次郎

ドキドキ!プリキュアの次郎のレビュー・感想・評価

ドキドキ!プリキュア(2013年製作のアニメ)
3.5
1話から敵幹部がベテラン声優・田中真弓で吹いた。よくスケジュール空いてたな。主人公にしては珍しい生徒会長という設定は伊達じゃなく、カリスマ統率持ちの欠点のないキャラクターは1話からして完成している。プリキュアの象徴であるハートの名を冠するには相応しいと言うべきか。シリーズ屈指の最強メンタルから繰り出される「あなたのドキドキ、取り戻してみせる!」という決め台詞はむしろ相手の不整脈を心配してしまう程の威圧感を感じてしまい、初期必殺技であるマイスイートハートはその姿勢からゲッタービームにしか見えなくなってきた。その文脈でいくとチーム全員の必殺技であるラブリーフォースアローはシャインスパークだし、キュアハートに力を集めるラブリーストレートフラッシュはストナーサンシャインなんだよな。君は完璧で究極なゲッターはここにいた。
キュアハートに限らずキャラクターのビジュアルや造形は個人的にかなり好み。敵幹部とのCPが尊い相棒、小学生にして中学生番長をクシャポイする財閥お嬢様、ぽんこつアイドル、釘宮病と個性の強さはシリーズでも相当な部類なのでは。悪役三幹部のキャラクターも割と好みで、特に下剋上を図るおっさん、ベールのナイスミドルな声がかなりツボ。後から知ったけど洋画でジェイソン・ステイサムを始めとして数々の名俳優の吹替を務める山路和弘さんなんですね。というか大ボス・キングジコチューの声優は大塚芳忠だしその娘・レジーナも渡辺久美子だしと、声優に詳しくない自分でも知っているほどの豪華さよ。
ただし、主人公を始めとしたキャラクターとその関係性が完成され過ぎているあまり、4クールのアニメとしては少々息切れした感があるのは確か。特に3クール目あたりはかなり顕著で、各プリキュアの覚醒&新必殺技お披露目は間延び感がひどい上にその成長が物語としてのカタルシスに寄与できてない辺りは割としんどかった。でもイラりつは尊みがあったよ…。
あとアイドルのコンサート感あるEDは前期後期通じてかなり好き。テクノポップな楽曲でMIKIKO振り付けとかPerfumeに寄せ過ぎだろと思うけど、後期のイントロでキックが16分でなっているところ、個人的にニュー・オーダーリスペクトを感じさせて割とツボ。
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