あらなみ

らんまんのあらなみのネタバレレビュー・内容・結末

らんまん(2023年製作のドラマ)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

とっても王道な素敵な朝ドラを見させてもらったなーっていう感想。
カムカムから朝ドラに本格的に入って、本当によくて、ちむは消し去りたいほど酷くて、舞いあがれは最初と最後よかったのに、航空学校編どうした? って感じで。
他の作品と比べるのは失礼だろうけれど、でも、ずーーーーーーーっと安定していて、安心して見ることができたって言ったらおかしな感想なのかな。

草花が好きでしかない万太郎が、土佐を飛び出して、東大の出入りを経て、練馬にたどり着いて、日本史に残る植物図鑑を作り上げるまで、というのが、大筋なんだけれど、幕末から明治という歴史の転換点にあった実家の酒蔵のこと、明治の日本という学問が発展途上な実情、一つのことを突き詰めていくことの難しさを滔々と表現する作品だったなと思う。

万太郎や万太郎の妻、寿恵子ももちろん素敵なんだけれど、お酒造りが大好きでちっちゃい頃から魅せられてきた義姉の綾とか、万太郎と綾のそばにいた竹雄とか、万太郎が東大や新橋の長屋で出会ってきた面々とかもみんなすごく素敵で愛おしいのよね。

第一部終了回の、万太郎の祖母・タキが、夫婦になった竹雄と綾に槙野本家の酒蔵を継がせると宣言した回も神回だったなー。
広末さんのお母さん役も素敵だったし、満開の桜の下で、重たい荷物を下ろしてふわっと笑うタキにボロボロに泣いたし、今も思い出すだけで泣いてしまう。

万太郎の、帝国大学との対立とかも見ていて辛かったな。
特に、スキャンダルのせいで大学から去った田邊教授も好きだったのよね。

それと、金策に明け暮れて、覚えるくらいに大事にしていた南総里見八犬伝を手放しちゃう寿恵子ちゃんもしんどかった。
なんで、お金ないのに子供いっぱい作るのよ、って若干思ってしまったよ。

そういえば、寿恵子役の浜辺美波さん。
自分は他の作品だと、映画「屍人荘の殺人」しか見たことなかったんだけれど、この時、めちゃくちゃに滑舌悪くて、この子、可愛いんだけどなーくらいの印象しかなかったから、朝ドラに出るって聞いた時すごいびっくりしたんだよね。
朝から滑舌の悪い子がヒロイン? かぁって。
だと思ってみたら、別人か? ってくらいに滑舌がむちゃくちゃ良くなってて、たった4年でこんなに人変わる????? って感動してしまったよ。
講談っぽい喋り方もできるようになってて。
人って成長するんだね……。

最終週、宮崎あおいさんがずっとナレーションだった理由がわかったのもすごく鮮やかで素敵だったなぁ!
まさかの万太郎の後年の娘役にタキ役だった松坂慶子さんが当てられててそこも感動してしまった。

朝ドラ最終回あるあるの、全員集合も、すごく納得のできる形で、最終週にみんなで植物図鑑を作るからって、もう構成が神なのよ。
みんなの力が借りたくて、手紙を出して、みんな来てくれるってすごいのよ。
しかも、最終回の前の回で、槙野家以外を集めて、最終回は、槙野家のみんなってこんなん泣いちゃう。
出来上がった植物図鑑の前書きにならぶ、一人一人の名前はちゃんと顔が思い出せるのよ。
こんなにくい脚本と演出ある????????
ボロボロに泣きすぎて、全然朝の支度進まなかった。

新種として加えた、「すえこざさ」に、万太郎の寿恵子への想いが全部全部詰め込まれてて、それをちゃんと受け取った寿恵子ちゃんも最高だった。

こんなん泣くわ。

みんな好きだけど、個人的には、竹雄と、虎徹くんと、間宮さんがすごく好き。
虎徹くん、あんなちっちゃかったのに、こんなイケメンになって再登場するとは思わんのよ。
あらなみ

あらなみ