∀ガンダムの8の情報・感想・評価

エピソード08
ローラの牛
拍手:23回
あらすじ
ソシエは久しぶりにキエルと会った。彼女はまだ父親の仇をとりたいと考えており、ムーンレィスを地球から追い出したいことを姉に話すのだった。 ロランのホワイトドール(∀ガンダム)に治安出動が命じられた。ムーンレィスの帰還地周辺で地球の地元農民とディアナ・カウンターが小競り合いを起こしているのだ。 機械人形の操縦をマスターしたいソシエはロランに強引についていく。 やがて現場に到着したロランは事態を仲裁するが、その時、帰還民の男が地球の農民達に対する月側の兵達の仕打ちを止めてくれたのを目撃した。 ディアナ・カウンターの兵舎でパンの行商をしていたキースも、同じ男が帰還政策の不備を指摘して、兵達に殴られているのを目撃する。男はクーエンと名乗り、妻子を抱えて帰還地での今後の生活に不安を抱き、ミルクや家畜を手に入れられないかとキースに助けを求める。話を聞きロランとフランは手だてを考えた。帰還地近くの森で家畜を飼ったりすれば、冬の食料の糧になるかもしれないからだ。 クーエンとソシエを加えたロラン達は、月の船が来てもぬけの空になった村で家畜や食料を探す。ソシエは幼なじみだというロランたち3人組を怪しいと睨んで、月側のスパイかと疑惑を持ったりするが、フランとキースにうまくごまかされ、作業に協力。 そのロラン達の動きが月側には極秘作戦の訓練と映った。フィルはポゥを出撃させる。 出撃したポゥのウァッド小隊は、ロランのホワイトドールに仕掛け、ソシエ達の乗るトラックを押さえて投降を呼びかける。困るロランだが、イングレッサ側との交渉に影響が出るのを懸念したハリー中尉が、ポゥの小隊に撤退を命じてくれた。安心したロラン達は無事帰還地へ牛や豚を届けることが出来た。 しかし地球の農民達はその有様を目撃して、ミリシャの機械人形が月の味方か? とロラン達を罵り始めた。困ったロランはついに自分がムーンレィスだと素性を明かてしまう。 裏切られたと感じたソシエはロランの頬に平手を打つ。が、フランはロランの行為をローラの行ったこととして、月と地球を結ぶ架け橋なのだと新聞記事にする。
コメント7件
ニカイドウ

ニカイドウ

∀ がムーンレイスの基地の近くの警備をする。 で、ロランは赤ちゃんのためにミルク探しをする。 ホワイトドールが来たんやから、ディアナカウンターに攻撃されるのは当たり前なんよなぁ。 そして、地球人のムーンレイスに向ける敵意をまの当たりにしたロランは、遂に自身の正体を叫んでしまう。 前半どころか後半そこそこまではそんな雰囲気全く無かったのに、ここで言う!!? 衝撃…
いいね!6件
KEiGO

