はんそく負け

電撃戦隊チェンジマンのはんそく負けのレビュー・感想・評価

電撃戦隊チェンジマン(1985年製作のドラマ)
3.2
単発回がクオリティ高くて面白い。特に大空=チェンジペガサス主役のコメディ回がよく印象に残っている。しかも前半はそのほとんどが山田稔演出によるもの。劇場版×2の影響かパイロットの堀長文が長期間抜けてるとはいえトータル31本担当はヤバすぎる。
ただ縦軸の物語をナナちゃんという異星人一人に託しているのはちょっと弱かったと思う。見た目は人間の女の子だし、チェンジマンたちとも「狙われているから守る」以上の接点がなくて関係がそこまで深まっていかない。ただこの不満は翌年の『フラッシュマン』における時村夫婦で見事に挽回してたのではないかな。
またチェンジマンにせよ敵側である大星団ゴズマにせよキャラがあんまし育っていかなかったなーという気もする。チェンジマン側は良くも悪くも標準的な人物造形で見やすいけど尖りもしない。一瞬剣=チェンジドラゴンとさやか=チェンジマーメイドの間にメロドラマが生まれそうになってたのは素直に見たかったが…。
ゴズマ陣営もギルーク、アハメスともに魅力的なヒールではあるが強烈なインパクトを与えるまでには至ってない。『ダイナマン』あたりの焼き直しになってしまうけど、共闘して星王バズーに反旗を翻す展開なんかも見たかったなー。ないものねだりだが。
逆にゴズマ側のコメディリリーフであったゲーターが終盤では泣かせるキャラクターに成長して、ほぼ唯一育ったキャラクターと言っていいのではないか。愛くるしいビジュアルの着ぐるみキャラに心を動かされるのって特撮モノならではだし大変喜ばしい。
というようにゲーターはじめ終盤はそれまで散りばめていた点がどんどん線になっていって一挙に盛り上がる。なのでベストも55話『さらば宇宙の友よ』。ラスボスのスケールの大きさ、また出会ってきた仲間たちとの総力戦となるラストバトルに熱狂!最終回が一番面白いってサイコーですよ。