高"の映画と全然ちがう。すごい。
何がすごいって、まずは映像。幻想風景が鮮やかに迫ってくる衝撃。身体や自然の美しさが、そ
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まぼろしの市街戦(1967年製作の映画)

4.5

いや、素晴らしかった。
めちゃくちゃでドタバタで、おしゃれでポップで、元気になれる映画。
何にでもなれるし、何だってできる、それを望むなら。

地位の高さや称号は、個人の能力や徳によらない。身振りや態
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ライアー ライアー(1997年製作の映画)

3.2

うーん、ジム・キャリーだから観れるけど、ジム・キャリーじゃなかったら駄作かも…。ジム・キャリーの顔芸を眺めて気楽に笑うための映画。
「イエスマン」の原型みたいな雰囲気ある。

エンジェル、見えない恋人(2016年製作の映画)

3.8

静謐で美しい映画。画面や映像として美しいだけではなく、生命や身体の美しさを描写している。
ザラリとした肌の質感、細かな産毛、押し殺した息遣い、髪に反射する光、見えない瞳で感じる濃淡。
視力を得ることで
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バーフバリ 王の凱旋(2017年製作の映画)

3.5

はぁぁぁ、鳥肌。
アマレンドラ・バーフバリ編が長くて、ここで終わって復讐編は次回作か…?とハラハラしながら観てた。過去潭に比べてあっさり終わった復讐劇。
国母シヴァガミの盲目さよ…。うぉぉー、なぜ気づ
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チョコリエッタ(2014年製作の映画)

4.2

だらだらと、うっとりと、人生は木漏れ日のように過ぎ去っていく。
この2人でよかった、この2人だからこそ出来た映画のような気がする。この2人なら、素のままで映画になりそう。
だらだらしててさ、気怠げに奔
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音量を上げろタコ!なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!!(2018年製作の映画)

2.8

なんかクドカンぽい…。阿部サダヲだから?
うーん、三木聡監督ファンなんだけど、だからこそうーん。

ぐらぐら揺れるカメラワークに酔う。あと、汚い描写が多くてちょっとツラい。
長尺のキスシーンも謎。笑う
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ダンガル きっと、つよくなる(2016年製作の映画)

4.5

泣いて、感動して、全身が震えた。
一緒になって応援して、息を殺して祈り、信じた。

女子レスリングというマイナーなジャンルのスポ根もので、親子愛のドラマを、派手な演出もなくこれだけ魅せるってすごい。す
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アキラ AKIRA(1988年製作の映画)

4.3

そう、こういう映画が観たかった。頭がガーンと殴られるような衝撃。
2018年も後半だけれど、世界は思ったほど荒廃しなかったね。概ね平和で平凡だ。表面だけのことかもしれないけど。
鉄雄のコンプレックスが
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マチネー/土曜の午後はキッスで始まる(1993年製作の映画)

4.0

時間がなくてバタバタ観ちゃったのが悔やまれる。
映画についての映画。ウールジーは詐欺すれすれの三流映画監督…かと思いきや、映画の構造や演出について核心を突いてて、偶然とはいえ皆を感動させてくれる。根は
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怪盗グルーのミニオン大脱走(2017年製作の映画)

2.8

ミニオンかわいいなぁ。
あの黄色いモンスターの何がかわいいんだと思うけど、集団でジタバタ暴れまわってるの見たら、やっぱりかわいいんだよなぁ。

ドクター・ストレンジ(2016年製作の映画)

3.2

難解でめちゃくちゃなSF設定もりもり。ごちゃごちゃ考えずにアトラクション気分で楽しめる映画。万華鏡というか曼陀羅を「わーキレイ」と呑気に眺めてる気分。
ちょっと次元が多面的すぎて画面がごちゃつくのが観
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若おかみは小学生!(2018年製作の映画)

3.5

うん、いい映画だった。よかった。
ネット上での大絶賛を受けて観賞。号泣する準備をしすぎたせいか、そこまで泣けず…。
起こる出来事があまりに辛すぎて受け止めきれないのか、感情がやたら平板だったり、かと思
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バーフバリ 伝説誕生(2015年製作の映画)

3.5

おぉぉぉ、ここで切るんか…。続きー!ってなる。
いやストーリーや設定はいいんですよ、実は王子…あるある(笑)、超人的な身体能力…うんうん(笑)、インド映画にありがちなコテコテ鉄板モチーフのオンパレード
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旅するジーンズと16歳の夏(2005年製作の映画)

3.2

それは、恋かもしれない愛かもしれない友情かもしれない。人生のどこかで出会って、生涯大切であり続けるようなもの。
4人はいつも一緒だけど、それぞれ全然違ってて、それぞれの悩みや問題を抱えてそれぞれの人生
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オリバー・ツイスト(2005年製作の映画)

