回想シーンでご飯3杯いける

スコット・ピルグリム テイクス・オフの回想シーンでご飯3杯いけるのレビュー・感想・評価

3.6
カナダのコミックが原作で「スコット・ピルグリム VS. 邪悪な元カレ軍団」という強烈な邦題が付けられた実写映画版でも知られる作品が、Netflixでアニメ化。実写映画版の監督だったエドガー・ライトが製作総指揮、サイエンスSARUがアニメーション制作、声優は実写版に出ていたマイケル・セラ、メアリー・エリザベス・ウィンステッド、クリス・エヴァンス、アナ・ケンドリック、ブリー・ラーソン等が担当する等、多国籍共同によるクレジットが目を引く。

青春+音楽+ゲームが合体したような実写版もかなりキワキワの内容だったが、このアニメ版ではどちらかというとヒロインのラモーナの視点で描かれているのが特徴。実写版をパラレルワールド的に広げたような世界観になっている。

男子目線のお馬鹿アクションとしての側面は影を潜め、女子視点でのロマコメとして楽しむ事も可能だ。

スタッフは、映像周りが日本側、脚本と音周りが海外勢という感じか。「スパイダーバース」等と同じで字幕だと情報量が追い付かないので、オリジナル・キャストによる音声は諦め、吹き替えで鑑賞した。

カオティックな構成からある種の感動へと導くオリジナリティ溢れる作風は、純粋な日本製作のアニメとはかなり違う。Netflixであれば、日本人クリエイターでも従来と違う表現を実現できる事を証明した点でも注目すべき作品だと思う。