機動戦士Vガンダムの51の情報・感想・評価
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機動戦士Vガンダムのドラマ情報・感想・評価・動画配信
機動戦士Vガンダム エピソード 51
機動戦士Vガンダム
(
1993年
製作のアニメ)
公開日:
1993年04月02日 /
制作会社:
サンライズ
/
再生時間:
24分
3.9
エピソード51
天使たちの昇天
拍手:16回
あらすじ
平和を望むシャクティの祈りによってエンジェル・ハイロゥは崩壊を開始。戦場では多くの命が奪われ、戦いはついに終結の時を迎えようとしていた。シャクティの祈りが続くなか、ウッソとクロノクルそしてカテジナとの最後の戦いが始まる…。
コメント7件
夏藤涼太
2025/02/07 15:34
いや~わかってはいたが、すさまじい最終話。皆殺しの富野…黒富野の極み…鬱最高潮…最多死亡ガンダムの名は伊達じゃない。 だってVガンダムの公式サイトに載ってるキャラの内、最下部の「地球連邦/その他」のキャラ(彼等は多くても3話程度しか登場しないほぼモブキャラで、唯一サブキャラポジションはムバラクだが彼はちゃんと死ぬ)以外では、生存確定してる人間、9人だけだぜ!? 戦闘要員に絞ったら、なんと味方サイドでは子供の主人公と妊婦の2人だけ! まぁ犬とかハロとか、あと生死不明ながらも生きている可能性が高いトマーシュ・カレルを足したらもう少し増えるけど… いやしかし、マーベットさんが生き残ってくれて本当によかった…幼い子供も死んだイデオンを作った富野由悠季なだけにビクビクしていたが、流石に妊婦は生かしたようだ… 逆に言うと、Zで同じポジションだったエマ中尉が死んだことを考えると、妊娠していなかったら多分死んでたんじゃないかな…ありがとうオリファーさん!マーベットさんに子種を残した後に逝ってくれて!! (いやマジで。ガンダムシリーズで一番好きなキャラ、エマ中尉とマーベットさんなので…。次点でエルかファかハマーン様かな…って、女ばっかだしZとZZばっかだな!) 特に最終話では、オデロの死がえげつない。 ここまでバックボーンが特に語られてこなかったのに、まさかの悲しい家族との関係がここで初めて開陳されるという…(しかも幻覚を見て安らかに逝くのかと思いきやの断末魔) この設定を踏まえると、11話で父について聞き回るウッソをスージィのために諫めるシーンにも、また違った味わいが出るというもので…最初から見返したくなってしまうね。 エリシャはニュータイプ的感性でオデロの死に気づいたのに、オデロ自身が最期に邂逅したのは良心というのも、また二重で切ない。 後期OPで、良い笑顔でVガンダムのコア・ブースターを操縦してる(というかここの一連のシークエンスの作画が地味にめっちゃ凄い)オデロも、これからは見る度に胸が締め付けられちまうぜ… ただ、よく言われるのが「オデロは死ぬ意味があったのか」問題で。 確かに、特攻みたいに役に立ったわけでもない(時間稼ぎは既に済んでいるとも言える)し、シュラク隊のようなかっこいい(つまりキャラとして格が上がるような)死に様でもないし、またはミューラのようにその死が主人公の運命(つまりストーリー)に影響を与えるわけでもないという… レギュラーメンバー(主人公ウッソ以外で前話に出ているのはオデロだけ)の死としてはまさに異例の死亡展開で、その点で、「死ぬ意味がなかった」と言われているのだろうが… むしろ、「死ぬ意味がなかったからこそ死んだ」と言えるだろう。 「死に意味がある」というのは(特に戦記ものの)エンタメに毒された発想で。 現実の戦争では、まず、死に意味などない。無意味に、理不尽に死んでいく。それが戦争というもので。 Vガンダムが第1話から(ファーストのような)ミリタリズムやエンタメ戦記ものを否定し、「現実の戦争」をテーマに描いていたことは(事前にユーゴスラビア紛争に揺れる東欧取材を経ていることからも)明白で、50話の感想で書いたように、富野由悠季は明らかに特攻を無意味なものとして描いているし、死に様こそかっこよかった気がするシュラク隊だって、はっきり言ってほとんどは犬死にであり、全然かっこよくない。 