ルビー婆さん

メイドの手帖のルビー婆さんのネタバレレビュー・内容・結末

メイドの手帖(2021年製作のドラマ)
4.8

このレビューはネタバレを含みます

実話を元にしたフィクション。

自叙伝『MAID』
ステファニー・ランド
『メイドの手帖 最低賃金でトイレを掃除し「書くこと」で自らを救ったシングルマザーの物語』

後で知ったけど、アレックス役のマーガレット・クアリーとポーラ役のアンディ・マクダウェルは、母娘の役を演じて、実生活もそうだとのこと。
演じていて照れ臭く感じることないのかなぁ笑


努力して切り開く能力を発揮して幸せを掴むように。
後ろ髪引かれず、事実を受け止め逆戻りしないように。

このドラマ、イメージしてたよりも見がいがあった。
それぞれの登場人物にマイナス面はあるのに魅力的。
悪いところがあるにも関わらず、この人にも良い面はあると発見できるから。

生まれてからずっと悪いわけじゃないし、悪いだけでいきてるわけじゃない。
誰もがいつも幸せというわけではなく、良い時も悪い時もある。
そういう不平等感を持たせない構成が、逆に幸せ感を呼び起こすのかもしれない。

DV、虐待、シングルマザー、貧困、アルコール依存…悪循環な環境。親から子へ、親から子へ…
問題は多々あるけど、ものすごーく深刻そうに見えない感じの演出もあるけど、必死感は伝わる。
それぞれの心理は、客観視すればよく見えてくる。
もし、自分だったらどうするだろうか?

知性、情報収集能力は生きる上で高いに越したこたはないなと思う。お金も必要。

全て自分で稼ぎ生きていく力、自立が必要。

アレックスはそれがなかったため、一進一退。

ショーンは酔ってない時は、悪くないんだよ。
なかなかいい男なんだよなぁ。イケメンで魅力的だしなぁ。付き合ってるうちはいいんだろうなぁ。楽しくて。
遠慮がなくなり、酔ってくるとダメになる。
子供の頃の虐待が影響しているようだ。
9歳からお酒を飲んでた…ってのは、普通じゃない。

こういう暴力まではいかない、精神的DVになると、なかなか自分は被害に遭ってるのだって判断しにくそう。
それにいい時と悪い時があって、過去のいい思い出もあるから、グラグラ気持ちが揺れそうにもなりそうだ。

アレックスはなんとか自分の力で頑張ろうとする。

人にもっと頼ればいいのにーと思うけど、周りの人は頼って大丈夫なんだろうか?という人が多いし、なかなか難しそう。

とりあえず、頼らず自分でなんとか頑張ってやっていこうという努力姿勢に好感が持てる。だけど、イライラもする。

結局、努力は報われず、自分に好意を寄せてくれている優しい男性ネイトに頼りになってしまう。
でも、やっぱり中途半端でダメ。

当人じゃないとわからないこと、親でもわからないこと。
どちらが悪いかと言うよりも、うまく噛み合わなさすぎなところもあると思う。
これはどんな夫婦にでも程度の差はあれ、起こる場合がある。

アレックスが父親にショーンの虐待を見たから証言してほしいというシーンでも父親からすると、単なる倦怠期にしか見えない。ややショーンの事情もわかっているから、ショーン寄りかもしれない。
当人とそうじゃない人との見え方が異なる典型的なシーンだ。
あの時、アレックスは食べる気分じゃないから食べないと言う。
ショーンはせっかく父親から妻の手作り夕食を持ってきてくれたのに食べないのは失礼だから座れと言う。
どっち側から見ても気持ちがわかる。
アレックスは、もうショーンに愛想を尽きてるし、食欲がないのも確かだ。食べれないから横になりたい。
ショーンは、失礼だからとりあえず座って形だけでも整えよう。
気持ちが噛み合わず、自分の意見を強く押し通す。

ショーンが自分で折れたところは良かった。
とにかく、お酒をやめる。そこから。

それにしても、マディ可愛すぎ!