ゼロ

罠の戦争のゼロのレビュー・感想・評価

罠の戦争(2023年製作のドラマ)
3.9
ハマっているのは、お前か、俺か。

草彅主演の「銭の戦争」「嘘の戦争」に続く「戦争シリーズ」第3弾。勧善懲悪で、汚職にまみれた政界を、スリリングでスピーディーに描く傑作ドラマ。

第一話で、草彅剛さん演じる鷲津亨の息子・泰生が、何者かに歩道橋から突き落とされる。この突き落とした人間は、政界の誰かというのが分かり、「犯人探し」をすることになった。

「復讐」に燃える男・鷲津亨が、犬飼孝介の第一秘書を勤めていたが、話が進むにつれて、周りにいる嫌な奴をどんどんと蹴落としていくのは、観ていて気持ちが良かった。「弱い男」として鷲津亨がいて、権力を持つ人間を引きずり下ろすだけに留まらず、自ら「衆議院議員」となっていくのはサクセスストーリーとしても良い。

このドラマが「復讐」と「サクセスストーリー」だけで終わっているのではなく、「自らが権力を持ち、落ちぶれていく様」も描いているのが良かった。第一話で権力を持つ人間を毛嫌いしていたのに、実際にその立場になったら、権力を持つため保身に走るようになった。その結果、家族とは別れ、周りの人間をゴミのように扱う汚職された政治家へと変貌していた。

毎週毎週がクライマックスのようなテンポと成り上がりから落ちぶれた姿を描くドラマもあり、最後まで飽きずに楽しめることができました。

また草彅剛さんの棒読みとも、顔芸とも言える演技ですが、終盤になるとハマってきて俳優・草彅剛としての才能を観ることができたのも良かった。他の共演者も下手な俳優はいなかったので、水を差すような演技下手もなかったので安心して見ることができました。

最終話を迎えて、続きを描こうと思えば、続けることができる終わり方をしていたので、日の目が浴びる日がくることを期待して待っています。
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