特にVガンダムは(戦争アニメの主人公に子供を据えろという上層部やスポンサーへの反骨精神もあって)「子供が戦争に参加することの悲劇」をこれでもかと描いている。 主人公は13歳の子供でありながら、人殺しをする自分に衝撃を受け、信じていた人には裏切られ、親の凄惨な死を見せられ… その中で、主人公の家族同然の子供が死ぬという展開は、テーマ上絶対に必要だったのだろう。 で、なぜオデロだったのかというと、それは彼がリガ・ミリティアの子供達の中で一番好戦的なタイプだったからというだけかと。富野ガンダムでは基本的に、好戦的な人間から死んでいくので… なお、「オデロは監督と目が合ったから死んだ」という都市伝説はガセというか、間違った噂で… (ちなみに漫画版でも同様に死ぬのだが、ちゃんと戦局に大きな影響を与えているし、死に様もかっこいい) 「最終話近くなった時、ひょっとしたらウッソは死んじゃうのかなと思って、監督にそれとなく話をしたことがあるんです。その時監督は中田君(オデロ)のほうをちらっと見て、”誰とは言わないけどひとり死ぬよ”ってなにげなく話をしてくれたので、もしかしたらオデロは最後に…という予感はしていたんですけどね(笑)」 ( 『ニュータイプ100%コレクション 機動戦士Vガンダム VOL.2』の阪口大助インタビュー) というのが本当の話で、「死ぬと伝えるために目を向けた」が正解。 地味に悲しかったのが、クロノクルのあっけない死。 いや死に方とその直後のアイキャッチもあってインパクトは凄かったけど…。 (あと、「私のために殺し合え」とかドヤ顔で言ってたカテジナさんを無視して、死ぬ時は姉の話しかしていなかったのも地味に面白い) 「シャアのようなライバルキャラを」との要請で作られたクロノクル(だからシャアの名前を逆にした「アシャー」という名で顔を隠す場所も目と反対で口)だったが… 結局、情けない感じのキャラになったというか、カテジナに負けず劣らず人生に迷走を重ね、しかもカテジナにライバルポジションを取って食われるという…シャアではなく、完全にZガンダムのジェリドのポジションに落ち着いてしまったのは残念。 ただジェリドと違ったのは、序盤の彼はかなり好印象なキャラクターで、魅力的なライバルになり得る素質があったことで…。 そもそもザンスカール側には(子供を無理やり戦わせるリガミリティアと違って)まともな人間が多いのだが、その中でもクロノクルは特に誠実で、優しい人物だった。 だが、カテジナやファラやルペシノなど、富野由悠季が女の敵を描くことに夢中になってしまったために、クロノクルは忘れ去られてしまったという… (事実、カテジナが登場しない漫画版では、クロノクルがラスボスとしてかっこいいライバルポジションを張っている。カテジナさんにパイロット適性がありすぎたのが悪い) で、序盤でも少し触れたが…やはり気になるのはトマーシュとハンゲルグの生死だろう。 トマーシュについてよく言われるのは、声優の関智一がVガンダムの後番組のGガンダムの主役に確定していてその収録で忙しかったから…あるいは視聴者が声を聴いてトマーシュと混同しないようにした配慮である…というものだが、本当にそのような事情があったなら、最終話は丸々登場しないのでは?と、個人的には思う。最終話も前半は普通に登場してるので。 それに声は出さなくても、エピローグ部分で姿だけ登場させることもできやはず。 しかも声優と関係のない、漫画版や小説版でも生死不明(エピローグ未登場)なのは… (生き残ってカサレリアで暮らしてる、みたいな情報がネットでは広がってるけど、そのソースは自分は見たことがない。ゲームの情報とか…?) スタッフのミスとか、富野由悠季の忘れられたという説もあるけれど…ここまで徹底して存在を消されていると、マジで「生死不明(行方不明)」の可能性もあるんじゃ…という気がしてきてしまう。 実際の戦争ではそういうことも多いだろう。