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淋しいのはお前だけじゃないのHKのレビュー・感想・評価

淋しいのはお前だけじゃない(1982年製作のドラマ)
3.8
市川森一の代表作とも言われるオリジナル脚本ドラマ全13話を正月休みに一気に鑑賞。
TV放送当時に断片的には見た記憶があるものの、もはや初めて観るも同然でした。
なるほど面白い! 上手い! ラストが切ない!
第1回 向田邦子賞、第15回テレビ大賞、ギャラクシー賞受賞、後に舞台化もされてます。

冴えないサラ金(←死語?)の取り立て屋(西田敏行)が、借金を踏み倒した客たちと一緒になぜか旅回りの芝居の一座を結成することに・・・
サラ金と大衆演劇という風変わりな組合せ。
7話のみなぜか欠番、8話で冒頭に7話のダイジェストが静止画で流れます。

詐欺師まがいで子悪党の取り立て屋に西田敏行、そのおどおどした妻に泉ピン子。
一座の女座長に木の実ナナ、その駆け落ち相手の役者にTV初出演の梅沢富男(女形の色っぽさは今とはほぼ別人)。
一座に加わるド素人の借金メンバーは萬田久子、河原崎長一郎、山本亘、潮哲也、矢崎滋。
全話のオープニングは、大衆演劇で有名な「国定忠治」「清水次郎長」など毎回違う一幕が上記レギュラー陣によって演じられるという贅沢な趣向。

出演は他にサラ金の元締めの大物ヤクザに財津一郎、その配下に小野武彦、尾藤イサオ。
他にも原保美、佐々木すみ江、真屋順子、ゲストには北林谷栄、柴俊夫など。
この頃はまだほんの端役の門野卓三も橋爪功もまだ若くて髪の毛フッサフサ。
潮(ライオン丸)や尾藤や北林がいると山田太一の『高原へいらっしゃい』も思い出します。
そういえば『高原に~』には西田敏行も端役で出てましたね。
ちなみに西田を初めて認知したTVドラマは「いごこち満点」で役のあだ名は“便所の下駄”。
これも面白かった。
昨年亡くなった財津一郎のラストのセリフは「ひじょーに、サビシー」でした。合掌。

本作は全編とにかく“芝居”がキーワード。
一座の面々が舞台とは別に大芝居を打つときのBGMは『スティング』のジ・エンターティナー。
主題歌「淋しいのはおまえだけじゃない」の作詞・作曲は小室等、歌は西田敏行。

※オマケ:今や死語と思われる“サラ金”ですが、たしか昔「必殺仕事人」に悪徳両替商の更科屋金兵衛(さらしなやきんべえ)通称“サラキン”と言うのが出て笑った記憶あり。

Filmarksさん、さっそくのジャケ写の掲載ありがとうございました。
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