うっちー

ホームタウンのうっちーのレビュー・感想・評価

ホームタウン(2021年製作のドラマ)
3.5
 ユ・ジェミョン、ハン・イェリ、そしてオム・テグという、地味めだが大好きかつ、存在感も演技力も抜群な俳優が揃ったサスペンス&ホラードラマ。

 過去に起きたカルト宗教団体によるテロ事件を軸に、囚われた団体の重要人物(最初からグルとは明かさないけど、わかるやん)、ギョンホ(オム・テグ)、その妹でギョンホの娘を育てているジョンヒョン(ハン・イェリ)、妻を亡くし、テロ宗教団体に恨みをもつヒョンイン(ジェミョン)を中心に、90年代の現在と80年代の過去、さらにもっと過去などを錯綜させながら進む複雑極まりない展開。ギョンホとジョンヒョン兄妹の過去の秘密は? ヒョンインと妻(『はちどり』のヨンジ先生こと、キム・セビョクが演じている)の間に何があったのか、この妻と父親(政治家で、宗教団体を利用してる)の関係、さらにギョンホたちの父親って結局? など、たくさんの疑問を空中に浮かばせたままで終わる凄い結末。伏線張りすぎて、回収できないのか、しないことをよしとするのか。。。なかなか斬新だとは思う(ヒニク)。

 しかし、ジェミョン氏が痛ぶられたり、いたぶったりするさまをゆっくり堪能できるし、なにしろオム・テグの不気味で美しい低音ボイスと独特の無表情をたっぷり楽しめるから満足。この人が醸し出すシリアスで緊迫感あふれるムードはピカイチ。『タクシー運転手』のあの若い軍人役以来、常に注目している。そんな彼の魅力を活用できていた、というふうには思う。

 どうしても日本のオウムを彷彿とさせるエピソードで、ネタにされてるのかとちょっと嫌悪感あったけど、後半信者の背景をちゃんとフォローしてたのは良かったと思う。に、しても、暗くて長い。
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