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暴太郎戦隊ドンブラザーズのdxdxdのレビュー・感想・評価

暴太郎戦隊ドンブラザーズ(2022年製作のドラマ)
4.7
ついに終わってしまった!
「何かゼイリブみたいだ!神輿だ!」とはしゃいでいたのが1年前か懐かしい…。
妖怪縁結びのドンモモタロウ、無職の風流人サルブラザー、盗作疑惑をかけられたJKオニシスター、逃亡犯のイヌブラザー、
奥さんを守るためなら手段もいとわないキジブラザー。
誰一人まともな奴がいない。
キラメイがおふざけが出来る優等生なら、ゼンカイは底抜けのバカ、ドンブラは関わったらヤバい狂人。

井上敏樹自体、戦隊やライダーのお約束を壊してきたけど、それの究極形かもしれない。
一番はヒーローだって暴力的で狡猾な部分があるし、敵組織にも正義がある。
雉野に関してはGロッソ入れたら4回ヒトツ鬼になっているわけで、犬塚を警察に売り飛ばしているし。
次の週で「犬塚さんの懸賞金で高級レストランに来ているんですよ。一緒にどうですか?」ってサイコパスだよ。
単純な悪と正義の二元論でなく、違う思想を持った人間や組織がぐちゃぐちゃになって、一つになったように見えた

特に劇中繰り返し言われる「縁」という概念が絶妙だと思う。
チームヒーローモノで「絆」や各所で使われるけど元々は動物を繋ぎとめる綱だった説があり、「絆」ってどこか思想の統一や息苦しさをはらむ。
それに対して「縁」はたまたまその時間、その場所にいたものがゆるやかに連帯する。
「ドンブラザーズ」公式ブログでも「ドラマチックな出会いなんてそこにはなく
運命とか、絆とか、友情とか。そんなに褒められたものでもない。でも、心からの出会いでなくても運命じゃなくても、宿命じゃなくても
初めは心の端っこだったとしても、触れ合ったらもう「縁」なのです。」と記されているがまさにその通りだと思う。
だから、5人素顔で対面するのに40話ぐらいかかっているし、女性問題でぎくしゃくしてもきっちりチーププレイが出来ている。
奇妙な繋がりの力を本作を通じて感じた。

スーパー戦隊シリーズが継承と破壊を繰り返して、また心に爪痕を残すものになることを切に願っている。
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