志麻凛

死神坊ちゃんと黒メイドの志麻凛のレビュー・感想・評価

死神坊ちゃんと黒メイド(2021年製作のアニメ)
4.3
呪いをかけられた坊ちゃんと
メイドのアリスによる恋愛劇

~所感~
①序盤はあまりハマらなかったが、徐々にこの世界観にハマっていきました。CGアニメなのでタッチが嫌いな人は嫌いだと思いますが、全然大丈夫でした。制作会社はJCスタッフで『ハイスコアガール』を手掛けた会社なのですが、その時も気にせずに楽しめました。このCGの作風と作品の世界観が個人的にマッチしていると思います。この話の設定上、ファンタジーさがあり、CGという物に対してファンタジーという要素は見事にマッチしています。ディズニー作品もCGを使うことが多く、今作に近いのは『アナと雪の女王』かな?死神坊ちゃんと黒メイドもアナと雪の女王も自分に不都合な能力があるキャラが居て、アナ雪だったらエルサが手から氷を生み出せる、今作だったら坊ちゃんが触れた生物(動植物)の生命活動を停止させる、それぞれの呪縛に立ち向かっていくまでのストーリーの描き方に“CG”というリアルさを追加することによって表現が深まります。CGアニメ自体、アニメと現実の均衡を保っているものだと思うので。序盤の話に戻しますが、それらの要因が重なり、話としての表現が素敵だったのでハマっていきました

②この作品には魅力的なキャラが多い!主人公の坊ちゃんとメイドのアリスの他にもアリスと共に別館で仕えている“ロブ”や坊ちゃんの妹で独自の価値観を見出す“ヴィオラ”、炎の能力が使える、天然系キャラの“カフ”、そのカフの幼馴染でいつも陽気な“ザイン”などなど。それらのキャラが坊ちゃんとアリスの関係性を支えています。全体的に見たら、キャラ数はそこまで多くないのですが、ここまでの表現ができるのは素敵です。登場人物が多すぎるラブコメだと1人1人のキャラの個性が光らなくて、不完全燃焼に終わる、逆に登場人物が少なすぎるラブコメだとダレてしまって内容として飽きが生じてしまう。この作品は多からず少なからず、上手い具合に保っていたな〜と思いました。そして1人1人のキャラの心情描写が丁寧に描かれていたし、配分が完璧でした。実家の料理のような安定感、毎回満足して嗜める。これが良いね

③今作に新人声優の倉持若菜さんがカフ役を務めているのですが、カフというキャラにジャストミートしてました。違和感全くなし、本当に凄い声優さんです。今作には花江夏樹さん、水瀬いのりさん、内田雄馬さん、神谷浩史さんなど豪華声優が揃っているのですが、群を抜いて倉持若菜さんのアフレコが素晴らしかったです。天然系のキャラに対する声の入れ方から真面目な時の声の入れ方など振れ幅が大きいのですが、それぞれの声の入れ方にメリハリが付いていて良かったです。これから本当に有名になって声優界隈に彩りを加えて欲しいです

~最後に~
続編の制作が決定しましたので、そこまで楽しみにしてます
志麻凛

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