回想シーンでご飯3杯いける

機動戦士ガンダム 水星の魔女の回想シーンでご飯3杯いけるのレビュー・感想・評価

機動戦士ガンダム 水星の魔女(2022年製作のアニメ)
3.8
女性同士の結婚、学園もの、という目新しい設定が目立ってしまうが、モビルスーツの技術が軍需産業と医療産業の双方で活用されるとか、ガンダムを操縦する事で人体に悪影響を及ぼす事が倫理的に問題視されているとか、ガンダム・シリーズらしい風刺的な作風は健在。いや、むしろシリーズ中もっとも尖がったガンダム作品と言って良いのかもしれない。

ジェンダー・バランスという言葉があるが、女性同士のカップルを主人公に据えた本作は、自ずと女性キャラクターの比率が高く、ガンダム・シリーズの定番「マスクのキャラクター」も女性である。それも関係しているのか、これまでシリーズの中で丁寧に描かれてきた政治ドラマの部分は抑えめで、登場人物の家族関係等、パーソナルな側面がストーリーの主軸に置かれている。

地上波での放送と同時進行でストリーミング配信された初のガンダム作品(だと思われる)であり、各話の一話完結的なリズムを持ちつつも、一気見を想定した全体の大きな流れにも力が入っていると感じる。特に後半のストーリーは振り幅が大きく、通して観る事で理解できる部分も多々あった。

「機動戦士ガンダム00」以降の例に倣い、今作も数か月のインターバルを置いて、シーズン2が放送される事になっている。