薄さんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

仁義なき戦い(1973年製作の映画)

3.1

ヤクザ映画の金字塔ということで教養として鑑賞。あんまり期待してなかったんだけど、見てみたら予想以上に面白くて驚いた。

実録ものらしくポンポンと話が進むのには味気なさを感じなくもないんだが、その分テン
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ダンケルク(2017年製作の映画)

3.0

ダンケルクの戦い(ダイナモ作戦)を題材とした戦争映画……なんだけど、仕上がりとしてはもっとカジュアルなパニックムービーになっている。

戦争体験映画としては長回し(風の映像)で没入感を増した「1917
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ブルー・バイユー(2021年製作の映画)

3.0

移民政策に翻弄される家族を描いた社会派ドラマと言うか家族ドラマと言うか。

いわゆる下層社会の人たちが、そこで学んだ知識とツテを使って問題解決に動いた結果ドツボに嵌っていく……というのは「フロリダ・プ
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イリュージョニスト(2010年製作の映画)

3.0

ジャック・タチが残した脚本を元にしたアニメーション映画。手品師の視点から描かれるセンチメンタリズムに浸るようなストーリーは、今はあまり描かれないものだけど嫌いじゃない。ちょっと幸福の王子を思い出した。>>続きを読む

プラトーン(1986年製作の映画)

3.1

物語というよりは戦争そのものを見せる映画という感じ。その様子はまさに地獄絵図で凄まじいが、その凄まじさがリアリティ追求した結果というのがまた凄い。未だにPTSDに苦しむ人も多いというのも納得。

イカ
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あなたを、想う。(2015年製作の映画)

2.9

SF要素を入れつつ男女3人の葛藤と決断が描かれる人間ドラマ。

大まかなストーリーラインは日本の映画・ドラマでもよくあるような話。その分台湾と日本の違いが浮かび上がるのは興味深いけど、全体的にはちょっ
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男たちの挽歌 II(1987年製作の映画)

3.2

マークには双子の弟がいた! という無理やりな展開からも分かる通り細かい事は気にせず楽しむ作品。

序盤、特にNY編は大味な演出と荒唐無稽な展開で笑ってしまうが、香港に戻ってきてからは1の雰囲気の熱量が
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ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)

2.9

アカデミー外国映画賞受賞作という事で長いけど教養として鑑賞。喪失(の認識)と再生という村上春樹ど真ん中のストーリーにコミニケーションというテーマを加えたような作品。

劇中劇の「ワーニャ伯父さん」、妻
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ジェントルメン(2019年製作の映画)

2.5

いきなり30分以上も状況説明を聞かされることになる序盤もきついし、伏線が張ってあるわけでもなく後出し的にどんでん返しを続ける後半も盛り上がらない。

いつものガイ・リッチー風演出にも目新しさはなく、テ
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友だちのうちはどこ?(1987年製作の映画)

3.0

ノートを返すために隣の村(地区?)に行くだけの話なんだけど、8歳の少年を通じて描くとちょっとした冒険譚になってしまうという「はじめてのおつかい」的な映画。根底には社会派の意識がありながらロードムービー>>続きを読む

刑事ジョン・ブック/目撃者(1985年製作の映画)

3.0

あらすじからもっとサスペンス、アクションよりな話かと思ってたけど、実際は異文化触れ合いもの。アーミッシュという人々はこの映画で初めて知ったけど、その暮らしぶりや理念、騒動を調べてみると興味深い。

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大人は判ってくれない(1959年製作の映画)

2.9

ヌーヴェルヴァーグの代表作という事で教養として鑑賞。大人に見放された少年の反抗と言うか、生き抜く様子と言うか……をドキュメント風に描いた映画。

結局海=行き止まりに行き着いたと捉えると虚しい話だけど
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メイジーの瞳(2012年製作の映画)

3.0

実際の両親と疑似両親を並べることで家族や親(になること)について考えさせられる映画。ラストは上手く収まり過ぎな気もしたが、よく考えるとその終わりも示唆されていて。結構バランス取れてるのかも。

絵にな
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21ブリッジ(2019年製作の映画)

2.9

C・ボーズマンの遺作となったアクションサスペンス。

それなりにまとまってはいるが、タイトルやあらすじで予想したほど封鎖された状況やタイムリミットが生きおらず、イマイチ盛り上がらずに終わってしまった。
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珈琲時光(2003年製作の映画)

2.8

よく分からない映画だけど映像に魅力があり飽きずに見れる……といういつものホウ・シャオシェン映画。東京で暮らす女性の日常(と言うか一瞬)を切り取ったような映画なのかな。田園風景のロングショットなんかはこ>>続きを読む

唐人街探偵 NEW YORK MISSION(2018年製作の映画)

2.8

3作目「東京 MISSION」の余波で公開されることになったシリーズ2作目。日本版の主題歌を作ったり妙に力を入れてるけどヒットしたんだろうか……。

コメディ混じりのエンタメ映画という事で「コンフィデ
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96時間(2008年製作の映画)

3.2

邦題はタイムリミットサスペンスっぽいけど実際は96時間という制限はあんまり関係ない。王道ナーメテーター系アクション映画。

下手な捻りや人間ドラマは排除されたシンプルなストーリーだからテンポは抜群で、
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プラダを着た悪魔(2006年製作の映画)

3.0

ガラケーが時代を感じさせる2006年公開の人気作。もっと最近の映画かと思ってたけど15年以上も前の映画だったんだな。

お仕事ものっぽくもあり、新たな環境に染まっていく顛末が青春ものっぽくもあり。王道
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あるスキャンダルの覚え書き(2006年製作の映画)