富野由悠季が、本当にリアルな戦争を描こうとしたら… でも、トマーシュ同様に謎とされているハンゲルグ(ウッソの父)の死だが、これは明確に制作上のミスだと思う。 おそらく正史というか…富野由悠季の脳内的には、ハンゲルグは死んでいない。 最終話前話の描写や演出を考えたら、どう考えてもハンゲルグはナイチンゲールを脱出している(そうでないとムバラクの「噂通りはしっこい男だ。次に何をやろうというのか」というセリフを入れる意味がわからない。扉から風吹いてるし)。 で、小説版ではやはりナイチンゲールを脱出し、木星公社に向かった…ということになっている。 Vガンダムの小説版はファーストガンダムの小説版やベルトーチカチルドレンなどのパラレル色の強いものとは違い、あくまでもアニメに準じた世界で、F91のように、世界観やキャラの設定や心情がアニメよりも掘り下げられた「アニメのサブテキスト」としても通用するノベライズだ。なので、富野由悠季の脳内的には、ハンゲルグは死んでいないんだと思う。 しかし、最終話を見ると完全にハンゲルグは死んでいる。 ナイチンゲールにはハンゲルグの怨霊のようなイメージが浮かんでいるし、シャクティも「おじさん…」とその死を感じ取っている(シャクティはクロノクルのことも「おじさん」と呼ぶが、この時はクロノクルはまだ存命)。 これは50話と51話(最終話)のスタッフの連携が取れていなかったのだと思う(テレビアニメでは切羽詰まっていたら別の制作班や作画チームで2話くらいを同時並行的に作ることはよくある)。 つまり最終話のスタッフは、ハンゲルグも50話で死んだと思っていたのだろう。けっしてハンゲルグが生きていて、彼がナイチンゲールを動かしたのではない。 ナイチンゲールを動かしたのは、ムバラクらの怨念である(最終話の制作スタッフはハンゲルグの怨念だと勘違いした)。 まぁ、これは状況証拠的な個人的な考察に過ぎないが…だとすると、ムバラク大佐があまりにもかわいそうすぎるし、メタ的に見ても親父は卑怯者だな! …と、皆殺しの富野にふさわしい、いや(ガンダムシリーズで一番の)子供向けアニメとしてはまったくふさわしくないほどに、数々の死が描かれた最終話だが… それよりも衝撃的なのは、やはりあの――マーベットのお腹の具合から見ると終戦から半年後~1年以内?を描いたエピローグだろう。 残酷でありながらも優しさと美しさにあふれたこのエピローグは、同じく悲劇的・黒富野ガンダムのZガンダムと比較してかなり好印象だし、むしろ今までの悲劇があったからこそ、この筆舌に尽くしがたい美しさや情緒、切なさを醸し出していると思う。 エピローグだけなら全ガンダムシリーズでナンバーワンだと、断言してもいい(そもそもガンダムではエピローグのない作品も多いが)し… テレビシリーズではZガンダムが一番好きだし、あのラストは衝撃的ではあるものの、やはりあそこで終わったらあまりにも救いがないので…Zがファースト・ZZ・逆シャア込みの評価にどうしても依存してしまうことを考慮すると、作品単体で見たらVガンが一番好きかもしれない…と言いたくなるくらいには素晴らしいエピローグだった。 (ことぶきつかさをはじめ)なぜお前が数少ない生き残りなんだ!と怒っている人もいるかもしれないが、いやいや、カテジナさんは死んだらいけないよ。だってこのエピローグの主役は間違いなくカテジナさんなんだもの。 というか、エピローグでのウッソのセリフって本当に一言二言だけで。まるでそんなウッソの代わりに尺を与えられたカテジナさんを見たら…Vガンダムの裏主人公がカテジナだったとわかるのではないだろうか? そう。前述したように、Vガンダムは「本当の戦争の現実=悲劇・理不尽・虚無」を描く作品である。 だからこそ、OPやアイキャッチ、次回予告など、体裁こそ子供向けでありながらも、第1話から空襲で民間人が大量の肉塊や骨になるという過酷な展開が描かれたわけで。 もちろん主人公であるウッソも数多くの悲劇や理不尽に遭遇したが…〝スペシャル〟かつ〝戦闘マシーン〟として育てられた主人公ということもあり(カミーユとは違って)、廃人になることはなかった。 