ヒムロ

Sonny Boyのヒムロのレビュー・感想・評価

Sonny Boy(2021年製作のアニメ)
3.2
中学3年の夏休み。
長良とそのクラスメイト達は酷い嵐によって校舎ごと異次元へと漂流してしまう。
歳も取らなければ壊れたものもすぐ治る。
時の止まったような世界で一部の生徒達は特殊な能力を身につける。
果たしてこの世界は何なのか。
長良達は元の世界へ帰ることが出来るのか。


特段概要を知らずに「なんか名前聞いたし前クールに話題だったやつ」ぐらいのニュアンスで見始めたので想像していたような内容と違って肩透かしを喰らった。

大前提としてこのアニメは考察必須の難解&不条理ストーリーであり各話ごとに繋がってるようで繋がってない いややっぱり繋がってる というような不思議すぎる構成のアニメだ。
突然意味不明な話が始まったかと思うと登場人物達はそれを超スピード、もしくはノータイムで受け入れて視聴者を置いていったりもする。

決して「能力を手に入れた少年少女達が協力と仲間割れをしながら漂流を乗り越えようとモラトリアム期間を過ごしていく。」みたいなあらすじから想像できそうな話ではないのでこの時点で好みが分かれるだろう。


僕はこういう考察前提系の話を見るのが得意ではないし考察も出来る方でもする方でもないが、そこを我慢して見きった後に考察を読むのは楽しい。
見ている最中はよっぽどこっちのが漂流しているのかと思うぐらいに話に置いていかれたり心が折れかけていたが、端々に伝わってくる話のテーマ自体はとても良い。

あまりにも予想から外れるであろう最終回だがアレを一つのモラトリアムのハッピーエンドとスタートとして捉えることが漂流を通してSonnyからBoyに成長し変わった長良の着地点だろうし、この物語を通して視聴者に変わってほしかった核だろう。


EDを含めて使われていた挿入歌だけ取って見れば星5を付けたいほどのマッチぶりだった。
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