あらなみ

アイドルのあらなみのネタバレレビュー・内容・結末

アイドル(2022年製作のドラマ)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

元祖アイドル、明日待子の話。

東北から上京したとし子が、新宿の劇場ムーラン・ルージュでアイドールとして売り出され、戦争の中でどう生きたかってことを描いてる。
洗練されたジャズのステージが、劇場が待子推しになったことで可愛らしいステージに変貌するんだけれど、完全にAKB系なのよね。
会いに行けるアイドール。しゅごい。

太平洋戦争の開戦と共に、劇場の役者さん達が一人、また一人、兵隊として取られていくのがしんどかった。
待子や劇場の子に会いにきてた学生達も学徒出陣として戦地に行かなきゃいけないのを見送るの、しんどい。
しかも待子が好きになった学生さんも一緒に戦地に……。

彼らを勇気づけるために待子も戦地に慰問するんだけれど、前線にいく彼らに背中を押せるって上官から言われて打ちのめされるのがもう、もう……。
人を楽しませて、夢を見せて、ファンの恋人として振る舞う待子にしたら、辛いよな……。
そういう為じゃないんだもんな。

アイドールとしての自分の生き方を全否定されたような気持ちになりそう。つらい。

終戦後のムーラン・ルージュで待子が後の美空ひばりと出会うっていう演出がすごく素敵だった。
待子のアイドールとしての生き方は終戦と一緒に終わったんだろうな。
これからの日本を作り上げていく一人である幼い美空ひばりにバトンを渡すって言う意図があるのかな。

本当になんとも言えない気持ちになった。
かつてのムーラン・ルージュを思い出す待子のシーンには泣いたわ。
あらなみ

あらなみ