センカン

うたわれるもの 二人の白皇のセンカンのレビュー・感想・評価

うたわれるもの 二人の白皇(2022年製作のアニメ)
3.8
啓治さんに哀悼を。

ゲームクリア勢です。偽りの仮面に比べてストーリーの厚みがエグくて、コレアニメ化無理だろって思いながらも期待してた頃が懐かしいです。一回延期して今回に至った気がします。なので念願のアニメ化でしたね。
上記のような理由で26話でどう纏めるか論争があったのですが、まさかの28話構成。なるほどそれは正しい判断です笑。
そうですよね。別に既存のクール枠に収めなきゃいけないなんて今どき古い考え方なのかも。配信とかそこら辺自由な時代ですし。そういう意味では良い時代にアニメ化に至れたのかも。放送枠的にはラストを1時間にしてなんとか収めていました。

肝心の内容ですが、ゲームのアニメ化って難しいなと思う点がチラホラ。終盤の怒涛の展開の波が、少し淡白な表現になってる気はします。プロット通り描きましたよ感。マスゲーの戦闘含めて楽しんでたゲームと違って冗長なストーリーになってしまったかなーという印象です。あくまで既にプレイしてる人間の感想なので、シナリオ初見の方が喜んでくれてたら嬉しいのですけど。

アクションの多い作品としては映像ももう少し頑張って欲しかったですね。何が悪いってわけじゃないのですが、ここぞ魅せ場!っていう絵が無くて、緩いまま進んでしまった感じです。

音周りに関しては良かったです。OPEDは初代から続くSuaraさんの透き通る楽曲で、安心感ありました。
何より主人公ハクを演じていた藤原啓治さんが亡くなった事で、代役となったオシュトル役の利根健太郎さん。またこの役どころが熱くて、亡きオシュトルの代わりを演じるハクを利根健さんがやるってのがファンにとっては涙なしには観れない感動。利根健さんとしては元々オシュトルだったのに、オシュトルを演じるハクを演じるって言うなんとも難しい役どころ。
そして、この藤原さんハクの利根さんの演技が素晴らしくて、たまにくるハク状態での声がガチで啓治さんに聞こえるシーンが多々ありました。啓治さんの語尾で少し高くなる声の残し方とか、軽薄そうなハクの声色を見事に再現していて、これがまた偽りの仮面で演じていたウコンの快活な感じとも違う声に仕上げているんですよね。この声の使い分け上手すぎます。
もちろん他キャラの豪勢な声優陣も仕事も見事でした。種ちゃんのクオン2役とかもカッコいい。

そんなこんなで、ちょっとアニメ化としては惜しい感じでしたが、やれる限りの事はしてくれたって感じでファンとしては及第点って感じ。
色んな媒体の展開ありますが、うたわれという素晴らしい世界観をコレからも大事にしていって欲しいです。

点数内訳
世界観:4
ストーリー:3.5
キャラ:3.5
音:5
映像:3
スコア:3.8
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