ニック・フューリーが主人公のサスペンスドラマ。MCUのドラマシリーズとしては異色のいわゆるヒーローが出てこないものになっている。
宇宙から帰還したニック・フューリー。「シェイプシフター」なるスクラル人の一派が企む極秘の地球侵略の計画を知る。フューリーは戦友であるスクラル人のタロスとマリア・ヒルらと共に計画を阻止しようとする。
全体的にかなりダークな話になっていて、絶望感が漂う内容になっている。
親友であったとしても、誰も信用できない状況のニック・フューリーがどうやって計画を阻止するか?がドラマの軸になっていて、彼の周りの人間(とスクラル人)とのやり取りが見どころになっている。
MCUの中でも要所要所に登場する彼ではあるが、シリーズ全体としてのニック・フューリーは『キャプテン・マーベル』以外ではあまり語られなかった。その彼の過去が今回明かされることになっている。
『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』では宇宙に身を置いていた彼がなぜ地球に戻ってきたのか、シリーズのポイントポイントで彼は何をしていたか。いわゆるミッシングリンクの部分も今作で語られている。
作品としてはかなりダークなので、盛り上がるも、気持ち的にはかなり落ちてしまう。似たような作品の『ファルコン&ウインター・ソルジャー』があるが、それとは比にならないぐらいの落ち込み。
仲間がいなくなっていくにつれ、なかなか辛い気持ちになっていく。
最終回で語られるものについては、なかなか賛否両論になるものになっていた。
個人的にはあまり納得がいかないものだった。ネタバレになるので、あまり言及はしないが、この結末で終わるのはあまりにも腑に落ちない。
だが、この結末がこの先の作品の大きな振りになっているとなると話が変わってくるのがややこしいところ。
そういう意味でも、なんか消化不良に終わる作品になっていた。
単体の作品としてはあまりおすすめできないが、シリーズファンとしては様々な展開があるので、必見の作品。
ディズニー・プラスで後日配信されるであろう、舞台裏を観て、今作のテーマや語りたかったものが深掘りされることを期待したい。