明宏

キャシアン・アンドーの明宏のレビュー・感想・評価

キャシアン・アンドー(2022年製作のドラマ)
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とにかくまずビジュアルへのこだわりがすごかった。あんな風に栄えていたコルサントがすっかりディストピアとして写されているこの撮り方、アイデアが最高。
衣装も面白かった。和洋他いろんな服の要素が混ざっているんだけど、ぎりぎりのところで現実のものとは違うと思わせる工夫があるのが良い。

振り返ると、アンドーが街を離れるまでの3話、帝国からの強盗で3話、刑務所からの脱獄で3話、最後の1話で登場人物全員集合&反乱の始まりという、かなりわかりやすい構成で、それぞれのエピソードが抵抗の物語としてバリエーションを持っていてなおかつ、3話目で必ずぶち上げシーンがくる。
だから人によっては中間の2話目が結構スカされたように感じる人もいるのかもだけど、抑圧を感じる場面をじっくり描いておきたいという意図もわかるし効果も出てると思った。自分は毎話すごく楽しみました。

SWらしくないSWというところが面白い作品ながら、その中でSW装置が活躍するとすごく嬉しくなるというお得なコンセプト。
あと、モンモンスマやルーセンと言った反乱側の人物たちの二重生活っぷりがジョン・ル・カレのスパイ小説っぽくて熱い。全てを捨てるつもりで平静を装って生活する人ら。この緊張感がぐっとサスペンスの面白さを演出している。
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