トケグチアワユキ

拾われた男のトケグチアワユキのレビュー・感想・評価

拾われた男(2022年製作のドラマ)
4.5
完走後 追いレビュー (2022. 09. 27.)

とりあえず、好評に付き地上波再放送はめでたい。

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家族のストーリーになるのはぜんぜん悪くないんだけど、ストーリーがアメリカに振れ過ぎかなぁ。
正直なこと言うと、最後飽きちゃったなぁ。
原作モノだし、読んでないので、あんまりここをとやかく言っても説得力ないけど、後半はタケシ(草彅剛)が主役だったよね。
ていうか、スペシウム光線が主役か。ヴウィィィィン。あまりにも誰もが光線発射するからイラッとした。

私のように家族への思いの薄い人間には、このドロッと濃い家族関係は引くっていうかウザく感じる。
現実として、そんなに家族って関わり合ってるもんなのかね?
まあ、たとえば何らかの外的要因で関わり合いを断たれるとかなら、そういう思いが募るのもわからないじゃないけど、あんな父親のもとに構築されてる家族(太巻)関係なんて、一度離れてしまえば、私だったら電話にも出ないけどねぇ。
だから家族関係がドライブし始めたタケシの病気以降、ちょっとストーリーに興味が持てなくなっちゃった。

ただ、まあさすがのプロデュースパワーだったのは初回から揺るぎなかった。
純粋な制作費の問題じゃなく、制作の後ろ盾となる会社の余裕っていうのかな。
および腰だったり出し渋ってハンパなもん作るくらいだったら、この部分は赤字でもいいからキチンと金かけようみたいなハラのすわった潔さが、画面を貧相にしないっていうか。
いまはこれができるドラマが少ないから、ヘンなところがノイズ(解像度の低さ)になって気が散ることが多いんだけど、これは集中できたね。
後半はセットと衣装と音楽ばっかり観てたな。
特に居住空間の組み立てと外ロケのエキストラや車の動きなんかのコントロールのうまさ。
こういうところに人を割く余裕って、もう日本にはできるところがないと思ってたけど、NHKと外資の共同制作は最強だった。
画面が息づいてるんだよ。

それと最後までキャスティングはほぼパーフェクトだったんじゃないかな。
英語の演技に関しては自信ないけど、少なくとも日本の部分に関しては、伊藤沙莉のパンチはもちろんのこと、(珍しく)ねじユルユルな松本穂香やまつ毛でバチコンかます佐藤めぐみなどなど、見どころ満載だった。
田辺桃子、片山友希のとそのお母さん役の高田聖子などなど、きっちり存在感を残す俳優だらけで満腹感ハンパない。
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すげぇキャスティング。
端役に至るまで妥協がない。
有村架純をあんな使い方するなんて!!
岸井ゆきのがパーマ要員やぞ!!
もしかすると、ウォーキングするだけのモデルの卵役だって、見る人が見たら、エェェェ!!かも知れない。

マジで、おもしろい作品を生み出すための頭脳とカラダを兼ね備えた俳優しかいない。

カネ持ってるし、プロデュース陣の優秀さがすごくよくわかる。
こんなゲスな言い方どうかと思うけど、外資すげぇな。
カネをかけると、ここまでのことが簡単に実現できる人材が揃うし、時間が作れる。
単純にアシスタントをすべてのセクションでひとりずつ増やせれば、そして金額のせいで諦める案件が各セクションでひとつずつ減れば、クオリティは10倍にも20倍にもなるというのを目の当たりにした気分。
部屋の汚し方にカネがかかってるってわかってほしい。
第1話、第2話だけで圧倒的。

スコアは完走後に。
レビューももちろん追加する。