映画を観た時点の感想は「こいつ主人公に物語できることある？」だったのだけど、しっかりと面白いエンタメに仕上がっていてすごい。
映画は実はそこまでハマらなかったのだが、今作はとても楽しめた。気楽に肩の力をぬいて観ることができる配信ドラマの形態の方が作風にあっているのかもしれない。
無自覚な有害な男性性をもつキャラクターであるピースメイカーを主人公に、そのような有害さがどのような生育歴、どのような環境、どのような思考の流れによって、どのように発生し、そしてそれがいかに”当たり前”のことであることを描く本作は、正当な”ポリコレ”エンターテイメントである。
『ザ・ボーイズ』のホームランダーとも共通するテーマだが、どちらも思わず唸ってしまうほど良くできている（流石に三匹目のどじょうは勘弁して欲しいけど）。
話が噛み合わないギャグが徹底していて、その部分も面白い。あと時々印象に残る美しいカットがある。後半の逃げるシーンとか。
