滝和也

相棒 Season 17の滝和也のレビュー・感想・評価

相棒 Season 17(2018年製作のドラマ)
4.5
警視庁特命係。

人材の墓場と呼ばれた
その名に反し
数々の難事件を解明した
杉下右京とその相棒たち。

冠城渡を迎えたシーズン
第4弾。

「相棒17」

相棒シリーズは全作品見ているのですが、どのシーズンも力作、快作があり、1時間ドラマのクオリティでは最高峰でしょう。圧倒的な脚本の良さと魅力溢れるキャラクターと演者。相棒ワールドに引き込まれます。長年やってますのでやや飽きが来ている部分はあるのかもしれませんが私は大好きです。

シーズン17に関しては1話1話はすべてコメントを入れましたので、そちらを詳しくはご覧ください。このシーズンで印象に残ったのは…まず特命係が前シリーズラストを反映して浅利陽介演ずる青木年男を加えた三人でスタートした事でしょうか。この部分は脚本家が持て余した感が強く、中盤で早々に解除されてます。要は通常のサイバー課でも変わらなかったと言うことなんですね。また青木のキャラクターがやや定まらず、彼が卒業まで何を目的にしていたか、その存在位置が不安定で、もで余された感がありますからね…。鑑識米澤さんの代わりの位置でしたが、その人気度、愛され方は代わりにならずでしたから。

今シーズンで二代目花の里女将月本幸子さん、演ずるは鈴木杏樹さんの卒業も印象深い。相棒ワールドの癒やしであり、コメディエンヌとしても一流でしたからね。寂しいかぎりです。

他…オカルトやホラー、SF的な要素を組み込んだミステリーサスペンスがちょくちょく入るのはロングシリーズの冒険できる安定度からでしょうか。最終回はその極地。大胆不敵な展開でした。

また暇課長との対立が起こる「バクハン」。最も右京と長く一緒にいる角田課長が右京の正義と真正面からぶつかる回で興味深く、山西惇さんの名演回でした。その他何シーズンかに一回ある捜査一課伊丹主演回、水谷豊さんの盟友である片桐竜次さん演じる内村部長主演回と男気溢れる相棒ワールドの住人たちが目立ったシーズンなのかもしれません。

4シーズン目に入った反町隆史演じる冠城亘は安定以外の何者でもなく、その多面性が魅力なんでしょうね。右京の正義に共感しながらも柔軟で明晰な思考とワイルド(笑)さ。軽口を叩くコメディ性もあり、嘗ての相棒の要素を色々揃えている感じであり、それが個性であり、バランスが良すぎるのが弱点かもしれません。

右京さんは…変わらず(笑)まぁ久々嘗ての圧倒的な違和感を出すバクハン回はあるものの、超弩級の知識と思考力、いついかなる時も揺るがない真実を暴くキャラクターに優しさを加え魅力的この上ない…。

サスペンスミステリーファンとしては映画作品がより高いレベルで作成されることを望みますが、相棒はずっと続いて欲しいと思います。みるドラマがなくってしまうので…。
滝和也

滝和也