勧善懲悪を超えた人物設定、軍事兵器としてのモビルスーツの存在、ヒーロー性皆無の主人公等、従来のロボットアニメにはなかった新要素を取り入れた功績はあまりに大きい。
ただ、TV放映から数えて40年以上が経過し、映像表現の観点で見れば、どうしても古臭さは拭えず。自分にとっては一旦、過去の産物扱いになっていたのだが、前日譚に当たる「ガンダム The ORIGIN」がアニメ化されたのをきっかけに再鑑賞してみた所、今までとは違ってジオン軍の視点で見る面白さがあり、この作品の底力を再確認した次第だ。
特にジオンの一般兵やスパイを主人公に据えたエピソード「時間よ、とまれ」「ククルス・ドアンの島」「オデッサの激戦」「大西洋、血に染めて」辺りは単発的なストーリーながら、市井の人達の姿を通じて反戦を訴えるストーリーが秀逸だ。これらの大半は劇場版でカットされている為、一般的に評価が高い劇場版より、このTV版を推したい。いや、やはり「ガンダム」シリーズは基本的にTV版ありきだと思うのだ。
(TV版ガンダムは、ビルド系とSD系を除いて全て観ているはずなので、放映順にレビューしていきます)