はんそく負け

超人バロム・1のはんそく負けのレビュー・感想・評価

超人バロム・1(1972年製作のドラマ)
3.0
子ども二人で変身するヒーロー、というのが心許なかったためかは分からないが、その家族含め登場人物が多くて良かった。それだけで規模感が違う。大ボスの人間態で室田日出男が出演しているのも持ってるというべきか。いっぱいいるとそういうケースも出てくる。
しかし1クール目終盤くらいから主役二人と松おじ(砂川啓介)、あとゲスト子役で回す話が増えてきて、どうしてもスケールダウンしたような印象は受けてしまった。ただ家族は2クール終わりくらいでまた戻ってきたりしている。
個人的に嬉しかったのは田口勝彦演出が大半を占めていること。この時期の東映特撮では一番ショットを撮れる人だと思う。中盤のホラーシリーズではゴシック調から土着信仰調、果てはゆるいのまで多様な怖さを演出していた。
ベストは24話『魔人ウデゲルゲは神社で呪う』。土着ホラー回。引き戸を開けて険しい老爺の顔が現れるショット、面をつけた村人たちが儀式の最中振り向くショットいずれも素晴らしい。罪の意識に苛まれる少年が、それを振り払うかの如く海辺を走る姿の美しさも忘れられない。