とある寂れた村で三蔵は、大河という少年に石を投げつけられる。非礼を詫びる姉の話によれば、弟は寺の僧侶に対して何か勘違いをしているのだと言う。寺を訪れると、そこでは和尚が妖怪から村人を守ることで多額のお布施を受けていたのだった。
白竜も通れない山道を歩く三蔵一行。ひとり疲れたと煙草をふかす悟浄の目の前には巨大な熊が!思わず逃げだす悟浄。三蔵、八戒がそれに続くが、事情の飲み込めない悟空は、唸りをあげて追いかけてくる巨大熊に大慌てで・・・。
三蔵一行は一年前から妖怪が住みつき、舟が出せなくなった大きな川に差しかかる。一行は渡し守から舟を買い取り、川の向こう岸から来て帰れなくなった少年・坤も乗せ、強引に舟を出すが、襲いかかる妖怪たちによって悟空らは川に落ちてしまう・・・。
川岸に流れ着いた三蔵、悟浄、八戒は紅孩児を探す独角ジと八百鼡に出会う。そこに玉面公主の命を受けた雀呂が現れ三蔵たちに襲いかかる。その頃、坤の家族や村人たちを守るため、悟空はひとりで大勢の妖怪たちの前に立ちふさがる。
血も涙もない殺戮マシーンになってしまった紅孩児。今までの彼とは段違いの強さに完膚なきまでに叩きのめされてしまう悟空。それを何とか助けようとする坤が村人たちと口論している間に、妹の凛が洞窟に入り込んだ妖怪に捕らえられてしまう。
倒れた悟空に代わり、紅孩児の前に立った三蔵、悟浄、八戒。紅孩児は独角ジの制止も無視して三蔵たちに向かっていくが、逆に追い詰められてしまう。為す術なく立ち尽くす独角ジを「迷いのある奴はすっこんでろ」と三蔵が怒鳴りつけるのだが…。
村に一軒しかない安宿に泊まる事になった三蔵一行は、退屈しのぎに宿屋の親父から借りた双六を始める。だが、それは呪われた双六だった。賽を振るとコマが勝手に動き、止まった所でそのコマが喋った言葉が現実のものとなるのだ。
街で悟浄は紅玉という女性に声を掛けられた。彼女は悟浄と同じ真紅の髪と瞳を持つ「禁忌の子」だった。しかし紅玉は妖怪・爆羅の恋人で、悟浄に近付いて殺すよう命令されていたのだ。悟浄を誘い出した紅玉は仲間の妖怪に襲わせようとするが・・・。
ビリになったら焼肉をおごる、そう賭けをして山越えを始めた一行。だが、目的地の頂上になかなか三蔵は姿を現さない。その頃、一人で山道を歩いていた三蔵は突如現れた李厘に襲われ崖下に転落してしまう。
一行は吹雪に見舞われた所を妖怪・耶雲に助けられる。耶雲は親が暴走してしまった妖怪の孤児たちを集め、雪深い山奥で暮らしているのだった。だが、近くの村の者は耶雲たちを山から追い出そうと住処を襲ってくる。
だらしのない三蔵一行をいつも影で支える八戒。しかしついに堪忍袋の尾が切れて家出してしまう。残された三人は、あいつがいなくても平気だと強がるものの、気づくと身の回りはゴミの山、料理も満足にできない始末。とりあえず食事をするために中華料理屋へ行くが…。
さびれた町にやって来た一行。そこで三蔵は突然姿を消してしまう。三蔵を探す三人は、人形が無数に並ぶ不気味な館に辿り着く。館に入ろうとすると入口からしゃべる人形・朱童が現れ、周囲の人形たちが一斉に襲いかかってきた。
旅の途中の一行を、突如村人たちが襲う。ひとまず白竜でその場を離れ、村に着いた三蔵たちは、そこで異国の出で立ちをしたヘイゼルとガトという名の二人組みに出会った。その夜、一行は妖怪たちに襲われるが、そこへ現れたヘイゼルとガトが次々と妖怪を倒していく。
ヘイゼルの力により死んだはずの家族が生き返ったと喜ぶ村人たち。三蔵たちの泊まる宿の娘も父親を生き返らせてもらい、心から感謝しているという。だが、三蔵一行が村を出ようとした時、父親をはじめとする村人たちが襲いかかってきて…。
