Reno

FARGO/ファーゴ シーズン5のRenoのレビュー・感想・評価

FARGO/ファーゴ シーズン5(2023年製作のドラマ)
5.0
最後にしてベストシーズン✨

ど直球なフェミニズムストーリーで最高✨

まさに今に相応しいテーマを、ファーゴらしさ、フォーゴの強みを使いながら完璧に語ってくれていて終始楽しく心を掴まれながら見ることができました!!楽しい9週間を本当にありがとう!!

一応、当初の予定では今シーズンが最後ということで、そういう意味では2014年から10年間、ありがとう!!🌸もっといえばオリジナルの映画から数えて18年ありがとうだね笑

以下、最後にトピックごと感想

★トキシックな男性への抵抗★
今シーズンはキリスト教原理主義=キリスト教の教えを曲解し、女性や数多のマイノリティを男性より格下の生き物として扱う愚かで恐ろしい男性と彼のコミュニティから逃れた女性が、別の場所で新たな人生を築き、再び迫り来る彼らに立ち向かい、生き延びようと新たな家族を守り抜こうと戦う物語。

フェミニズムの物語として、ドロシーやドロシーの新たな義母ロレイン、刑事のインディラ、FBIのメイヤー、ドロシーの子どもスコッティなど様々な立場、様々な強さをもった多様な女性達がイキイキと描かれていて素晴らしい、、
そしてそこに心優しく性差別せず生きていくドットの新しい夫ウェインやドットが助けた警察官ウィット、ロレインの忠実な右腕など、男性陣も魅力的かつ必要なサポーティングキャラクター!


★ドロシー(ナディーン)★
マレフィセントシリーズやミスターノーバディ、テッドラッソ、Mr.コーマン、ヴェノム3など小さい頃から今に至るまで数えきれない作品に出ている若くてもベテランなジュノー・テンプルが演じた主人公ドットは初っ端から最後まで素晴らしいキャラクターでしたね✨

本当にあのいつどこにいても、即座に色々工夫して敵との戦いに備えて見事に敵を錯乱撃退するところは気持ち良すぎて笑っちゃうくらいだった!!もうあの初回2話だけで好きになっちゃったよね笑 まさにサバイバー!!

さすがにあんなに色々武器や罠を作ったりは真似できないけど、せめて看板やネームプレートとかをごちゃまぜに入れ替えて、敵を間違った場所に誘導するっていうのくらいは困った時に真似できるように覚えておきます!!(そんなことしなきゃいけない状況来ないだろうけど笑)

★ロレイン・ライオン★
ジェニファー・ジェイソン・リーが演じたドロシーの心優しき夫の母ロレインは金融系?(債券系?表現がわからない)の会社の冷酷で力強いボスでこれまた大好きなキャラクターになりました!!!お金も権力も持っていて、男社会で勝ち抜いた鉄の女という感じでカッコイイシーンがたくさんあった!!

特に、インディラにナディーンがどんな過去を背負っていて、いかに力強いファイターであったかを聞かされて、ナディーンに対する見方を変えて変化していくところが大好きだった。二人は同じファイターだって。あれだけ小馬鹿にしていた孫の母親を義理の娘として認めていくところに本当に感動させられました。捕まったナディーンに電話で励ますところとか、最後無事に再開してハグを受け入れるところとか大好き、、

ミソジニーにまみれた銀行家を圧倒的な財力と権力で平伏させたり、ロイと対話して「つまり自由は欲しいけど責任からは逃れたいと」「それができるのはただ一人」と言って「それは大統領だろ」っていうロイに「いいえ、赤ん坊よ」って言い放つところとか、お人好しだけど有能なインディラに無価値な夫など気にせず、自分のところで働くよう助言したり、フィナーレで捕まったロイのこともちゃんと同じ刑務所の囚人みんな買収して最後まで生き地獄を味あわせようとするところとか全部完璧。この強さ憧れる、、

ロレインみたいな義母、頼もしすぎるよね笑

あとロレインのオフィスにデカデカと飾ってあるNOって描いてある絵画も最高だよね笑笑 まさにファーゴらしい表現!

