silent、エルピスなど話題の作品が多かったクールですが、ファーストペンギン良作でした。
裏切らない森下佳子脚本。
実話を元にしているドラマということもあり、個人と個人の意見のぶつかり合いはあっても悪人は出てこない。これ大事。小西遼生とかの立ち位置が非常に面白いなと思った。
慣習で凝り固まっていることを変えていくことは反発もある。でも、今は今のままでいい、ずっとそっちを選んでいることも出来る。
そういう意味ではエルピスとも似たテーマがあるのかも。
今できることを全力でやり続ける。
その先にしか変えられないこと。
考えの古い、さんし船団丸のおじさんたちに、言いたいことをぶち撒ける奈緒にはスッキリしたし、周りがみんな敵みたいな状況でも折れない奈緒がカッコよかった。
『恋です』から2回連続、好きになった相手がGayというのはあまりに切ないけれど、実話ベースの物語でマイノリティが登場するのは信頼度が高いなと思いました。
動き続けていれば絶対何かは変えられる。
動きを止めてしまったらたぶんもう二度と動けない。
誰かが海へ飛び込んで、それにみんなが続いた。
誰かが止まっても、また違う誰かが背中を押して、人と人とのつながりが背中を押して、波を作る。
立ちあがろうと思った時、立ち上がれなくなった時、きっと味方になってくれるそんな物語。
