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ジ・オファー/ゴッドファーザーに賭けた男のHKのレビュー・感想・評価

3.6
『ゴッドファーザー』シリーズは大好きで、Ⅰ~ⅢのLD・DVDの他にコッポラ自身がⅠとⅡを足して約50分の追加シーンを加え時系列に編集し直したTV用完全版(ゴッドファーザー・サガ:約420分)LD-BOXも持ってます(もはや再生不可ですが)。
本作は数年前に製作が始まった頃から気になっており、ようやくU-NEXTで全10話を2話ずつ5日かけて鑑賞。

勝手にもう少し生臭いリアルな世界が描かれると思っていたんですが、思ったよりもコメディ寄りで軽いノリのエンタメ作品でした。

昔はいろんな映画雑誌を読んでいたので『ゴッドファーザー』の舞台裏や、作品とは直接関係ない周辺ネタも含め、多くの知っているエピソードが映像化されていて楽しめましたが、かなり面白可笑しく盛っている感もあり、どこまでが本当か疑わしい分リアリティを損ねている気もします。

実在の人物ばかりなので、ソックリさんたちによるモノマネ大会といった風情もあり、正直言うと誇張気味の各キャラの演技が少々安っぽく感じられる部分も。
しかし、コッポラやプーゾは本当にあんなにお茶目だったんでしょうか。
マーロン・ブランドが野良猫を拾ってきて本番中も手放さないのに、コッポラ初め誰も文句を言えないところなんかは笑えました。

主人公のプロデユーサーを比較的飄々と演じるのはマイルズ・テラー。
誰だっけと思ったら『セッション』の主役! こんなに顔が長かったっけ。
『トップガン/マーヴェリック』にも出てたそうですが、言われてみれば見たような。
コッポラ役にどうも見覚えがあると思ったら『ファンタスティック・ビースト』シリーズのマグルのおじさん(ダン・フォグラー)ですね。

『ある愛の詩』『ローズマリーの赤ちゃん』『チャイナタウン』『ペーパー・ムーン』『ゲッタウェイ』『ロンゲスト・ヤード』『キャバレー』『ペンチャーワゴン』『脱出』などなど同時期の他の映画の話もいろいろと出てきて楽しめました。

当時マフィアが映画に全面協力し出した際は、銃の持ち方ひとつから徹底指導してくれたという記事も昔読んだので、できればその辺の描写も欲しかった気がします。
依頼されて楽譜を書いて送っただけとはいえ、『ゴッドファーザー』の魅力の一端を担った音楽のニーノ・ロータもチラリと登場させてほしかったですね。
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