回想シーンでご飯3杯いける

機動戦士ガンダム 水星の魔女 第2クールの回想シーンでご飯3杯いけるのレビュー・感想・評価

4.2
シーズン1では、女性同士の結婚、学園もの、という目新しい設定でツカミつつ、このシーズン2では、モビルスーツの軍需産業としての側面、宇宙居住者と地球居住者の格差、ガンダムを操縦する事で人体に及ぼす悪影響の部分にスポットを当ててきた。現代的な新しい映像を取り入れながらも、その風刺的な作風は正にガンダムらしい。

初の配信同時展開という事で、各話毎にストーリーの振り幅が大きかったのが特徴的でもあった。恐らくは複数回鑑賞を想定しており、毎週テレビの前で放送を見ているだけでは、話のすじ道を見失っていたと思う。この辺りも、ある意味、新しさというか、時代性なのかもしれない。

それにしても、風呂敷を広げまくった物語が、母娘の対立と対話に帰結していく展開が、「エブエブ」「私ときどきレッサーパンダ」「ミズ・マーベル」といった海外の新しい映像作品とリンクしているのが非常に興味深い。

異論もあるだろうが、やはりガンダムシリーズはテレビで完全新規作品が放送されている時が最高に楽しい。近年は「ククルスドアンの島」のように旧作のキャラクターを前面に出した劇場作品がヒットする等、シリーズのビジネス展開に疑問を感じる部分もあったが、一方のテレビ放送では「Gのレコンギスタ」「鉄血のオルフェンズ」「水星の魔女」が、新しさと風刺性を兼ね備えた力作だった事で、長年シリーズを楽しんできた僕は、何とも言えない満足感を覚えている。