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時は大正。 遠野麻子は強気な性格が災いし、行き遅れた子爵令嬢。 親からも冷遇され、妹のひろ子さえ幸せなら…と願う日々だった。 しかし、最愛の妹に冷酷と噂の陸軍大尉・木戸慎太郎との縁談が来てしまう。 麻子は身代わりに嫁ぐことを慎太郎に提案するが――「妹の代わりに俺の子を産んでもらおうか」と迫られて…
子をもうけるためだけという理由を隠し、麻子は慎太郎とともに両親に結婚の許しを求める。 体よく厄介払いできるとあって父母は大歓迎。 父は婚礼衣装も仕立てると言いだし、麻子は戸惑いつつもうれしく思う。 ひろ子から大切なかんざしを譲り受け、いよいよ祝言当日。 ところが、ハレの日に似つかわしくない悪意に満ちた事件が…
勘当同然で始まった、謎めいて恐ろしい男との新婚生活。 麻子はなれない料理で早々に大失敗をしてしまう。 だが慎太郎はこげたご飯を責めることなく食べきる。 さらに麻子をデパートに連れ出して…「妻に見合うものを見繕ってくれ」慎太郎に妻と呼ばれ、ときめく麻子。 洋装でのお出かけを楽しむ二人に、薄笑いを浮かべて声をかけてきたのは…
ひろ子の急な来訪を心から歓迎する麻子。 慎太郎と三人、カフェで幼い頃のように楽しい時を過ごす。 しかし、二人が親密そうにしている場面を目撃してしまい…! 妹の代わりに子供を産むため結婚したとわかっていながら、胸には言いようのない思いが溢れて… 「子種をいただけますか?」麻子は思い切った言葉を慎太郎に投げかける――
麻子と慎太郎は新婚旅行で熱海に。 しかし偶然居合わせた慎太郎の同輩・佐々木が軍幹部との宴席への参加を求めてくる。 言葉を飲み込み、妻として笑顔で送り出すが、宿に戻ってきた彼の身体からおしろいの匂いを感じて…! あふれる思い…それはまごうことなき、初めての嫉妬だった。 押し倒し真っ直ぐぶつけた思いに慎太郎は――「存分にほしがれ。俺はお前の男だ」
熱海の宴席での一件を耳にし激高した義父・伊三郎に呼び出され、麻子は初めて木戸家を訪れる。 父と息子の二十年に渡る不和は麻子にも飛び火し、伊三郎は未だ孕まぬ嫁をこき下ろす。 罵詈雑言に耐える麻子だったが、その言が慎太郎に及ぶと思わず言い返してしまい…! 次第に深まる夫婦のきずな…妻を守るため、慎太郎は――!!
慎太郎の実家と決裂し、落ち込む麻子のもとに来た思いがけない客。 慎太郎の乳母を名乗るウメはある土産をたずさえ、麻子たちの新居を訪れたのだった。 そしてウメは木戸父子の長年に渡る確執を口にする。 幼い彼の姿を知り、幾度となく抱かれた腕の温かさに思いは膨らんでいく。 すこしずつ明らかになる慎太郎の胸のうち――そして麻子はついにある秘密を知って…!
慎太郎が語る過去…青天の霹靂の内容に麻子は狼狽する。 心と体に深い傷を負って戦地から帰ってきた慎太郎と麻子、それは偶然であり運命の出会いだった。 麻子が身代わりを申し出たあの日よりも、さらに前の交わり。 すべての運命、思いがつまびらかになった時、偽りの夫婦は真の絆を手にし、熱く奥深くまで肌を重ねる。 軍人旦那様と不遇の令嬢の偽り婚が手にする未来は――
子爵家の令嬢でありながら、行き遅れとして親からも厄介者扱いされる麻子。誰からも愛されるも身体の弱いひろ子の幸せだけを生き甲斐にしていたが、冷酷で荒々しいと言われる軍人の木戸大尉とひろ子が婚約する話が…
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