hiyo

セックス・エデュケーション シーズン3のhiyoのレビュー・感想・評価

4.5
エイミーとメイヴのシスターフッドが最高でした。
シーズン1からみんな少しずつ人間関係のつくり方が変わって(成長して)いるけど、特にかつて典型的なトロフィーだったエイミーの変化に胸が熱い。
エイミーがかつての自分のあり方を言語化して内省していて、彼女らしさをすり減らさず他人と関係を深めることができた象徴が、メイヴとのシスターフッドなので…もう、最高でした。

それから、ルビーも。後半出番が少なくなったところで、毅然とした「高い香水なんだからね!」は本当に格好よかった。
「不思議ちゃん」として表出してた部分だけしか見えなかったリリーの内面が掘り下げられて、人格を持つ個人として描かれてたのもよかったです。
分断ではなく連帯を、というメッセージも心強い。
だからこそここで終わるのはもどかしいし、シーズン4が待ち遠しいです。


カップルができてハッピー!ではなく、交際を維持することの難しさは、カップルを主題としているけれど、毎回入るセラピーで繰り返されるように、身勝手になりがちな自分自身と向き合う難しさでもあるんですよね。
一般公開日のテーマになっていたように、性とアイデンティティは分かちがたいものだという視点も大切だと思いました。

ホープ校長の暴走も、生徒個人ではなく体裁を優先した結果で、彼女のやり方には多感な10代でなく従順な「大人」であれば余計に反発されるものだったと思います。議論を許さず、権力で押さえつけようとしたのは、成功へのプレッシャーという彼女自身の問題だったはずで、それを履き違えてしまったのだと思う。

はた迷惑な改革者のまま退場するのではなく、誰もが間違うし、でもその間違いから学べることを示す作品として、シーズン4では彼女の再出発にも期待します。
hiyo

hiyo