TOSHIさんの映画レビュー・感想・評価

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ラストレター(2020年製作の映画)

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学生時代に愛した女性を、20年以上経っても想い続ける男。良いねぇ。過去が舞台の映画には感心しないが、過去を引きずり続ける人を描く映画なら大歓迎だ。以前にも書いたが、私が追い求めている映画の一つは、ロマ>>続きを読む

パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)

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早くも、今年のベストワンが決まったかも知れない。平日の昼間に観たが、満席だった。個人的には韓国映画で、直近の上映で観る事ができず、次の回で観る事を強いられたのは初めてだ。一連の政治的な問題で、日本人の>>続きを読む

フォードvsフェラーリ(2019年製作の映画)

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こういったカーレースの映画に飛び付く性質ではないのだが、他の映画を観ようとして、スマホによるアプリへのアクセスの調子が悪く、会員である事を証明できず、アプリでしか会員証明ができない不親切さに憤慨して出>>続きを読む

冬時間のパリ(2018年製作の映画)

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現代の映画が描くべき一つのテーマは、テクノロジーの進化に戸惑い、揺らぐ人間に違いない。オリヴィエ・アサイヤス監督の前作、「パーソナル・ショッパー」はまさにそんな作品で、ホラーテイストで、現代人の不安を>>続きを読む

男はつらいよ お帰り 寅さん(2019年製作の映画)

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遅ればせながら、明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。

まさか、「男はつらいよ」の新作をレヴューする時が来るとは思わなかった。一昨年、久しぶりに柴又を訪れた時、くるまやのモデル
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スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け(2019年製作の映画)

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子供の頃から観ている、壮大なサーガも、遂にフィナーレである。一作目当時、「そんな蛍光灯(ライトセーバー)で戦う映画は観ない」と言っていた、死んだ爺さんも、まさか40年もシリーズが続くとは思わなかっただ>>続きを読む

ある女優の不在(2018年製作の映画)

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フィルマークスのプロフィールによくある、「何でも観ます」というフレーズを見ると、「それなら当然、イラン映画も観るんですよね?」と訊きたくなる。イラン映画を観ないで、それ以外の映画を何でも観ても、映画フ>>続きを読む

家族を想うとき(2019年製作の映画)

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「ケン・ローチ監督って、引退したんじゃなかったっけ?」と思ったが、こういう前言撤回なら大歓迎だ。ローチ監督には、映画を撮り続ける義務があるのだ。引退作となる筈だった前作「わたしはダニエルブレイク」で、>>続きを読む

アイリッシュマン(2019年製作の映画)

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ロバート・デ・ニーロ、アル・パチーノ、ジョー・ペシ、ハーヴェイ・カイテル…。ゴジラ、キングギドラ、ラドン、モスラが集結した、「地球最大の決戦」のようだ。こんな面子を集められるのは、ギャング映画の帝王と>>続きを読む

さよならくちびる(2019年製作の映画)

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ヨコハマ映画祭ベストテンが発表され、1位「火口のふたり」、2位「蜜蜂と遠雷」、3位「愛がなんだ」となったが、唯一観ていなかった本作(10位)を観賞した。

日本映画は、集客が計算できて演技力を兼ね備え
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読まれなかった小説(2018年製作の映画)

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遂に来た。個人的には、今年のベストワンだ。スマホで、めまぐるしくエンタメの良い所取りをするのが当たり前の現代で(SNSによる他人とのコミュニケーションも、エンタメだ)、約2時間も最初から最後まで観る事>>続きを読む

ライフ・イットセルフ 未来に続く物語(2018年製作の映画)

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昔に比べて、映画の画質は格段に向上しているが、見せ方、語り口の方法論が向上しているとは言えない。殆どの新作は、既存の手法、映画文脈で作られている。勿論、長い歴史で出尽くしている中で、新しい方法論を生み>>続きを読む

i-新聞記者ドキュメント-(2019年製作の映画)

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民主主義には権力の監視、国民の知る権利の確保が欠かせないが、政治取材が記者クラブに加盟していなければ、ままならない以上、それは新聞にやってもらわなければいけないのが現状だ。しかし元々、政治部は取材先と>>続きを読む

わたしは光をにぎっている(2019年製作の映画)

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これは、素晴らしい。ハリウッド製のエンターテインメント大作が優勢なフィルマークスでは、静かな日本映画というだけで観ない人が多いだろうが、そんな人にこそ見せたい作品だ。

冒頭から、自然を捉えた俯瞰の美
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ひとよ(2019年製作の映画)

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人は、生まれる環境を選べない。それ故に、親がどんな人物で、どんな家庭を作っているかに、決定的な影響を受けてしまう。親と子は別の人格で、子は親とは別に人権がある筈だが、親が殺人犯だったら、世間は子にも“>>続きを読む

ボーダー 二つの世界(2018年製作の映画)

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初めてのケースだが、フォロワーの方から、本作についてレヴューの要望があった。気になってはいたが、特にリクエストされる程の作品ならと、優先順位を繰り上げて観賞した。

冒頭から、船舶が停泊する港を眺める
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マチネの終わりに(2019年製作の映画)

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私が追い求めている映画は、大きく分けて二つだ。一つは見た事もないような革新的映画。もう一つは、ロマンティック、ノスタルジック或いはセンチメンタルな情緒的映画である。ある意味、対極にあるタイプだが、近年>>続きを読む

イエスタデイ(2019年製作の映画)

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映画は先ず、コンセプトでぶっちぎらなければいけない(この点で現代の映画は、20世紀に比べて明らかに弱くなっているが)。ビートルズが存在しない世界という、コンセプトが秀逸だ。ぶっちぎっているかはともかく>>続きを読む

