次郎

ハートキャッチプリキュア!の次郎のレビュー・感想・評価

ハートキャッチプリキュア!(2010年製作のアニメ)
4.2
プリキュア20年史の中でもプリンセスプリキュアと並んで傑作の評価が高い本作。主人公の声優が水樹奈々というのも驚いたけど、プリキュア史上屈指のスタッフ愛されキャラクター、キュアマリンの存在はやはり大きい。所謂「良い子」的な枠に収まらない自由奔放さとリーダシップを併せ持つキャラクター性やパワプロ感あるデフォルメ強めの頭身でコロコロ変わる表情(最終話の無限顔!)は最高で、過去のプリキュア総選挙で初代2人に次ぐ3位に選ばれたというのも納得。やるっしゅ!

それ以外にも全編通じて1話1話のクオリティが高く、登場人物の心の花が奪わるという設定が秀逸。プリキュアというフォーマットではどうしても毎話怪人と戦う「お約束」が必要になってくるのだけど、日常のエピソードと戦闘のパートが物語としてしっかり繋がっているし、最後は取り戻した心の花の「花言葉」で各話のモチーフが何だったのかが明らかになる、という構成は本当に良く出来ていると思う。特に、14話のカーネーション(母への愛)回は屈指の良エピソード。デリパ39話でもそうだったけど、こういった子供向けアニメで片親の話を出されると刺さって仕方のない年齢なのだよ。。

妖精のお尻から生まれてくる心の種やBPO苦情必死なおしりパンチといったスレスレのギャグや、島本和彦や車田正美に出てくるキャラクターまんまな番君といったスタッフの確信犯的なやり口はかなり好き。終盤に出てくる決め技が華やかさとは裏腹に殺傷力高くて笑っていたら、終盤5話で物語の熱さとスケールを一気に天元突破させていくのは驚いた。敵幹部との決着からクライマックスへと至る一連の流れは最高だった。全てを救済する無限力…つまりハートキャッチプリキュアは打ち切りバッドエンドを回避したイデオンだったんだよ!
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