ねまる

初恋の悪魔のねまるのレビュー・感想・評価

初恋の悪魔(2022年製作のドラマ)
4.1
1話1話セリフが好きなので大切に、大切に見ようと思って、その結果すごく長い期間をかけてしまった。

"初恋"の悪魔、という"刑事"ドラマを、坂元裕二が書く。捜査権は無いとはいえ、みんな刑事ドラマなので、事件が起きて、犯人がいる。
ただし、犯人は誰か、ということではなく、主人公たち自身の物語、事件によってどう感じるかがメイン。

相変わらず、個性豊かなキャラクターたちの中でも群を抜く変わり者、鹿浜鈴之介。
最高の離婚の瑛太、カルテットの高橋一生、大豆田とわ子と3人の元夫の岡田将生が演じてきた、坂元裕二脚本には必ずいる理屈っぽくて面倒くさい奴。
1話の時はそれを林遣都がどう演じるのだろうと疑問だったが、回を追うたび、鹿浜鈴之介が愛おしくて仕方なくなる。

大賀、柄本佑は達者ながら、キャラクターとしての個性は強くないので、林遣都がより目立つ。
キャラクターの名前は馬淵悠日、小鳥琉夏など印象的で、響きが良くて好き。

そして、摘木星砂。何度も連呼したくなる。
つみきせすな。名前をつけたいもん、星砂。
このドラマの特異性を最も表しているキャラクター。松岡茉優だから成立するキャラクター。
二重人格の役が出てくる時、それは大抵ミステリだ。
ミステリの中でこんな役回りで二重人格を用いるなんて。こんな切ない話があるか。

最後に私が好きだった台詞を。

「自分らしく生きていれば、
未来の自分が、自分を守ってくれてありがとうと褒めてくれる。」

未来の自分へ。私は私を否定しないで生きます。
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