楽園(2019年製作の映画)

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人生は、その人なりの地獄を生きる事である。誰もがそれに気付かないふりをして、スマホばかり弄り、機能的に日々を送っているからこそ、映画がその事実を突き付ける意味があるのだ。そんな作品を作り続けているのが>>続きを読む

第三夫人と髪飾り(2018年製作の映画)

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また、大昔の実話に基づく作品だ。確かに過去から現代を照らし、現代・現代人の姿を浮かび上がらせるのは、映画の有効なアプローチだが、それが第一の手段ではない筈だ。何故、直接的に現代を描かず、大昔を舞台にし>>続きを読む

ブルーアワーにぶっ飛ばす(2019年製作の映画)

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基本的に、映画は週一本観るのが一杯なのに、最近は週二本以上、観たい物が公開され、新人監督の作品にまで手が回っていなかった。しかし私の中では、ぶっ飛ばす・ぶっ飛ばせというタイトルの作品は観なければいけな>>続きを読む

細い目(2004年製作の映画)

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即位の礼の日に観賞したが、小さな劇場は満席だった。歴史的な大きな行事の日に、“幻のマレーシア映画”を観ている人の多さに驚く(スケジュール的に祝日のこの日が、都合が良かっただけだと思うが)。小さな劇場で>>続きを読む

真実(2019年製作の映画)

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まさか、日本人監督によるカトリーヌ・ドヌーヴ主演作を観る事ができるとは思わなかった。しかも、ジュリエット・ビノッシュやイーサン・ホークまで出演している。是枝裕和監督の、カンヌ映画祭・パルムドール受賞の>>続きを読む

蜜蜂と遠雷(2019年製作の映画)

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蜜蜂と遠雷と聞いて、農村の若者を主人公とした根岸吉太郎監督の新作かと思ったが、全く違った(昭和世代にしか、通じないギャグだ)。あるようでなかった、ピアノコンクールを舞台にした映画だ。

幼少時代の、母
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ジョーカー(2019年製作の映画)

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ジョーカーである。「バットマン」のジョーカーである。流石は、一度認知されたキャラクターは、何十年でも使い回す映画界だ(勿論、褒めてはいない)。ティム・バートンのバットマン(ジョーカー役は、ジャック・ニ>>続きを読む

アイネクライネナハトムジーク(2019年製作の映画)

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私は映画とテレビドラマは次元が異なる物だと考えているため、フィルマークスが、映画とテレビドラマが並列で切り替えになった事には納得しておらず、ドラマモードは見た事もない。
映画とテレビドラマの違いとは、
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宮本から君へ(2019年製作の映画)

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特に才能も無く、中小企業に就職して営業でもするしかない、大抵の人にとって、人生は負け続けるだけである。何故、こんな人間が自分より地位が高いのか分からない、全く尊敬できない上司から日々、仕事の成果につい>>続きを読む

僕たちは希望という名の列車に乗った(2018年製作の映画)

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私が映画で重視するのは、今を描いているか、現実からどれだけ飛躍しているかであるため、大昔の実話という設定には、いきなり蹴つまづいてしまう。そのため本作も公開時に見逃してしまったが、「アイヒマンを追え!>>続きを読む

人間失格 太宰治と3人の女たち(2019年製作の映画)

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蜷川実花監督作品は、フォトグラファー出身だけに、映像は凝っているが、前衛性や過激さが先走っている感じがあり、良い映画だとは認めたくなかったのだが、本作には異なる予感があった。蜷川監督が太宰治を描くとは>>続きを読む

台風家族(2019年製作の映画)

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草彅剛主演の、家族による遺産相続をテーマにした映画という事で、上限は見えているかと思ったが、やはり映画は実際に観てみなければ分からない。想像を超えた、ブラックな映画だった。

紙袋を覆面代わりにした老
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SHADOW/影武者(2018年製作の映画)

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私は、この時代に時代劇を撮ろうとする作り手を、決して褒めたくは無い。現代が抱える問題、価値観の変化を追及する事を放棄し、大昔にあった様式美に、依存しているように思えてならないのだ。本作も、三国志の「荊>>続きを読む

記憶にございません!(2019年製作の映画)

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コメディ映画は、意外と難しい。北野武監督や竹中直人監督も、コメディに特化すると、笑いが本職の筈なのに、何故か駄作になってしまう。
他愛もない笑いの映画を撮ってきた三谷幸喜監督だけに、政治をテーマにした
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アス(2019年製作の映画)

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ジョーダン・ピール監督の前作、「ゲット・アウト」は、凡百のホラー映画とは一線を画す、斬新な作品だった。私はホラー映画を積極的に観たいとは思わないが、映画ファンとして避けて通れない、本物の映画だと思えば>>続きを読む

帰れない二人(2018年製作の映画)

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ジャ・ジャンクー監督の待望の新作は、またチャオ・タオ主演で、また長い時間軸の物語だった。それ故に、集大成的な最高傑作の期待感が高まる。

北京オリンピックの開催が決まった、2001年。都市部は消費ブー
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ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド(2019年製作の映画)

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私は基本的に、過去を舞台にした映画に対する観賞のモチベーションは低いが、本作は楽しみにしていた。予告編から、クエンティン・タランティーノ監督ならではの、突き抜けた作品である予感が溢れていたからだ。やは>>続きを読む

火口のふたり(2019年製作の映画)

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〈以下、性的表現により、R18+指定の映画に関するレヴューです。念のため〉

観賞前は、昭和の時代からある、ドロドロとした男女の恋愛を描いた作品かと思っていた。ピンク映画出身の、荒井晴彦監督だけに尚更
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