洋画好きのえび

ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風の洋画好きのえびのレビュー・感想・評価

5.0
このままシーズン4のレビューも書いちゃいます。

本作は原作第5部「黄金の風」をアニメ化した作品です。舞台はイタリア、主人公はDIOの息子であるジョルノ・ジョバァーナで、ギャング組織パッショーネに入団したジョルノが、仲間たちとともにパッショーネのボスを倒すために戦う物語です。
本作を描くために原作者の荒木飛呂彦先生はイタリアに取材に赴き、アニメ製作陣も現地に赴いてロケハンを敢行したというほどの気合の入りっぷり。爽やかなイタリアの空気感を感じられる素晴らしい映像も魅力の一つです。コロッセオやベネツィア等の観光名所も描かれていますよ。

物語としての完成度で言えば、この第5部はジョジョ全シーズンを通してトップクラスだと思います。本部で荒木飛呂彦先生が描きたかったテーマが「生まれてきたこと自体が悲しい人物は、どうやって自身の運命や宿命に立ち向かうのか」ということもあり、作品全体のトーンは重く、原作を読み返すのもアニメを見直すのもかなりエネルギーが必要です。それでも、見返すたびにめちゃくちゃ心に響く。やっぱり第5部は名作だなぁと思います。また、原作ではわかりづらかった部分、省かれていた部分を補足するアニメオリジナルシーンがちょいちょい挟まれるのですが、それが全く無駄じゃない。むしろ良いッ!本当にジョジョシリーズの脚本家の方達は有能だと思います。シリーズ構成をシーズン1からずっと同じ方(小林靖子さん)が担当されているのもその一因かもしれません。

ストーリーの素晴らしさが本作を名作にしているのは勿論ですが、各キャラクターを演じた声優陣の演技のレベルの高さも本作の素晴らしさの要因だと思います。本作は特に人気の高いキャラクターが多く、ジョルノの仲間達だけでなく、敵キャラクター達も個性豊かで名言が多いキャラクターばかり。ブチャラティ、アバッキオ、ミスタ、プロシュート兄貴、ペッシ、リゾット、ドッピオ… あげれば枚挙にいとまがありません。原作を読んだ時に抱いたキャラクターのイメージがそのままアニメ化されたような感覚を抱けます。特にブチャラティは原作以上にカッコいいですね。我が家の女性陣も「ブチャラティがカッコ良すぎる!!」と高評価でした。演じる中村悠一さんの演技が最高です。ブチャラティはギャングの暴力的な面と高潔な性格が両立している稀有な人物ですが、相反するこの二つの要素が見事に演技に昇華されているんです。本当に呪術廻戦の五条先生と同じ人なんですか…??

そして、本シーズンはOPとEDの選曲がまた素晴らしい。OPはオリジナル楽曲の「Fighting Gold」と「裏切り者のレクイエム」で、EDはJodeciの「Freekn' you」とEnigmaの「Modern Crusaders」。思わずどうした?と言ってしまうくらいストーリーとマッチした選曲です。ストーリーに合わせて映像も変化して行くので、何度見ても飽きません。特に第2クールのOPは映像がストーリーに合わせて3パターン用意されており、映像の変化を探すのも楽しいです。

本シーズンは現在地上波で深夜に再放送されていますので、ご興味あればご覧になられては如何でしょうか。もう名シーンの一つであるギャングダンスは終わってしまいましたが、まだまだ名シーン名台詞が盛りだくさんなので、途中からでも楽しめると思います!