2.9

実際の事件を題材とした心理スリラー。ストーリーが進む毎に話の様相が変わっていき、どういう結末を迎えるかという興味で引っ張っていくが最終的には何がやりたかったんだかよく分からん感じに。

ちょっと中途半
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シェイプ・オブ・ウォーター(2017年製作の映画)

2.9

半魚人と人間の恋愛というデルトロらしい題材に人種差別、LGBT、女性蔑視等の今的なテーマが重ね合わされた映画。

半魚人を親しみやすい造形にせず異形の者にしたのが上手いところで、観客が2人に抱く違和感
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gifted/ギフテッド(2017年製作の映画)

3.0

正統派の親子ドラマ。題名になってはいるものの踏み込んでないと言うか、本質的にはギフテッドとはあまり関係がない話で、ギフテッド設定を省いて貧乏叔父と金持ち祖母の親権争いにしても成立しそう。

里親のシー
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女王陛下のお気に入り(2018年製作の映画)

3.0

英国版大奥的な話だけど、仕上がりはコメディと言うかブラックユーモア的と言うか。間抜けな貴族たちが出てきたり、思ったより正統派じゃないなあと思ったら「籠の中の乙女」の監督だった。アレに比べれば随分正統派>>続きを読む

ある女流作家の罪と罰(2018年製作の映画)

3.0

私文書偽造で捕まった女流作家の伝記を映画化。有名人の手紙を偽造ってのは、絵画の贋作より簡単に出来る上に鑑定が難しそうで目の付け所がいいなーと思った。まあ、この人は捕まっちゃったんだけど。

ウディ・ア
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いまを生きる(1989年製作の映画)

3.0

途中までは退屈だったけど、後半の展開には惹きつけられるものがあった。今の感覚で見るとテーマそのものはともかく、親や社会からの抑圧のされ方はちょっと古く感じる。そういう意味では多少は前進してるのかな。形>>続きを読む

燃ゆる女の肖像(2019年製作の映画)

3.0

「ピアノ・レッスン」を思い起こさせる冒頭、ベルイマンっぽいシーンなど序盤から映像的な見せ場が続く。ストーリーに合わせたのか絵画のような構図のシーンがあったり総じて映像は良い。

映像で語るタイプの映画
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君のためのタイムリープ/私を月に連れてって(2017年製作の映画)

2.9

ジャルジャル後藤をイケメンにした感じのリウ・イーハオが主役を担う台湾青春映画。世界中で流行ってる90年代リバイバルブームの中の1作でもある。

「あの頃、君を追いかけた」の影響が強そうだが、もうちょっ
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この世界に残されて(2019年製作の映画)

3.2

激動の時代に翻弄されながらも寄り添い、家族になっていく2人を描いた映画。

ストーリーの大きな動きというよりは日常を通じた細部の描写の積み重ねで見せる映画で、アルドの優しい目と佇まい、クララの意思の強
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狼/男たちの挽歌・最終章(1989年製作の映画)

3.5

ジョン・ウー&チョウ・ユンファだと何でも男たちの挽歌という題名になるが、この映画は挽歌シリーズとは一切関係なし。挽歌って付けないと客が入らなかったのかもしれないが、シリーズもの(しかも最終章)という敷>>続きを読む

それから(2017年製作の映画)

3.0

初のホン・サンス作品。

しょーもないおっさんを中心としたコメディと言うか何と言うか……妙な可笑しみがある映画で中々良かった。静かに淡々と進む展開は韓国映画っぽくないが、感情表現は韓国映画らしく激しい
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サマーフィーリング(2016年製作の映画)

2.9

「アマンダと僕」が中々良かったミカエル・アース。本作はその3年前に公開された第2長編。

身近な人物の喪失(と再生)というテーマ、同じ様に喪失感を抱える人間との交流の中でそのテーマを描いていく手法は「
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サマリタン(2022年製作の映画)

3.0

スタローンinアメコミ。

アクションは動けなくなったスタローンも魅せられるように工夫されていて良かったと思うけど、脚本・演出はどうしても安っぽくB級アメコミ映画という感じ。まあ、気安く楽しめるという
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ラストナイト・イン・ソーホー(2021年製作の映画)

3.3

タイムスリップものの青春映画かと思って見ているとどんどん話が変わっていくジャンル横断映画。どういう種類の映画だかわからないところが後半の驚きに繋がっていくのが上手い。

ホラーとかサスペンスとか先入観
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ドント・ブリーズ2(2021年製作の映画)

3.0

ホラーと見せかけてナーメテーター系スリラーだった前作から一転して、今作は登場人物全員悪人版レオンみたいな仕上がり。

前作は盲人であることを生かした演出が面白かったが、今作はその手の演出が後半一瞬出て
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藁にもすがる獣たち(2018年製作の映画)

2.9

ファーゴ系ドタバタ群像劇。

登場人物とその状況の説明に割かれる序盤がスローな立ち上がりで、ゆっくり見てる間に全体的な構図が見えてきてしまう。見えてしまうと怒涛の伏線回収が答え合わせ的になって面白みが
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星になるまで(2019年製作の映画)

3.0

木村昴似の不良が最近珍しいぐらいの根っからのクズで笑ってしまった。何か理由があってクズになったようにも見えないし。

そこら辺の極端なキャラ設定も含めてやや稚拙であざとい映画だとは思うけど、何だかんだ
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ディア・エヴァン・ハンセン(2021年製作の映画)

3.1

承認欲求と現実逃避の為に嘘を付いた青年が泥沼に嵌って追い詰められていく話。リアル嘘松と言うか、SNS時代らしい題材の青春(?)映画になっている。

思いやりや優しさが全くなかったとは言わないが、それを
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