でも、普通の人がウッソのような目に遭えば、まずはおかしくなってしまうもので。(レコア同様「主義者」でもない普通の人間の)カテジナさんがおかしくなったのは、至極当然であると言える。 あのような悲劇や理不尽な目に遭えば…最後には、すべてを失い、虚無に墜ちたのも当然。 「おかしいですよ、カテジナさん!」という有名なセリフがあるが…本当におかしいのは〝おかしくならないウッソ〟で。 だからこそ、ウッソは「嘘」の存在なのだ。 (富野由悠季自身、カテジナについて「別に心変わりしたわけじゃないよ。だって心変わりするモーメントってないんだもん。もともと何も考えてない女だから、あれは心変わりでもなんでもないんです」(『ラポートデラックス 機動戦士Vガンダム大事典』)と語っているように、カテジナはレコア同様、意図的に「特殊な耐性も主義や思想もない平凡凡庸な本来ならばアニメのメインキャラには選ばれない一般人」として作られたキャラクターだとわかる) カテジナさんはまさに、主人公には背負わせることができなかった、Vガンダムという作品の真のテーマを背負わされ、文字通り、〝道に迷った旅人〟となった、真の主人公とも言えるのだ。 だからこそか、富野由悠季自身、『グレートメカニックG 2023 SUMMER』でのVガンダム放送30周年記念インタビューで「一番好きなキャラはカテジナ」と発言している。カテジナさんの受難は、作者による歪んだ〝愛〟なのだ… 「来ると思ったよ。甘ちゃん坊やは、この船が沈めばこの船もろともみんなが幸せになるんだろう!?」 ウッソと最後に対峙した時のセリフを思い返してみれば、その(富野節とも明らかに違う)支離滅裂さから、彼女の精神(あるいは脳)が完全に崩壊しているのは言うまでもない。 それを「カテ公」や「ガンダム三大悪女」と言うのは…あんまりだと思いませんか!?ニナとはわけが違うんですよ!? 記憶を失ったのは、エンジェル・ハイロゥの副作用か、それとも、カサレリアにたどり着くまでに、あまりの精神的苦痛から脳が記憶をシャットアウトしたのか… 真相はわからないが、カルルの名前を聞いたときには何かを思い出したのだろう。だから涙を流してしまった。 しかし記憶はないままなので、本人としては、自分がなぜ泣いているかもわからない…。だからこそ、「冬が来ると、訳もなく悲しくなりません?」と答えてみたのではないだろうか。 この辺は、人によって解釈の分かれるところだろうけど。「お嬢さん」というセリフも、意識的か無意識なのか、それとも失明ではなく弱視程度だからなのか… ちなみに失明(弱視)については、アニメをよく見ると、V2ガンダムから放たれた怨霊と対峙した時に視力を失っているのがわかる。 ちなみにあのエピローグはシャクティ視点(だから主人公はシャクティ)という解釈もあるかもしれないが… よく見ると、カテジナ登場から最後のシャクティの涙のシーンに入るまではカテジナ視点でコンテが切られているのがよくわかる。 普通なら、カテジナに気づいた瞬間のシャクティの描写があったりするものだが、そのシーンはカテジナ視点の構図で、シャクティは後ろ姿になっているので、映っていないのだ。 しかしそういう意味ではもちろん、シャクティもまた、カテジナに並ぶ裏主人公だったと言える。 周りが戦争に毒されて環境に適応していく中、シャクティだけは生来の純粋さを保ち続けた(その結果周りから「病気」と呼ばれることもあった)ことは、44話の感想に詳しく書いたが… そんな純粋なシャクティが唯一、(ウッソの幸福=カテジナから解放するために)嘘をついたシーンが、このエピローグなのだ。 それは、子供だったシャクティが、(その直後に涙したように良くも悪くも)大人に成長した瞬間とも言え… Vガンダムという作品は、シャクティの成長物語でもあったとも捉えられるのだ。 カテジナとカルルの邂逅、わけもなく悲しくなり、流れる涙…いくつもの愛をかさねて…道に迷った旅人…シャクティの最初の嘘と涙… もうこの時点で完全に涙腺に来ているのに…極めつけに、うち捨てられた2機のガンダムに降り積もる雪のカットですよ! 