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ギレルモ・デル・トロの驚異の部屋のcometのネタバレレビュー・内容・結末

3.0

このレビューはネタバレを含みます

1-1 ロット36
十分面白かったけど、オチはイマイチ。これだけ奥行きのある設定とよく練られたルックなのだから、もう少し続きが観たくなってしまう…というかバランス的に謎解きの余白が多すぎる気がした。クリーチャーの造形はとてもよかったけど、あれを“悪魔”と言われると、うーん…となってしまう(もしかして翻訳の問題?)。3.0

1-2 墓場のネズミ
素晴らしかった。時代設定もプロダクションデザインも抜群。くだらなさを凌駕するやり過ぎ感、モルグの描写やネズミの物量、グロテスクさ、汚さ、閉塞感、主人公の顔力が一丸となって襲ってくる。見事なゾワゾワ。4.5

1-3 解剖
これも傑作。ボディスナッチャーもの。グロさも相当なものだし、怖さもちゃんとしていて唸らされる。F・マーリー・エイブラハムの存在感がリアリティを損なわせない。前半の不気味な雰囲気もよかった。なぜかキングのトミーノッカーズを思い出したり。4.0

1-4 外見
出だしは快調でどう終わるのかワクワクしたが、結局ニューロティックなオチに収束してしまい何とも残念。剥製のくだり、あそこまで酷い目に遭わせなくても…などと思ってしまうのは、あの夫と同族(同性)である自分の無神経さの現れに過ぎないのだろうか。気をつけたい… 「ステップフォードの妻たち」「ファーゴ」「地獄の貴婦人」「ザ・スタッフ(ラリー・コーエン)」などがチラついた。 3.0

1-5 ピックマンのモデル
2度寝落ちして3回目でようやく最後まで観ることができた。ラヴクラフト原作。もったいぶった筋運びが眠気を誘うのか。クリスピン・グローヴァーを久し振りに見た。ラストのグロさなど頑張っていたけれど、いかんせんピックマンの描いた絵画を実際に目にしてしまうと、正気を失わせるほどの力があるとは到底思えないのが最大の欠点。「エンゼルハート」の慟哭を思い出したり(気のせい)。 2.5

1-6 魔女の家での夢
ラヴクラフト原作。オチの意外性を重んじたためかその他が何から何まで雑で非常に見応えのない内容だった。主人公の熱演が終始 気恥ずかしい。友人、画家、重要なはずの妹までも都合よく登/退場を下手なコントのように繰り返す。美術の豪華さがもったいない。「サンゲリア」オマージュあり(適当)。1.5

1-7 観覧
くだらな過ぎて最高。舞台を70年代に設定したのは主にドラッグの扱いからだろうか、ドゥービーや黄金銃も確かにハマってはいたけれど。大富豪の描写など ちょいちょい小馬鹿にした雰囲気も悪くなかった。人体が溶けるVFXは美しかったけれど、レイダースの方が素晴らしかったと思ってしまうのは老害? 人喰いアメーバ(The Blob)に徹することができずに角を生やしたり人型にしてしまったのにはなんだかガッカリだけど、人ならざる者が下水道(?)から街の近くの水路に姿を現しこの先のパニックを予感させるラストもよかった。 2.0

1-8 ざわめき
見事なロケーション、撮影、美術… 島の佇まいはベックリン「死の島」を彷彿とさせ(適当)、屋敷での怪異はあらゆる“家もの”のエッセンスを凝縮したかのような大盤振る舞い。ちゃんと怖いのもいい。 3.5
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