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新聞記者のhiyoのレビュー・感想・評価

新聞記者(2021年製作のドラマ)
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22/1/26追記
ご遺族の承諾がないまま制作された経緯を知らずに観てしまったので、それを知って「大義」のために被害者を消費して憚らない傲慢さと、被害者への裏切り行為を平然と垂れ流せる厚顔さに絶句しています。
全裸監督(シリーズにしてしまったことも含めて)でも同じように被害者を踏み躙ったNetflixジャパンに抗議します。

上記を知る前に観たとき感じた違和感を書いていましたが、その正体が少しわかって、疑問が解けたらスッキリするはずが失望しています。
だからあくまでフィクションと言い張ったのか…被害者を無視して好き勝手に利用して、「声なき声を届ける」とは、よくも言えたものですね。

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内容に限定しても評判がいいけれど、事実に基づいている旨の記載がなくあくまでもフィクションと言い張り、メインは新聞記者と官僚と被害者で市民が不在、しかも「自分の仕事を全うしていただけ」というアイヒマンの良心頼りの解決法提示で、逆に今の日本はいかに表現の自由がない国か、如実にわかって辛い。
あの結末で手打ちにするなら、結局政治は「上の方」で決まっていると認めているようなものじゃないですか?

政府への忖度を繰り返してきたいわば自業自得の結果、報道や司法への社会的信頼度の低下が著しいなか、新聞記者や検察を正義の使徒のように描き、「官僚だって人間なんだ、苦しんでるんだ」と訴えることの自己憐憫は見ていて覚めてしまう。だけど、それさえも「攻めた」内容として評価されてしまうという現状。
もちろん、描かれないよりはマシだと思います。
でも、これで報道を諦めた罪悪感から解放されると思わないでほしい。

現実は、改ざん指示した高級官僚たちはすべて栄転、赤木さんご遺族へは税金から拠出される1億円を超える損害賠償による口封じがすでに行われています。
そこから目を逸らさないでほしい。制作者も、視聴者も。
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