3.3

救いがなく、救われない。
一見すれば、どんな環境でも善良さを失わなかった少年が報われるという、教訓めいたお話。でもそうじゃなくて、罪や善悪のありようについて考えさせられるお話。
罪を犯さなければ善人か
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チアーズ!(2000年製作の映画)

3.0

うん、何でもなく楽しめた。青春! 熱い! 青臭い! 感動! みたいな…、特にほかに言うことはない。
クリフの曲がキーになるのか…? と思いきや、サラッと流されたね。3週間で複数ジャンルの動きをマスター
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ぼくを探しに(2013年製作の映画)

3.3

フランス映画らしい、おしゃれでウィットに富んだ作品。プルーストの「失われた時を求めて」にちなみ、記憶を探る物語。
全体的な雰囲気はいいけど、下品なユーモアや目眩のような映像(この作品に限らず、フランス
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うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー(1984年製作の映画)

4.8

いや凄い、すさまじい。
今じゃもうこんな作品つくれないだろうな、こんな世界観生まれないだろうな。
純然たる押井SFのようにも思えるけど、それがぎりぎりドタバタコメディの崖っぷちで踏みこらえているのは、
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リザとキツネと恋する死者たち(2014年製作の映画)

1.5

いやいやいやいやいや…。
純愛ラストや同じ展開を繰り返すコメディは悪くないけど、いや~しかしなぁ~…。
すごく気になってて観たかった映画だけに、残念。

カメラを止めるな!(2017年製作の映画)

4.0

いや~、面白かった。
劇場内でくすくす笑い声がもれる。種明かしにいちいち納得し、こういう人いるよね~と共感し、チープなつくりと人間くささに脱帽。
いや、めっちゃ面白い。ごちゃごちゃ小難しいこと考えずに
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ペンギン・ハイウェイ(2018年製作の映画)

3.2

一言でいうなら、森見登美彦節の「星の王子さま」
かわいらしい絵が子ども向けアニメーションっぽいが、まったく子ども向けではない。子どもが見て分からんと頭を抱えるまでもなく「よく分からなかった」で終わり、
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君の膵臓をたべたい(2017年製作の映画)

3.0

う~ん、まったく期待外れ。これがベストセラー小説でヒット作なのか…。
主演2人の空気感や映像は良かったし、映画としてはそれなりだと思う。セカチューの焼き直しっぽさはあるけど、不治の病に冒された美少女が
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未来のミライ(2018年製作の映画)

3.3

ナンセンスな夢のようにくるくると景色が変わる。大冒険や結末はないけれど、過去と未来と現在をつなぐ、葉脈のように織り上げられた家族の物語。
じれったくてむず痒くって、世界がキラキラ輝いて見えて、すべてが
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Emma エマ(1996年製作の映画)

3.0

傲慢で無邪気で鈍感なエマ。愚鈍なハリエットとミス・ベイツがかわいそうで、見ててつらかったな。
自尊心が傷つけられるのを認めまいと強がるエマには、すごく共感できる。好意を抱いていた男性が他の女性と結婚す
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アメリカン・ビューティー(1999年製作の映画)

3.5

ふむ。
普通に平凡に生きるのって難しいことなんだなぁ。それぞれがそれぞれ問題を抱えてて、それはどんな家庭のどんな人にもあり得ることで、なんか分かる。
自己嫌悪と自尊心と、それを鏡としての友人や子どもへ
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アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅(2016年製作の映画)

3.2

冒頭は「鏡の国のアリス」をなぞっているものの、全体は時間旅行の物語。本作のテーマは家族愛。
前作がひどかったので、それよりは映画としてマシな作品になってる。相変わらず白の女王の性悪加減にムカつくけれど
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南極料理人(2009年製作の映画)

3.5

ほのぼのおいしそう。
生きてるだけでお腹は空くしさ、好物がなくなったら世界の終わりみたいな気分になるしさ。今日はあれが食べたいとか、この前食べたあれがおいしかったとか。
人生はそんな思い出の連続だ。

ベスト・フレンズ・ウェディング(1997年製作の映画)

3.8

ジョージ大好き!
別れた恋人が他の女と結婚するとなったら急に惜しくなって、ドロドロ嫉妬まみれ。「私の方が彼をよく知ってる」「彼も私を愛してるはず」「私の方が彼を幸せにできる」
惨めでみっともなくて、見
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ワンダーランド駅で(1998年製作の映画)

3.2

運命なんてございません。
これは、紆余曲折あってすれ違い続けた運命の2人が出会う話じゃなくて、無数にある毎日のすれ違うような出会いの話なんだよ。と、私は思います。
はてさて、エリンとアランは幸福なカッ
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