KEiGO

このコメントはネタバレを含みます

あぁ、ターンエーって戦争のこういう側面と丁寧に向き合える作品なんだと決定的に思った回。面白い。
いいね!4件
夏藤涼太

夏藤涼太

このコメントはネタバレを含みます

第1話の感想でも書いたように、ターンエーガンダムは、真っ黒だったVガンダムを"真っ白"にひっくり返したような作品だとわかる。 しかし「白」とは言っても…けっして「生ぬるい」とか「わかりやすいエンタメ」ではなく。 Vガンダムがこれまで以上に(ユーゴスラビア紛争を背景にしているだけに)〝現実の戦争〟を描いた作品であったが故に、Vガンダムはシリーズ随一のハードさとなったわけだが… ターンエーガンダムは確かに死者数も本格的な戦闘も少なく、前半は外交戦がメインであるものの、そこに描かれるのは(明らかにパレスチナ問題を背景にした)〝現実の戦争〟だ。 月の民(ムーンレィス)はユダヤ人で、地球人類はパレスチナ人、ムーンレィスの地球帰還作戦はシオニズムである。 しかも、劇中でパレスチナ難民のポジションを与えられているのが、(現実の歴史では先住民を迫害し、将来的にはパレスチナ難民を生み出すきっかけになったイスラエル側につく)近代アメリカのニューイングランド住民というのが…あまりにも皮肉が効きすぎている。 (そもそもジオン自体がシオニズムから来ているのだが) 2023年のアメリカのガンダムファン投票のTV部門でターンエーガンダムが1位だったのは…ただ舞台がアメリカ準拠で見やすいからか、それとも、この深い事情を理解してのことなのか…はたして真相や如何に。 この舞台設定の時点でだいぶキているのだが…さらに、主人公を「地球に移民させられて帰化した下層のムーンレィス」としているのがヤバい。 明らかに太平洋戦争下の日系移民や日系二世の話を下敷きにしていると思われる設定で、まぁ人種問題やヘイトスピーチなんかのテーマがこれでもかと描かれるし、他にも軍部と民間人の対立なんかも描かれていて…めちゃくちゃリアルでハードである。 しかもそんな複雑な背景を持つ主人公が、男性(ロラン)と女性(女装・ローラ)の2つの顔を持っていて、二重スパイ状態ににあるという…さらに複雑な設定を与えられているので、ぶっちゃけわかりくいし、〝そういう意味〟でもハードである。 だが、だから面白い! 富野ガンダムはこうでないとね!! あと人種(アースノイドとスペースノイドではなく)の描き方もVガンダムを継承している。 Vガンダムで初めて(富野由悠季念願の)〝黒人レギュラーキャラ〟が解禁され、トマーシュやマーベットなど、魅力的な黒人キャラクターが描かれた。 ターンエーガンダムでは、ついに主人公が黒人である(といってもあくまで月の民なのでアフリカ系ではないが)。 しかも(実質的な地球の)イングレッサ(=ニューイングランド)領主も黒人。それどころか彼はゲイ(しかも幼少期に祖父から性加害を受けてそれがトラウマになっている)という…今だったら完全に「ガンダムもポリコレか~」と言われるような設定である。 最終的には「女性がスカートのままアメリカを治める」という未来まで預言されるのだから… 前述のシオニズムオチーフの地球帰還計画といい、ガザ地区問題に、そして移民問題や女性差別問題で燃える第二次トランプ米政権の現代でこそ、見られるべきアニメである。 富野由悠季、相変わらず時代の20年先を行っている… ほぼ全ての富野由悠季作品が、放送当時ではなく後年に高く評価されるゆえんである。 ターンエーガンダムの説明書(電気のノート)とか、完全にスマホだしね。 「この中に薄い本が入ってるの?」っていうソシエのセリフとか、完全に逆異世界転生もので出てくるようなセリフだし…マジで時代を先取りしすぎなのよ。
いいね!1件
碧翠

碧翠

「ディアナカウンターの空襲って、地球の人にはとても恐ろしかったんですよ」 ポゥの様な闘争本能に飲まれた度し難い兵士のせいで戦争が激化する 上官に気に入られた女だからって禁固刑15年を帳消しにされた奴が
いいね!4件
シャスイ

シャスイ

MSのこうした運用が好き。 平和的に人を救う。
PANDADA

PANDADA

このコメントはネタバレを含みます

なかなかシビアな回です。 一応停戦中ですが、例のディアナ襲撃事件もあったので両軍共にピリピリはしてます。 でも、フィル大尉も言っている通り、お互いに刺激はしたくはないという所。 ムーンレィスも決して一枚岩ではなく、軍部であるディアナ・カウンターと彼が連れてきた民間人てる帰還民の間にはある程度の齟齬がある様子。まあ、軍が偉そうなんですよね。 母乳が出なくなった母子のために、無人になった農場で家畜を集めるロラン達。 ポゥがちょっかいをかけますが、それを制したの親衛隊のハリー中尉。自分のことを平和主義者ではないと言ったましたが、良い人です。 無事居留地に戻りはしましたが、地球人達から強く責められます。まあ、言い分はわかるんですよね。彼らが月から来なかったら、平和に暮らせてたのに、という言い分は多分正しいんです。 と同時に、生きてくためにこれだけは許してほしい、対価は払うからというムーンレィス達の言い分も間違ってはないです。 不幸なのは初めの接触が衝突だったことですね。 非常に厳しい事をいうならば、第一陣を完璧に統制できなかったディアナの指揮能力の問題ですよね。 ミリシャ側はグエンがきっちりコントロールしてます。 ディアナ・カウンターはあまりそうは見えないんですよね。ムーンレィスの元首ではあるけど、コントロールしきれていない。 この辺は後になればなるほどより顕著になってきます。 そんな中、自分はムーンレィスだとカミングアウトするロラン。 そんなロランにソシエが怒りをぶつける所で今回はおしまい。 富野作品って、ファーストの頃から軍部VS民間人とか、正義VS正義みたいな構図をきっちり描いてますが、今回もバッチリです。これが設定や世界観に深みをもたらせてくれます。 やっぱ面白いですね。
いいね!4件
おじゃo

おじゃo

2巻2023年6月1日(木)