★インディラとウィット、ウェイン★
ナディーンを大切に思って助けてくれる刑事のインディラとウィット、そして夫ウェインの3人!みんな素晴らしい善人!!

それにしてもナディーンはこんなに素晴らしい自立した女性なのになんであんな愚かな馬鹿者と結婚していたんだろうね。そこはずっと謎だったw

とても義理堅く正義感の強いウィットもナディーンにとっての素晴らしい味方だったんだけど、所々危険を顧みなすぎて危なっかしくて、フィナーレでは実際無謀にロイに近づき殺されてしまって本当に可哀想だった。

ウェインは本当にあの強く冷徹なロレインとは真逆に物腰柔らかく誰にでも明るく優しい男性でロイみたいな男から逃げ出したナディーンにとって最適な相手だったんだろうなって。本当に優しくて良い人。フィナーレでのムーンクとのシーンもまさにウェインの存在があってこその味わい深さだったと思う。

★ロイ・ティルマン★
宗教原理主義に染まったコミュニティの保安官という名の独裁者!とても憎たらしい胸糞悪い悪役でしたね!!女性やマイノリティを下等生物のように扱い、武力と権力をかき集め、アメリカを支配しようと企むロイは、現実世界でトランプとトランプ支持派の過激な凶行を目の当たりにした私達にとってとても身近で現代的な恐怖を表したキャラクターでしたね。まさにMake America Great Againと言ってアメリカを白人シスヘテロ男性優位の独裁国家に変えようとするような感じ。ジョン・ハムもこういう役が本当うまい!笑

なんだけど最終的にはしっかり失敗して捕まって、しかもロレインによって刑務所暮らしもしっかり一生惨めなものに設定されていてちゃんと報いを受けて満足!!笑

完全ハッピーエンドにならない可能性も考えてたけど、こういう悪役はちゃんと報いを受けてくれないと怖いもんね。実際、本当日本だって統一教会とか自民党とかそういう団体はロイから遠い存在じゃないし、いつどうなるか分からない不安がずっとあるわけだし。

こういう物語の世界では少なくともちゃんと打ち勝てるんだって示してくれて希望が持てる。

「ハンドメイズテイル」とか先月の映画「終わらない週末」もこういう恐怖から生まれてる作品だよね。

★ムーンク★
そしてこのフェミニズムと宗教原理主義の過激派右派男性との物語にさらに一癖加えているのがファーゴ恒例の奇妙で個性的な暗殺者ポジションのムーンク!この第三のポジションであるムーンクのなんとも言い表せないストーリーライン、とても魅力的でしたね!

彼の物語はまだまだ教養のない私にはちゃんと説明できないんだけど、ナディーン達とは違った方向性からロイ達愚か者を加齢に翻弄して罰を与えていくところがカッコよかったし、その末のフィナーレのラスト、ライオン家でのシークエンスが最高だった。

ファーゴの締めに相応しい。
人々の罪を背負わされ何百年も生き続けていたムーンク。ナディーン、ウェイン、スコッティとの暖かな時間。約束は果たさなければいけないけど、借りは相手が返せないときには許してあげることが大切じゃない?とナディーンに言われ、そして最後には家庭の愛と喜びこもった食事を食べて罪から解放され笑顔で終わる。

こういう終わり方とても良い、、


★ノア・ホーリー★
本当に素晴らしいドラマを作ってくれてノアには感謝と尊敬でいっぱいです!!

ファーゴ5シーズン、彼の芸術的でメッセージ性豊かな物語と数々の個性的なキャラクター達は素晴らしい贈り物でしたね!!

ノアといえばもう一つ、マーベルの LEGION 全3シーズンも人生トップクラスに大好きで、本当すごいクリエイターだなって思う。ノアの次の作品は「エイリアン」の世界を舞台にしたドラマ。これも楽しみ!!

ノアには今後も思う存分、個性的で感動的な作品を作り続けてほしいです!!

ありがとうございました!!✨


★余談★
今回、最後のシーズンにして初めてアメリカと同日配信で毎週見れたのがすごく嬉しかった!!これもおそらく制作会社のMGMが数年前にAmazonの子会社になったからこその恩恵だよね。ありがたい、、幸運だった、、
Reno

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