古典として誰しもが知っている平家物語を、オリジナルキャラのびわを入れてアニメ化する。
こういう古典が原作のアニメは、「かぐや姫の物語」しか見たことが無かったが、今作も充分楽しめた。100%理解するのは難しかったけれど、アニメーションとしての描写が綺麗で、そこから意味を捉える事は出来た。
例えば、10話で維盛が流す涙(生者の象徴)から血(死者の象徴)へと変わっていき、その血が溜まった所が、此岸と彼岸とを繋ぐ三途の川に見える。それこそが、衰退を迎えた平家の現状を具現化しているように思える。
そんな生と死という対比によって、自然と平家の繁栄と衰退の見え方が明白になる。他にも生と死に関する描写が、点々としてある。背景を通して、そして人間の死を通して。文を読むだけでは感じ取れない、アニメとしての描きがとても綺麗だった。
内容外の事を肩の力を抜いて書きます。
まず、びわ役を務めた悠木碧さんの唄声が、すこぶる良き。平家が戦う際に弾き語りパートが入るのですが、その時の悠木さんの声に圧倒されました。あんなに心が掴まれる歌唱パートは、とても久しぶりでした。
次に、最終話が放送された日が何とも美麗さがあります。なんたって、壇ノ浦の戦いが勃発した3月24日なんですから。その事について言及している方々(TwitterでFFで繋がっている)が多かった印象があります。私自身、その日にリアタイをして視聴しましたが、本当に良い体験をしました。
OPの「光るとき」も良い曲で、全体を見て完成度の高かった作品です!これは、私自身が語り継いでいかないといけないストーリーです。