宇宙世紀においてモビルスーツ(ガンダム)は人格のない道具――兵器――である。 それがうち捨てられているということは、まさしく「武器よさらば」であり、兵器が必要ない世界が訪れたということだろう。 なんて残酷で、しかし優しく、そして美しい締めくくりだろうか。 もしもカテジナが普通に死んでいたら、エピローグはただの朗らかな大団円だったはず。それはそれでよかっただろうが…ここまでの胸を締め付けるような感動はなかっただろう。 このエピローグにたどり着けたのなら、これまでの悲劇や狂気にも意味があったと十分思えるし…いやむしろ、このエピローグにたどり着くためには、これまでの悲劇や狂気が必要だったのだとさえ肯定できる。 Vガンダムは単なる「見てはいけないガンダム」ではない。「見てはいけない展開」の積み重ねの先に、「見なくてはならない結末」が待っているのだから。 ちなみに件の「見てはいけません」発言だが… 『グレートメカニックG 2023 SUMMER』でのVガンダム放送30周年記念インタビューでは、富野由悠季は「当時はサンライズの身売り騒動で裏切られたことやバンダイに制作を滅茶苦茶にされたことで鬱になっており、その時期を思い出してしまうVガンダム自体を嫌うようになっていた」と言っており、今では「(ロシアのウクライナ侵攻を踏まえて)時代に必要な作品を作ったと思えるし、Gレコにも繋がった」とVガンダムを肯定し、最後には「見てください!」と締めくくっているので、皆さん安心して見て下さい! なお、自己批判や反省ばかり述べていた放送終了直後の時期においても、カテジナで終わらせたエンディングについては富野由悠季自身も絶賛している(『Vガンダム大辞典』) もちろん、金も身寄りも視力もロクにないカテジナが、この荒廃した地球でこの先1人で生きていくことを考えると…はっきり言って、彼女は死よりも過酷な(早すぎる)余生を送ることになるだろうし… 50話の感想にも書いたように、早々にコロニー同士の戦争が激化し、恐らくウッソたちは再びガンダムを駆ることになるし、リガミリティアもモビルスーツもほぼ壊滅と言っていいカサレリアには過酷な将来が待っているのだろう。 はっきり言って、救いがあるようでない結末ではある。 とはいえ、ザンスカール戦争終結後の世界はわりとはっきりしていないので、妄想するのは自由だろう。 カテジナさんは気の良い老夫婦とかと出会って、そこで土と水と太陽の暮らしを送る中で、長い時間をかけて心身を回復させていったのかもしれないし… コロニー戦国時代が苛烈になったとしても、もしかしたら、スペースノイドはもう地球を攻めることは(ウッソ達が生きている時代は)なかったのかもしれない。 これはただの妄想ではなく、Vガンダムの時代には地球の汚染・荒廃が進んだことと、スペースノイドが宇宙(コロニー)に適応しすぎたせいで、地球を良いと思っていない描写が散見されるからだ。 クロノクルがマスクをしているのは地球の(しかも環境保護区であるウーイッグですら)チリや空気が耐えられなかったからだし、マルチナとエリシャも海の匂いを忌避し、草の匂いすら、「オイルの匂いの方が安らぐ」とまで言っていた。 (小説版ではマーベットさんもミミズが気持ち悪いから地球では暮らせないと語っている) その確信があったからこそ、ウッソとマーベットは、本来ならば来るべき備えとして保管しておくべきガンダムをうち捨てたのかもしれない。 そういう意味では、ちゃんと〝故郷に帰る〟という目的をシリーズでも珍しく達成できたVガンダムは、「ヴィクトリーガンダム」と言うにふさわしい作品だったのかもしれない。 (明るくハッピーっぽいZZでさえ、主人公は宇宙に旅経つし) これは11話の感想にも書いたとおり、当時(93年)の世間の人々が、もう完全に崩壊した(投機)バブルを見ようとせず、お立ち台にボディコンで現実逃避しながら踊り狂っていた――地に足のついた仕事や暮らしを忘れていたのが、許せなかったのだろう。 