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フィクサー Season1のkeecoliquoriceのネタバレレビュー・内容・結末

フィクサー Season1(2023年製作のドラマ)
4.6

このレビューはネタバレを含みます

Netflixのオンライン試写にて第1話と第2話を鑑賞しました。ありがとうございます。
(先日は、WOWOWの試写イベントに当選して舞台挨拶つき上映、大スクリーンで1話のみ観ました)

WOWOWのオリジナルドラマはつくり込みの熱量はんぱないのばかりで、重厚なのもほのぼのしたのも、どれも好きですが、ここへきていきなりスケール感がすごい。


唐沢さん演じる設楽の人となりを瞬時に見せつけられる1話の冒頭から、すぐに引き込まれました。彼の冷静さと、目的の途方もない巨大さを感じさせ、その彼を支える丸岡(要潤さん)の尋常でない覚悟も同時に伝わってくる、ほんの数分。

その後も、設楽の何気ない仕草にハッと身構えてしまうような、凝った構図の瞬間があり目が離せません。すべては〝フィクサー〟としての計画、それが始まるぞというワクワクと恐れが私の心に湧きあがってきました。

事故の描写はおそらくCGも使っているでしょうが、ドラマでここまで出来てしまうのか…と、ついつい力みました。暗闇を点で探す光がさまよう…暗さに奥行きを感じる映像がまたすごいです。

さっそく設楽が(自分の手駒として)目をつけた、町田氏演じる政治部の記者・渡辺。タブーにも真っ直ぐ切り込むタイプだろうか。斉藤由貴さんが母親役で、差し込まれる日常のひとコマにもそれぞれの性格を感じ取れる。無駄のないセリフと行動が、自然に構成されているからなのだろうなぁ。しかしこの前向きで平穏な2人の様子は、後の苦難を暗示している、のか…?

などと、どんどん面白くなっていきます。

早々に政治家に接近していく設楽。その設楽に接近して情報を得たいニュースキャスター沢村(内田有紀さん)。しかし彼女のジャーナリスト魂は、闇から何かを引き出すか、逆に飲み込まれるか…設楽の前ではなんとなく心もとない、と不安に思ったけれど、設楽に示された、別の意味で〝女を使う〟方法で、彼女には権力に屈せず巨悪を公にしてほしい!(現実ではその前に葬られている気がするが…)

首相の事故に関しては、設楽がちらつかせるヒントで渡辺も1人、別角度で取材をはじめ、警視庁内で孤立する刑事・板倉(小泉孝太郎さん)はそれに勘づき、2人は利用し合う関係になっていく。

と観ている途端、設楽の身に…。設楽の思惑が分からない!どうする、どうなる?

そうか、冒頭の、渡辺のモノローグで「彼らを〝フィクサー〟と呼ぶ」と言っていたっけ。暗躍する一匹狼、フィクサーとは設楽のことだとつい思って観てたけど、登場人物それぞれが、さまざまな立場から互いに人脈となり、影響し利用し合うフィクサーなのですかね。

姿は現してるけどまだ素性が分からない人物もいるし、真に正しい政治を目指している(と言われている)首相の今後も不安定、すでに冷めた関係らしい首相夫人の表情も気になる…。(沢村さんがんばって)

あー!早く続きが観たいです。そしてこれが5話ずつシーズン3まであるんですよね。

プロデューサーの、米ドラマ「House of Cards」を参考にしたという発言も耳にしました。このペースで意外な展開が続くなら、シーズン6までだって観たいかも。政治の闇は永遠に続く…。諦めのシニカルな結末ではなく、現実世界への希望となってほしい…。それくらい期待してます。
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