とある町を目前にした一行は、一人の女性に襲われる。彼女の名は史華。結婚式当日に妖怪に襲われ、愛する男性を殺されてしまった不幸な花嫁だった。復讐を願う史華は、一行に夫の仇を討って欲しいと頼む。
昇霊銃を持ち出し、仇の妖怪に戦いを挑むが力及ばず殺されてしまう史華。だがそこに現れたヘイゼルによって蘇る。翌朝、三蔵たちは史華の瞳の色が変化していることに気づき、事件の一部始終を知る。複雑な心境のまま宿を後にする一行の前に再び妖怪たちが現れ―。
「最近仲間が何者かに殺されている」という知らせを受けた紅孩児たちは、ある村で妖怪たちを倒し続けていたヘイゼルとガトに遭遇する。「なぜ妖怪を殺す!」紅孩児の問いに答える代わりに銃を突きつけるガト。エスカレートする戦いの中、独角ジはガトに撃たれてしまい―。
ダメージを受けてもすぐに回復してしまうヘイゼルとガトのコンビネーションに苦戦する紅孩児。両者の攻防が続く中、紅孩児と八百鼡の連続攻撃で瓦礫の下敷きになるガト。しかし、ヘイゼルの攻撃を受けた八百鼡に駆け寄った紅孩児は、起きあがったガトに胸を打ち抜かれる。
拒絶しても涼しい顔で近づいてくるヘイゼルに悟空たちの苛立ちは募る一方。そこへ何も知らない李厘がやって来る。悟空たちは妖怪である李厘の身を案ずるが、なぜかヘイゼルは彼女と打ち解けてしまう。
先を進む三蔵一行は、李厘がロープで縛り吊るされている所を発見する。何事かと驚いていると、そこにヘイゼルが現れ「李厘がいきなり暴走した、そこに転がっている村人と妖怪の死体が何よりの証拠だ」と告げる。
悟空、悟浄、八戒とケンカ別れした三蔵に妖怪が襲い掛かる。そこへヘイゼルの命令を受けたガトが加勢する。ケガを負った三蔵は、ヘイゼルたちから手当を受ける。三蔵と二人きりになったガトは、自分たちの一族に起こった悲劇とヘイゼルとの出会いについて語り始める。
三蔵と決別した悟空たち三人は、次々襲ってくる妖怪にうんざり。しかも「三蔵一行」とひとくくりにされることに憤慨していた。一方、ひとり山道を進む三蔵の前に見覚えのある男が現れる。それは幻術を操る妖怪、雀呂だった。
ヘイゼルは雀呂と手を組み、三蔵を異空間に閉じ込めた。昇霊銃を封じられ、外からはガトの銃が狙いを定めるという絶体絶命の危機の中、三蔵は一つの活路を見出す。プライドの高い雀呂はヘイゼルの手下であるかのような扱いに不満を持っていたのだ。
三蔵を撃ち抜いた弾丸。それを合図とするかのように、ついに最終決戦が始まる。ヘイゼルを庇い続けながらもガトの銃撃は正確に悟空たちを狙う。ガトの闘いぶりに戸惑う一行。闘いが激しさを増す中、形勢不利と考えたヘイゼルはとある秘策を打つ。
その身が朽ち果てるまでヘイゼルを守り抜く。精霊に導かれヘイゼルの元に来たその瞬間から、ガトの信念は少しも変わっていなかった。致命傷を負ったガトは、全てを三蔵に託し絶命する。ヘイゼルはかけがえのないものを失った痛みに、狂ったように叫び声を上げる。
今まで蘇らせてきた死人たちの魂が、ヘイゼルのペンダントに集まり始める。みるみる傷が修復されるが、同時に身体は人外のものへと変化し、自我が失われ始めた。薄れゆく意識の中でヘイゼルは絞り出すように叫んだ。「うちを殺してや!」その叫びに三蔵は・・・。
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"三蔵はん、うちを殺してーや。頼むわ。"
🎞️story&information🎞️
玉面公主により三蔵一行の抹殺命令が紅孩児に下される。
三蔵たちは牛魔王蘇生実験…
©峰倉かずや/一迅社,テレビ東京,電通,ぴえろ 2004