だからこそ、Vガンダムの主人公はこれまでのガンダムと違って土や海と共に暮らしていた地球出身者で、最後も、これまでの上昇志向や「ここではないどこか」思想を否定して(これまた過去のガンダム主人公とは違って)地球に帰って地に足のついた生活を再開するのだ。 …で、ここまでを踏まえると、いかにも子供向けな明るい歌に見えた前期OP「 STAND UP TO THE VICTORY」の歌詞の、なんと完璧なことか。 いくつもの朝をむかえ いつかきっと つかんでみせる STAND UP TO THE VICTORY その向こう側に何もなくても かまわないから STAND UP TO THE VICTORY いくつもの夜をこえて あの星をつかんでみせる STAND UP TO THE VICTORY その向こう側にたとえ 悲しみが 待っていたとしても さすが井荻麟…いや富野由悠季。こんな子供受けしそうな爽やかな曲の中に戦争の残酷さと人間への希望を見事に描き込んでいる。 いやまぁ、「終わりのないDefenceでもいいよ」とか「子供の頃の小さな思い出 時が壊していく」とか、作曲でごまかしてるだけで、歌詞はわりと直球でVガンダムしてたりするんだよな… というかVガンダムは曲全部いいわ。劇伴も凄い良いし。 ……さぁ、ここまで来たら、次はターンエーガンダムに行くとしましょうか。 ちょうど(奇跡的に)ガンチャンでのターンエー配信も再開したしね。
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シャスイ
2024/09/16 02:43
生存すると思っていた人がいなくなったり、あの人の末路が悲惨だったりと強く印象に残る最終回だったが、他の登場人物がおざなりで、カテジナに注目したままだったのが残念だ。結末ではウッソのことをもう少し掘り下げて欲しかった。案外、素っ気ない様子だった。
えりみ
2024/07/23 10:11
最終回: 主人公少年を騙し討ちして指した悪女 見る影もなくなり盲いたまま去っていたけど… 肝心の主人公は??
いいね!5件
SNOWEARTH
2023/12/28 09:17
戦争に対してのメッセージ性が強い作品でした。 そう考えると腑に落ちるラストでした。
いいね!21件
PANDADA
2023/07/10 01:17
このコメントはネタバレを含みます
「冬が来るとわけもなく悲しくなりません?」(カテジナ・ルース) 一騎討ちを始めるクロノクルとウッソ。 お互いの思いの丈をぶつけてはいますが、微妙にすれ違っています。 ウッソはクロノクルの弱さがカテジナを変えたと非難していますが、ここでいうクロノクルの弱さってなんでしょうね。 作戦はそれなりにそつなくこなすし、MSで出撃すれば、必ず何かしらの成果を持って帰ってきています。 劇中でも印象は薄めですが、かなり有能だと思います。 強いていうならば、常識人で、非情に徹しきれない点があるくらいでしょうか。 確かにクロノクルが非情な軍人であれば、カテジナは彼に惹かれなかったんでしょうが、それをクロノクルのせいだけにするのはどうかと。 クロノクルは、マリアが女王になってしまい、マリアを守るために連邦やリガ・ミリティアだけでなく、カガチやタシロとも渡り合わなくてはならなかった苦悩を吐露しています。そうですよね、大変な中かなり頑張ってきたと思いますよ。 いろんな意味で姉に依存していたのは確かに弱さかもしれません。 一騎討ちの場にカテジナ、オデロ、トマーシュが現れて、オデロがカテジナの相手をし、奮戦しますがあえなく撃墜されます。 本当の意味で良い兄貴分でした。 彼の死をショックでしたが、ここまで生き延びれたこと自体が奇跡でした。 クロノクルもウッソに討たれ、最期にマリアの幻覚をみます。最期まで姉が大切で、姉に依存していたんですね。 突然のエンジェル・ハイロゥの崩壊に混乱気味のズガンの旗艦ダルマシアンの前にブリッジを破壊されたジャンヌ・ダルクが出現。 艦隊が絡み合った挙句、両艦ともに爆沈します。連邦もザンスカールもほぼ壊滅してしまうことになります。 