異世界転生、王道ハイファンタジー。34歳無職の男が転生をきっかけに、前世での後悔を糧にトラウマを乗り越え成長していく姿が描かれている。特筆すべきは圧倒的なまでの背景美術の美しさ。劇場鑑賞にも耐えうるのではないかと思えるほどのクオリティ。物語は普遍的な主題を軸に丁寧に紡がれているが、主人公の癖の強さは悪い意味で人を選ぶ。ただこの点はキャラクターの個性にも直結しているので一概に否定もできない。性をあけすけに描くのは構わないのだけど、倫理的にどうかと思える描写も含め生理的嫌悪感を抱く面がやや多く、没入感を削がれるなと感じた。
