面白いことには間違いなく、ここまで観てきた人であれば絶対観るべきだ。
その上で完成度の面で今一つだと感じる点が幾つかある。
まず、物語の展開が遅く、ワクワクする真相がなかなか明かされない。そして、その穴埋めとして登場人物たちをあの手この手で痛めつけることで物語の緊張感を持続させようとしている。いじめや拷問、濡れ衣など、物語的必然性がないとは言わないが正直過剰に感じた。そしてそれだけの苦痛を耐えた末に得られるカタルシスもまた、今シーズンは十分とは言い難い。お馴染みの収束していく群像劇ではあるのだが、シーズンが進み登場人物が増えたことや地理的なスケールが拡大したことによって、収束感が悪く、また登場人物たちの見せ場を均等に作ることに失敗している。特にマイクやウィルの見せ場が皆無な点は今シーズンの大きな欠点だろう。
また今まで神話的恐怖であった部分にスケールの小さな理由付けを行ってしまったため少なくとも神話的恐怖は薄れてしまった。話としては方向性が見えやすくなったとも言えるため、善し悪しではあるとは思うが、その辺の評価はおそらく最終となる次シーズンが待たれる。