カガチはギリギリの所でダルマシアンを脱出していましたが、エンジェル・ハイロゥで戦死。彼もまたマリアに依存していたんですね。 両軍ほぼ壊滅の中、カテジナと対峙するウッソ。コックピットから出てきたカテジナが騙し討ちでウッソを刺しますが、ウッソから出てきた言葉は「まったく」の一言。 これ、ワタリー・ギラが最期に言ったセリフなんですよね。悲し過ぎる戦場の現実をそれでも仕方ないと受け入れた後のセリフで、ウッソもたぶん同じ思いだったんだと思います。みんなを狂わせる戦争という現実を、それをよく理解していなかった自分への戒めとともに受け入れる。ワタリーとまるっきり同じですね。長い長い伏線でした。 サイコミュ兵器に乗っているためか、エンジェル・ハイロゥの力か、ウッソに宿る人々の姿を見たカテジナは「惑わすな!」と叫び最後の一撃を撃ちますが、V2は光の翼でこれをガードにカテジナを打ち倒します。 「惑わすな!」と現実を否定したがったカテジナはその時に光を失っています。 これもエンジェル・ハイロゥの機能なのかも。 カテジナを撃破し、シャクティを救出したところで、場面が変わり、エンディングへ。 偶然にもカルルマンとシャクティの元へ辿りつくカテジナ。 カテジナだということをわかっていても優しく接するシャクティ。 聞かれて名前を答えられるようになったカルルマン。 「良い名だ」と言いながら、この現実に気づくカテジナの様子をみて「どうなさいました?」と問うシャクティに答えたのが上のセリフ。 とっさに答えられずに繕った答え方です。 分かれたあと、2人とも泣き出しますが、 これも印象的ですよね。 もう戻れないカテジナの後悔と、それをわかっているので彼女のこれからを思い涙を流すシャクティ。 印象的で良いエンディングだと思います。 全体を観て、やはりこれって傑作だと思います。 たぶん、ガンダムのシリーズの中では一番好きかもしれないくらい。 昔より所々泣けるようになったのは、何十回も再観したので理解が深まったのか、自分が年取ったのか。 そう遠くない未来でまた再観すると思います。 ご覧になっていない方には是非一度は観て頂きたい作品です。
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えりこ
2023/07/07 14:32
このコメントはネタバレを含みます
最後の最後にオデロさんの死。 あ〜子供達は死んで欲しくなかった( ; ; ) サイキッカー達がこぼれています!もかなり衝撃だったが、みんな死んでしまったのかなぁ。。 昇って行ったエンジェルハイローと、ザンスカールはどうなったんやろう。
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おはうち
2022/04/19 12:24
キャラクターの死に様が鮮烈で記憶に残る作品のラストで、まさか生きている姿に驚くとは。最大の敵が失明して見窄らしく、故郷を求めて生きている姿を映して終わるのが何とも言えない余韻を残してくれた。ガンダムシリーズで主人公が元居た故郷に帰還して収まっていくのが新鮮。 クロノクルの縦パン落下死は凄いな、見たことないフェードアウトしたよ。死んですぐにアイキャッチ流して流れを一気に断ち切るし素っ気ない。 ウッソの父親は戦艦が特攻するのを決めたら逃げ出そうとしている最中で戦艦内で死んでたって事かな。それだと改めて戦艦が特攻している時にウッソの父親の勇ましい幻影で登場するのおかしいんだよな。なんなんこれ。 たくさん人が死にましたけどオデロさんが一番ショックでしたね。戦死する主要人物の大半は大人だし、死ぬ覚悟は全員にあったろうと思うが、子供が戦死するのは悲し過ぎた。子供の戦死は境界を越えてるから、これはやり過ぎだよね。 シュラク隊の全滅は意地悪だったね、カテジナの生々しさもあって流石に女性嫌悪に罹ってると思わざる得ないなぁ。だからこそ長所なんだろうけどさ、まぁ凄かったよ。
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