タロンくんの新作!ということで楽しみにしていました。
毎週配信期間には時間が取れなくて、最終話配信されてから6話一気に観ました。
タロンくん自身がプロデュースに加わっているだけあって、これまでのヒーロータイプでもなく、導いてくれるメンターがいるわけでもなく、ワークアウトの成果でこれまでで一番仕上がった肉体といい、新しいタロン・エジャトンが見られるドラマだと思います。
加えて、これまでの魅力も惜しげなく余すところなく発揮されているので、タロンくん目当てにはかなり見応えがあって、ファンには嬉しい。
傲岸不遜なジョックかと思えば、弱みを握られて悔しそうに顔を歪めたり、怯え切って逆に攻撃的になったり、心の柔らかいところを抉られて傷ついたり、正義感に駆られて心身喪失しそうになったり、ともかくいろんなタロンくんが見られますので、ファンは大満足だと思います。
とはいえ、実話を元にした内容は、胃が重くなるものです。
タロンくん演じるジミーの任務は少女連続殺害犯ラリーから遺体遺棄場所の自白を引き出すことなので、メインになるのは2人の対話で、静かなシーンが多いからこそ主演2人の演技によって生まれる緊張感に飲まれていました。
凄惨な犯行自体は具体的に描かれることはなくても、潜入がバレないようにラリーを探っていく中でジミーが垣間見たラリーの深淵は、潜入前は自信満々で不遜で傲慢だったジミーが保身ではない使命感に駆られていったくらい、深くおぞましいものだったのはわかります。
また、被害者の日常を描くことで、その何気ない日々を自己中心的な思い込みで奪ったラリーの残酷さが際立つと思いました。
ラリーの自白内容は本当に気持ち悪く、実在の犯人が憑依してるのかと思うくらい底が掴めなくてポール・ウォルター・ハウザーの怪演ぶりに舌を巻きました。
ただ、ラリーの存在感が圧倒的だからかもしれませんが、凶悪犯ばかりの刑務所で生命の危険に晒されている緊張感は雰囲気だけで、古参マフィアや腐敗看守とのやりとりは中途半端に見えました。
カーター看守からの嫌がらせを受けてもなお、囚人たちから攻撃されないところがジミーの人たらしが発揮されていたから、というには囚人たちとのやりとりは描かれなかったですし。
6時間完結のドラマだから、本筋以外は時間的に仕方ないだろうなとは思いますが。
ドラマなかなか観続けられないので、6話完結はサクッと観られていい反面、物足りなさも感じてしまうジレンマ。